工事監理での図面の使い方|施工図と製作図の確認
- 工事監理って、何をするの?
- 施工図の確認では、誰が何を確かめるの?
- 設計意図伝達の業務とは何かを知りたい
工事が始まると、工事監理者は、工事が設計図書(図面と仕様書)のとおりに行われているかを確かめます。施工者がつくる施工図や製作図を、その部分の工事や製作の前に確かめるのも、その仕事の1つです。
ただ、工事監理は、施工者が工事を管理する「工事管理」と読みが同じで、取り違えやすい言葉です。施工図を何と照らして確かめるのかも、知っておく必要があります。
この記事で解説するのは、工事監理とは何か、監理の業務、施工図と製作図の確認、設計意図伝達です。工事の段階で、設計図書と施工図をどう使うかが分かります。
工事監理とは

工事監理は、工事を設計図書と照らして、そのとおりに行われているかを確かめることです。設計図書のとおりでなければ施工者に指摘し、施工者が従わなければ施主に報告します。
工事監理は、施主の立場で工事を確かめる仕事です。施工者の側が工事の流れや品質を管理する工事管理(施工管理)とは、立場も中身も違います。
設計事務所では、設計者が監理者を兼ねることが多く、別の人のこともあります。
設計と監理をまとめて受ける業務の呼び名は、設計監理です。
工事監理の業務

国の業務報酬基準(建築士事務所の報酬の基準)は、監理の標準の業務として、次のものを挙げています。
- 監理の方針を施主に説明する
- 設計図書の内容をつかみ、矛盾や抜けがあれば施主に報告する
- 施工者が出す質疑書(工事についての問い)を検討し、回答を知らせる
- 施工図などが設計図書に合うかを検討し、施主に報告する
- 施工者が出す工事材料や設備機器が設計図書に合うかを検討し、施主に報告する
- 工事を設計図書と照らして確かめ、そのとおりでなければ施工者に指摘する
- 工事監理報告書を施主に出す
質疑書の検討で見るのは、形状・寸法・仕上がり・機能・性能など、設計図書に定めた品質を守れるかです。必要なときは、施主を通じて設計者に確かめてから答えます。
工事を確かめる方法は、目視や一部を抜き出しての確認、施工者から出される品質管理の記録の確認などで、工事に応じて選ぶものです。監理を終えたら、建築士は直ちにその結果を文書で施主に報告します。
施工図と製作図の確認

施工図は、実施設計図をもとに、施工者が工事のために細かく作図する図面です。製作図は、鉄骨や建具などの部材を工場でつくるための図面で、これを作図するのも施工者の側です。
監理者は、施工者が出す施工図や製作図、製作見本(部材の見本)・見本施工(工事の見本)が、設計図書の内容に合うかを検討して施主に報告します。施工図には、躯体図や工作図なども含みます。
その部分の工事や工場での製作に進むのは、確かめたあとです。国の工事の基準でも、施工図などは施工の前につくり、監督職員(発注者の側の担当)の承諾を受けることになっています。
設計意図伝達とは

設計意図伝達は、工事の段階で、設計者が設計意図(設計者の考え)を正確に伝えるためにする業務です。施主を通じて、監理者と施工者に、質疑への答えや説明をします。
設計意図が正確に反映されているかを確かめる必要がある部材や部位では、設計者も施工図などを確かめます。
工事の段階で工事材料や設備機器、その色・柄・形を選ぶとき、設計意図の観点から施主に助言するのも、この業務です。
施工図のもとになった設計図書を探してみよう

監理では、施工図や製作図を設計図書と照らして確かめ、結果を施主に報告します。この記事で解説したのは、次の4つです。
- 工事監理とは
- 工事監理の業務
- 施工図と製作図の確認
- 設計意図伝達とは
手元にある施工図や製作図で、もとになった設計図書の図面がどれかを探してみてください。
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