矩計図で読む屋根と軒先|屋根の層・軒の出
- 屋根の上に並ぶ「ルーフィング」「野地板」「垂木」は、どの層のこと?
- 軒先の「鼻隠し」「軒天」は、どこの部材?
- 軒の出の寸法は、どこからどこまで?
矩計図(かなばかりず)のいちばん上には、屋根と軒先が描いてあります。しかし、斜めの屋根に細い層が何枚も重なり、軒先には小さな部材が集まっているので、文字と形を結びつけにくい所です。
この記事では、見本の住宅の矩計図を使い、屋根の層の順、勾配と軒の出、軒先の部材の読み方を解説します。
屋根は上から層の順に、軒先は軒の出の寸法と部材の名前で読むのが、この部分の読み方です。
矩計図の屋根と軒先の部分

屋根と軒先は、矩計図のいちばん上の部分です。屋根の勾配の三角と軒の出の寸法も、この部分に並びます。
図の▽軒高の印が付くのは、外壁の上で屋根を受ける軒桁(×の印の部材)の上の端です。
屋根の層を上から読む

屋根の層は、引出線の文字を、線が指す所と合わせて上から読みます。編集部が集めた矩計図10件のうち8件は、屋根材、ルーフィング、野地板の順に文字を書いていました。
見本の屋根には、上から次の4つの層が重なっています。
- 屋根材(金属板)
- ルーフィング
- 野地板(厚12)
- 垂木
ルーフィングは、屋根材の下に敷いて、屋根材の隙間から入った雨水が中へ入るのを防ぐシートです。
野地板は、屋根材を取り付けるために張る下地の板で、その下に垂木があります。
垂木は、屋根の傾きに沿って斜めに架け、屋根の下地と屋根材を支える木材です。勾配屋根の木造6件のうち、屋根材の下に垂木を書いていたのは、図が読めた5件すべてでした。
見本の住宅は、断熱材を2階の天井の上に敷く形です。そのため、見本の屋根の層には断熱材がありません。
勾配と軒の出を読む

屋根の傾きは、屋根の近くの勾配の三角で読みます。この三角は、図が読めた9件すべてにありました。
見本の4/10は、横に10進むと4上がる傾きです。
軒の出は、外壁から、屋根の先が外へ出ている長さです。軒の出の寸法は9件にあり、値は450〜1,500でした。この中には、庇の出や、樋の先まで測った値(「樋先 600」)も含みます。
見本の軒の出は、外壁の柱の中心から、鼻隠しの内側までの600です。図面ごとに測る所が違うので、どこからどこまでの寸法かを寸法線の両端で確かめてください。
屋根の勾配や軒の出は、雨水の処理や日当たりにかかわります。軒の出が短くなると、外壁の中へ雨水が入るリスクが増えるのが、その一例です。
軒先の部材を読む

軒先には、屋根の先を隠したり、雨水を受けたりする部材が集まります。見本の軒先に描いてある部材は、次の3つです。
- 鼻隠し
- 軒天
- 軒樋
鼻隠し
鼻隠しは、軒先で垂木の先を隠す長い板です。見本では、屋根の先の端に縦に描いてあります。
軒天
軒天は、軒先に出た屋根の裏側の天井です。集めた図面には「軒天」と書くものも「軒裏」と書くものもあり、どちらも同じ所を指します。
軒樋
軒樋は、軒先に付けて、屋根から流れ落ちる雨水を受ける水平な樋です。見本では、鼻隠しの外に半円の形で描いてあります。
矩計図の屋根は上から順に読もう

矩計図の屋根と軒先の部分には、屋根の層と、勾配、軒の出、軒先の部材が描いてあります。読む順は、次の4つです。
- 屋根の層を、屋根材から下へ1つずつ読む
- 勾配の三角で、屋根の傾きを読む
- 軒の出の寸法を、どこから測ったかと合わせて読む
- 鼻隠し・軒天・軒樋の名前を、軒先の形と合わせて読む
断熱材の書き方は、「建築図面の断熱材と防水の表記|矩計図の中の層」(準備中)の記事で解説します。
矩計図を開いたら、屋根のいちばん上の文字から順に、線の先をたどってみてください。
あわせて読みたい
- 矩計図(かなばかり図)の読み方|基礎から屋根までの高さと納まり — 矩計図に書いてあるものと、高さの印から層まで読む順
- 建築図面の勾配の表し方|分数・角度・屋根の4/10 — 屋根の勾配の三角と、4/10 の読み方
- 建築図面のレベル(高さ)の読み方|GL・FL・階高・軒高 — 軒高の意味と測り方
会員登録(無料)
記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。
この記事について
PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

