防犯・火災報知設備図の読み方|防犯カメラ・入退室管理・自動火災報知設備
- 自動火災報知設備の図面の半円や S の四角の記号は何?
- 太い一点鎖線と丸の数字の意味を知りたい
- 防犯カメラや入退室管理の図面に何が書いてあるのか分からない
自動火災報知設備の図面を開くと、半円や S の四角が並び、太い一点鎖線が階をいくつかに区切って、そばに丸の数字が書かれています。
防犯の図面にも、四角を組み合わせた記号が並び、何の機器なのか分かりにくい図です。
しかし、記号と線の意味には、決まりがあるのです。この記事では、自動火災報知設備の記号と、区域の線と番号、機器のつながりの図の読み方を解説します。
後半では、入退室管理の記号と、監視カメラの記号とつながりも取り上げます。読み終えると、記号がどの機器か、一点鎖線と番号がどの区域を示すかが分かるはずです。
自動火災報知設備(自火報)は、火事を感知器で見つけて、建物の中の人に知らせる設備です。
自動火災報知設備とは

自動火災報知設備では、感知器か発信機の知らせを受信機が受け、ベルなどを鳴らして建物の中の人に知らせます。
感知器は、火事の熱・煙・炎を見つける機器です。発信機は、火事を見つけた人が押して知らせるボタンを指します。

受信機は、感知器や発信機の知らせを受けて、火事の場所を表示し、ベルなどを鳴らす機器です。図面では、受信機は長方形に対角線と十字、発信機は丸に P の記号なので、名前が似ていても形で見分けられます。
感知器の記号

国土交通省の公共建築設備工事標準図(以下、標準図)では、感知器の記号は見つけるものごとに形が違います。
| 記号 | 感知器 |
|---|---|
| 半円に、平らな辺に沿ったもう1本の線 | 差動式スポット型感知器(熱) |
| 半円 | 定温式スポット型感知器(熱) |
| 四角に S | 煙感知器 |
| 丸に三角 | 炎感知器 |
熱の感知器のうちよく出るのは差動式と定温式で、標準図の記号では、線を足した半円が差動式、ただの半円が定温式です。
表の右の欄の「2種」「1種」は感知器の種別で、記号の形は同じまま、記号の横に添える文字(傍記)で書き分けます。この記事の話は、記号の見分け方までです。
発信機・ベル・受信機の記号

発信機とベルは丸の中の文字、受信機は長方形の中の線、表示灯は塗り方で見分けます。
| 記号 | 機器 |
|---|---|
| 丸に P | P型発信機 |
| 丸に B | 警報ベル |
| 長方形に対角線と十字 | 受信機 |
| 半分を塗った丸 | 表示灯 |
表示灯の半分を塗った丸は、壁付の照明(壁の側を塗った丸)と形が似ているので、凡例(図面で使う記号の意味の一覧)で確かめましょう。
実物の系統図には、P型発信機・表示灯・ベルをまとめた機器収容箱も書かれていました。
警戒区域の線と番号

受信機は、火事の場所を警戒区域ごとに表示します。警戒区域は、その表示で見分けられるいちばん小さな区域です。
図面では、区域の境を線で、区域を番号で示します。国の工事の図面の作り方の基準では、警戒区域の線を一点鎖線の極太線で書きます。
編集部が見た平面図では、部屋の外に、大きな丸に数字の番号を書いていました。
警戒区域の大きさは、消防の法令で決まっています。1つの警戒区域は 600m² 以下(主要な出入口から内部を見通せるときは 1,000m² 以下)で、一辺は 50m 以下、2つ以上の階にわたらないのが原則です。
そのため、広い階は2つ以上の区域に分かれます。上の見本は、1つの階を2つの区域に分けた例です。
送り配線と系統図

感知器の配線は、消防の法令で**送り配線(感知器を1本の線で次々につなぐ配線)**にする決まりです。感知器をつないだ線の終わりには、発信機や押しボタン、終端器(線の終わりに付ける部品)を設けます。
編集部が見た平面図も、感知器を1本の線で次々につないでいました。
平面図でつないだ感知器の線は、系統図で受信機までたどります。系統図は、機器のつながりを、部屋の中の位置によらず書いた図で、階だけは分けて書きます。
編集部が見た公共の建物の系統図4件(自火報2件・弱電と防犯2件)は、どれも横の線で階を分け、階ごとの帯の中に機器を並べていました。
受信機の位置に、受信機とほかの防災の機器を一体にした「複合盤」を書く図面もあります。
編集部が見た図面では、平面図と系統図の両方に同じ警戒区域の番号がありました。番号を見比べて、区域ごとのつながりを読みましょう。
防犯・入退室管理・監視カメラの図面

国の工事の基準では、監視カメラ設備と、防犯・入退室管理設備を、別の工事の種類として分けています。防犯の図面には、非常押ボタンや検知器なども書かれます。
この記事で読むのは、防犯の図面のうち次の2つです。
- 入退室管理設備
- 監視カメラ設備
入退室管理の記号
入退室管理設備は、カードなどで人を確かめ、電気錠で扉を開け閉めして、出入りを管理する設備です。標準図では、制御装置・電気錠・認識部を四角を組み合わせた記号で表します。
| 記号 | 機器 |
|---|---|
| 四角を田の字に4つに分けた形 | 制御装置 |
| 四角に対角線と黒丸 | 電気錠 |
| 四角の右上に小さな四角 | 認識部(傍記 C=カード式、T=テンキー式、F=指紋式など) |
防犯の図記号は、国の標準図のほかに日本防犯設備協会の規格もあるので、凡例で確かめましょう。
監視カメラのつながり

防犯カメラは、図面と国の基準では監視カメラと呼びます。監視カメラ設備は、カメラの映像を録画機(デジタルレコーダ)やモニタへ送る設備です。
| 記号 | 機器 |
|---|---|
| 長方形の横に小さな四角 | カメラ |
| DR の四角 | デジタルレコーダ |
| TVM の四角 | モニタ |
系統図には、カメラ・レコーダ・モニタがどうつながるかが書かれます。
記号と線で防犯・火災報知の図面を読もう

自動火災報知設備は、感知器で火事を見つけ、受信機とベルで知らせる設備です。この記事で読んだのは、次の5つです。
- 感知器:熱は半円(線を足したものが差動式)、煙は四角に S、炎は丸に三角
- 発信機・ベル・受信機:丸に P、丸に B、長方形に対角線と十字
- 警戒区域:太い一点鎖線の境と、丸の数字の番号
- 送り配線と系統図:感知器を次々につなぐ送り配線。編集部が見た公共の建物の系統図は階ごとの帯
- 防犯:入退室管理の制御装置・電気錠・認識部と、監視カメラ・レコーダ・モニタのつながり
自動火災報知設備の図面を開いたら、凡例で記号を確かめ、平面図で警戒区域の線と番号を見てから、系統図で受信機までたどってみてください。
系統図の読み方は、「通信・情報設備図の読み方|LAN・インターホンなど」(準備中)で詳しく解説します。
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