矩計図の書き方|基礎から屋根までの材料の重なり
- 矩計図は、建物のどこで切って作図するの?
- 矩計図は、何から描き始めればいいの?
- 矩計図に、どこまで描き込めばいいかを知りたい
矩計図は、断面図より大きな縮尺で、基礎から屋根までの材料を描き込む図面です。しかし、描き込む線と文字が多いので、何から手を付けるかを決めていないと、途中で線が入り組んで迷うでしょう。
この記事では、見本の家の南の外壁で切った矩計図と、編集部が集めた実物の矩計図10件を使い、切る所と縮尺、作図する順、描き込む材料の重なりを解説します。
矩計図は、軒先を含む代表的な外壁の所を切った断面詳細図です。Web で読める矩計図の描き方の解説の記事5本は、高さの基準線 → 構造体 → 下地と仕上げ → 文字の順に作図します。
矩計図で示すもの

辞典によると、矩計図は、建物の各部の標準的な高さを示すために、軒先を含む代表的な外壁の所を梁間方向(見本の家では南北)に切った断面詳細図です。地盤・床・軒・窓・天井などの高さの関係を示します。
国が発注する建物の工事には、図面の書き方を決めた基準があります(以下、国の工事の基準)。この基準では、矩計図は、縦に切った断面の材料・工法・形状・寸法を表す図です。
切る所と縮尺

矩計図は、軒先を含む外壁の所で切ります。見本の家では、断面図の記事で南北に切った断面図(A)と同じ線で、LDK の窓がある南の外壁を切りました。
建築士の設計製図の試験は、課題ごとに切る所の条件を出しています。
令和7年の二級の矩計図は、1階と2階の外壁と、少なくとも1つの開口部を含む所で切り、作図の範囲を柱心から 1,000mm 以上とする指定でした。
集めた矩計図10件は、どれも基礎から屋根までを1枚に描いていました。建物の幅全体を描いた図面が8件、外壁のまわりだけの図面が2件です。
見本の家では、材料の重なりを大きく見せるため、外壁のまわりだけを描いています。
矩計図の縮尺も、場面で違います。国の工事の基準は 1/30 か 1/50、辞典は 1/20 が多いとし、令和7年の建築士の試験は 1/20 でした。
集めた矩計図10件では、1/30 が7件でした。見本の家の矩計図も 1/30 で作図しています。
矩計図を作図する順

解説の記事5本は、矩計図を高さの基準線から構造体、下地と仕上げ、文字の順に作図すると説明しています。5本のうち4本は建築士の試験の記事で、実務の作図として書いているのは1本でした。
見本の家は、この順に次の4つの段で作図しました。
- 高さの基準線を引く
- 構造体を作図する
- 下地と仕上げを描き込む
- 文字と寸法を書く
高さの基準線を引く
見本の家では最初に、GL・1FL・2FL・軒高と、窓の上、天井の高さを横の線で引きました。縦には、外壁の通り芯を引いています。
高さの値は、断面図で決めたものと同じです。見本の家では、1FL が GL から 500、2FL が 1FL から 2,900 です。
構造体を作図する
見本の家では、高さの基準線の次に、基礎・土台・柱・胴差・桁・垂木などの構造体を作図しました。見本の家は木造なので、布基礎の上に土台を置き、柱を立て、2階の床の高さに胴差、屋根の下に軒桁を描きました。
構造体を下から描くか上から描くかは、書き手で分かれます。下から描く記事と上から描く記事があり、どちらでもよいとする記事もありました。
下地と仕上げを描き込む
見本の家では、構造体の外と内に、下地と仕上げの材料を重ねて描き込みました。集めた矩計図では、外壁の外側に外装材・通気層(胴縁)・透湿防水シートを、この順に重ねた図面が10件のうち8件でした。
その内側は、木造の6件のうち5件が構造用合板などの面材を描き、10件すべてがせっこうボードを描いています。外壁の断熱材を描いた図面は、10件のうち8件でした。
屋根は、上から屋根材・ルーフィング・野地板の順に重ねた図面が8件でした。木造の住宅の床は、5件すべてが上から仕上げ・合板の順(根太を描く図面もある)で、床の断熱材を描いた図面は3件です。
文字と寸法を書く
見本の家では最後に、材料の名前を引出線の先に、層の順に重ねて書きました。集めた矩計図10件は、どれもこの書き方です。
見本の家では、高さの寸法も最後に書き込みました。寸法をいつ入れるかを書いた解説の記事は2本で、どちらも骨組みの段や最初に、寸法を早く入れていました。
描き込むもの

矩計図に描き込むものは、高さの寸法と、構造体と、材料の重なりです。国の工事の基準は、各部の寸法と、仕上げの材料と構造体を書く事項に挙げ、矩計図は部分断面詳細図を兼ねてよい、としています。
令和7年の二級の試験は、矩計図に床高・天井高・階高・軒高・軒の出・開口部の内法(窓などの開口の内側の寸法)・屋根の勾配を書くよう求めました。
基礎・土台・胴差・梁・桁・垂木などの名前と断面の寸法、断熱と防湿、仕上材料名も、同じ試験の指定です。
集めた矩計図では、断熱材の名前と厚みを書いた図面が10件のうち10件、窓の高さを床からの寸法で書いた図面が8件でした。
矩計図は骨組みから材料を重ねて作図しよう

矩計図は、軒先を含む外壁で切った断面詳細図です。この記事で見本の家を作図した順は、次の4つです。
- 高さの基準線を引く
- 構造体を作図する
- 下地と仕上げを描き込む
- 文字と寸法を書く
矩計図を作図するときは、断面図の高さを基準線に写し、構造体を描いてから、外壁と屋根の材料を外から順に重ねてみてください。
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