立面図の屋根の形と勾配の表し方|切妻・寄棟・片流れ
- 立面図の屋根が、面によって三角に見えたり帯に見えたりするのはなぜ?
- 切妻・寄棟・片流れは、立面図でどう見分けるの?
- 立面図の屋根に付いている三角の印の読み方を知りたい
立面図の屋根は、見る面によって形が変わって見えます。しかし、屋根の形の名前と立面図の見え方が結びついていないと、立面図から屋根の形を言い当てられません。
この記事では、見本の家の立面図を使い、屋根の基本の形と、切妻・寄棟・片流れの立面図での見え方、勾配の印の読み方を解説します。
屋根の形は、立面図の向きの違う面を見比べて読みます。
見本の家で作図すると、切妻(この記事では屋根の形の名前として使います)は棟と直角の面で山形、寄棟は台形と三角、片流れは傾きの見える面で斜めの線になりました。
屋根の基本の形

屋根の面が交わり、雨水を両側へ分ける所を棟と呼びます。いちばん高い所の水平な棟が大棟で、寄棟などで四隅へ斜めに下りる棟は隅棟です。
日本の木造の建物で基本になる屋根の形は、切妻・寄棟・入母屋の3つです。これに片流れ・方形・陸屋根を加えた6つが、基本の屋根の形とされています。
- 切妻:棟から両側へ、2つの面で葺き下ろした形
- 寄棟:大棟の両端から四隅へ、隅棟が下りる形
- 入母屋:上は切妻のように2方へ、下は寄棟のように4方へ傾く形
- 片流れ:一方にだけ傾く形
- 方形:隅棟が頂の一点に集まり、水平の棟が無い形
- 陸屋根:傾きがほとんど無い平らな形
「切妻」の語は、辞典によっては屋根の側面の山形の部分を指すので注意が要ります。この記事で使うのは、屋根の形の名前としての「切妻」です。
この記事で見え方を扱うのは、見本の家の切妻と、比べるための寄棟・片流れの3つです。公開されている設計図や申請図書の作成例などから集めた立面図13件では、寄棟が6件、切妻と片流れが2件ずつでした。
立面図で見る切妻

見本の家の屋根は切妻で、棟は東西に通っています。棟と平行な南立面図では屋根が横に長い帯に見え、棟と直角の東立面図では山形に見えます。
妻とは、棟と直角の両側面のことです。切妻の屋根では、側面の三角形の部分を指すことが多い語です。
東と西の面が、見本の家の妻側にあたります。
寄棟と片流れの見え方

同じ見本の家を、寄棟と片流れの屋根にして作図してみました。見え方を確かめる屋根は、次の2つです。
- 寄棟の見え方
- 片流れの見え方
寄棟の見え方
寄棟の屋根の面は、台形2つと三角形2つでできています。見本の家を寄棟にすると、南立面図では台形、東立面図では三角に見えました。
東立面図では、切妻は山形、寄棟は三角に見えます。切妻は壁が三角に立ち上がって屋根は縁だけ、寄棟は軒の高さで壁が終わり、その上に屋根の面が三角に見えます。
集めた13件のうち住宅の7件では、5件が寄棟でした。ただ、7件のうち5件は申請図書の作成例と住宅CADの見本です。
片流れの見え方
片流れは、一方にだけ傾く屋根です。見本の家を北が高い片流れにすると、傾きの見える東立面図では、屋根が北へ上る斜めの線に見えました。
南立面図では、手前が低く奥へ上る屋根の面が、帯のように見えます(見本の家の場合)。どちらが高いかは、傾きの見える東か西の面で確かめましょう。
勾配の印を読む

集めた立面図13件のうち7件は、屋根に三角の印を付けて勾配を示していました。7件のうち6件は横の辺に10、縦の辺に立ち上がりの数を書く形で、横の辺を100にした図面や、角度を添えた図面もあります。
4/10は、水平に10進んで4上がる勾配です。見本の家では、屋根の傾きが見える東と西の立面図に印を付けます(図は東)。
屋根の勾配は、水平1尺に対する立ち上がりの寸でも言います。1尺は10寸なので、4/10なら4寸勾配です。
国の建物の工事の図面の作り方の基準では、屋根の勾配を分母10の分数で書いてよい決まりです。分数と角度の読み方は、建築図面の勾配の表し方で解説しています。
屋根の形は向きの違う面を見比べて読もう

屋根の形の名前と、見本の家の立面図での見え方を結びつけると、立面図から屋根の形を読めます。切妻と見比べた屋根は、次の2つです。
- 寄棟の見え方
- 片流れの見え方
立面図を開いたら、4面のうち向きの違う面を並べ、屋根がどう見えるかを確かめてみてください。そのあと、三角の印で勾配を読みます。
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