search
  1. 矩計図で読む基礎と床|基礎・土台・床の構成

矩計図で読む基礎と床|基礎・土台・床の構成

編集部 読了 約6分

  • 矩計図の基礎のまわりには、何が描いてあるの?
  • 床の下のコンクリートの下に重なる層は、何の層?
  • 床の下の材料の文字を、どう読めばいいの?

矩計図のいちばん下は、住宅を支える基礎と1階の床を描いた所です。しかし、コンクリートの下にも床の下にも層が重なっていて、どの文字がどれを指すのか迷いがちです。

この記事では、見本の住宅の矩計図を使い、床の高さ、基礎の形、床の下のコンクリートの層、1階の床の層、床下の換気の読み方を解説します。

基礎と床の部分は、床の高さ、基礎の形、床の下のコンクリートの層、1階の床の層、床下の換気の5つを順に読みます。

床の高さを読む

見本の住宅の矩計図の、基礎から1階の床までの部分。▽GLと▽1FLの印と、床の高さ500の寸法
見本の住宅(木造2階建て)の矩計図の南の外壁の下のほう。右が屋外。公開されている設計図に多い形をもとに編集部が作成。値は例

矩計図のいちばん下の部分では、まず▽GL(設計で基準に決めた地面の高さ)と▽1FL(1階の床の高さ)の印を探し、床の高さ(床高)を読みます。見本では、GLから1FLまでが500です。

編集部が集めた矩計図10件のうち、1階の床までの寸法と読めた7件では、450〜569でした。

建築基準法施行令では、いちばん下の階の居室の床が木造なら、床の真下の地面から床の上面まで45cm(450)以上が決まりです。床の下をコンクリートなどで覆う場合などは、この決まりから外れます。

見本の500は、▽GLから測った寸法です。法令の45cmは床の真下の地面から測るので、比べるときは測り始めの違いに気をつけます。

基礎の形を見分ける

布基礎とべた基礎の形を並べた図。布基礎は壁の下に沿った逆T字形、べた基礎は底面全体がコンクリート
基礎の形の見本。形は例

基礎の種類は、矩計図の外壁の下にある基礎の切り口の形で見分けます。この記事で見分ける基礎の形は、次の2つです。

  • 布基礎
  • べた基礎

布基礎

布基礎は、壁の下に沿って連続して設ける、断面が逆T字形の基礎です。矩計図では、外壁の下に、底の広い逆T字の切り口が描いてあります。

べた基礎

べた基礎は、底面全体で建物の重さを地盤に伝える基礎です。矩計図では、外壁の下の基礎と、床の下全体の板が、1つながりの切り口で描いてあります。

布基礎の図面でも、床の下にコンクリートを打つものがあります。見分ける手がかりは、床の下の板が外壁の下の基礎とつながっているかどうかです。

見本の住宅は、べた基礎です。

床の下のコンクリートの層を読む

見本の住宅の矩計図の、べた基礎の底の部分。上からコンクリート、防湿シート、砕石の3つの層と引出線の文字
見本の住宅の矩計図の、床の下のコンクリートの部分。番号は上から数えた層の順。防湿シートと砕石は、集めた図面の土間コンクリートの下に多い形にならって描いた。値は例

床の下のコンクリートの下にも、層が重なっています。見本の床の下のコンクリートはべた基礎の底の板(厚150)で、その下に防湿シートと砕石を描いています。

防湿シートは、地面からの湿気を止めるために、土間コンクリートの下に敷くシートです。

集めた図面では、床の下のコンクリートを「土間コンクリート」「土間スラブ」などと書いていました。

集めた10件のうち7件は、床の下のコンクリートの下に、断熱材(無い図面もある)、防湿シート、砕石の順で層を書いていました。防湿シートの厚さは、どれも「0.15」です。

べた基礎の住宅の3件では、公開されている図が小さく、この部分の層の文字は読めませんでした。

国の建物の工事の基準では、防湿シートの材料を、別の指定が無ければ厚さ0.15mm以上のポリエチレンフィルムとしています。敷く位置は土間コンクリートの直下で、断熱材があれば断熱材の直下です。

1階の床の層を読む

見本の住宅の矩計図の、1階の床の部分。上からフローリング、構造用合板、断熱材、大引、床束と引出線の文字
見本の住宅の矩計図の、1階の床の部分。番号は上から数えた順で、断熱材と大引は同じ高さに並ぶ。値は例

床の下の空間の上が、1階の床です。床は、上の仕上げから順に読みます。

集めた10件のうち、木造の住宅の5件は、どれも仕上げ、合板の順に文字を書いていました。その下に断熱材を書いた図面が3件、根太(床板を支えるために、大引の上に設ける木材)を書いた図面が2件です。

見本では、上からフローリング(厚12)、構造用合板(厚24)です。合板の下には、合板を受ける大引があり、大引のあいだに断熱材(厚65)が入っています。

大引は、1階の床の下で根太や床板を受ける横の構造材で、大引などを下から支える短い柱のような部材が床束です。見本の床束は金属製です。

見本は、厚い合板を大引に直に張り、根太を入れていません。

床下の換気を読む

見本の住宅の矩計図の、土台と基礎のあいだ。土台・基礎パッキン・土台水切り・基礎の引出線の文字
見本の住宅の矩計図の、外壁の下の土台のまわり。基礎パッキンは黒く塗って描いた。土台水切りは、雨水を外へ流す部材。値は例

床下の換気の方法も、矩計図の土台のまわりに書いてあることがあります。土台は、木造の建物で、基礎のコンクリートの上に置く木材です。

見本では、基礎と土台のあいだに基礎パッキンを入れています。基礎パッキンは、すき間をあけて床下の換気をよくする部材です。

集めた木造の住宅の矩計図では、1件が「基礎パッキン」、1件が「ねこ土台」と書いていました。どちらも、土台の下のすき間で換気をとる書き方です。

矩計図の基礎と床は高さの印から読もう

見本の住宅の矩計図の基礎と床で読んだことの表。高さ・基礎の形・コンクリートの下・1階の床・床下の換気
見本の住宅の矩計図の、基礎と床の部分で読んだこと(値は例)

矩計図のいちばん下の部分には、基礎の形と、床の下のコンクリートの層と、1階の床の層が描いてあります。読む順は、次の5つです。

  • ▽GLと▽1FLの印で、床の高さを読む
  • 基礎の切り口の形で、布基礎かべた基礎かを見分ける
  • 床の下のコンクリートの層を、上から読む
  • 1階の床の層を、仕上げから下へ読む
  • 土台のまわりで、床下の換気の方法を読む

外壁の層と窓の読み方は、「矩計図で読む壁と開口部|壁の層・窓まわり」(準備中)の記事で解説します。

矩計図を開いたら、まず▽GLと▽1FLのあいだの寸法を探してみてください。

あわせて読みたい

会員登録(無料)

記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。

この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

あわせて読みたい