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3DCG · SketchUp

SketchUp LayOut入門|モデル連動で2D図面を作る基本(ビューポート・尺度)

編集部 読了 約13分

SketchUpで3Dモデルを作ったあと、「これを平面図や立面図として提出する図面にするにはどうすればいいの?」で止まってしまう方は多いはずです。その最後の一歩を担うのが、SketchUp Pro/Studioに付属するLayOut(レイアウト)というソフトです。LayOutを使うと、作った3Dモデルを台紙に貼り付け、寸法や注釈を加えて2D図面やプレゼン資料に仕上げられます。

この記事では、SketchUp LayOutの入門として、モデルを直すと図面が自動で更新される「ライブリンク」、モデルを覗く窓である「ビューポート」、平面図・立面図を1/50などの尺度で正確に出す「尺度設定」という、2D図面を作る基本の3つを解説します。寸法・注釈の入れ方やプレゼンボードの体裁づくりは別の記事にゆずり、まずは図面の下地を組み立てるところに集中します。

LayOutとは|SketchUpで作った3Dモデルを2D図面にするソフト

LayOutは、SketchUpの3Dモデルを台紙に配置して2D図面や資料に仕上げる、書類づくり専用のソフトです。SketchUp本体が「モデルを作る場所」なら、LayOutは「そのモデルを印刷できる図面・資料の形にする場所」という役割分担になっています。

LayOutはSketchUpの「図面・資料づくり」担当

LayOutは、SketchUpで作った3Dモデルをページ(台紙)に配置し、寸法・注釈・タイトルなどを加えて2D図面やプレゼン資料に仕上げるドキュメント作成ソフトです(出典: SketchUp Models in LayOut(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。SketchUpとLayOutはセットで使うように設計されていて、モデリングはSketchUp、図面化はLayOutと担当が分かれています。

たとえば住宅の内装を提案する案件で、SketchUpでリビングやキッチンを3Dで作り込んだあと、その平面図と立面図を1枚の図面にまとめて施主に渡す、といった場面でLayOutが働きます。3Dのまま渡せない図面や資料を、LayOut側で整えるわけです。

LayOutはSketchUp Pro/Studioに付属します。ブラウザで動く無料版やGoには含まれないため、LayOutを使うには有料エディションが必要になります。どのエディションに何が含まれるかはSketchUp完全ガイドで確認できます。

なぜ図面化にLayOutを使うのか

LayOutを使う最大の理由は、SketchUpのモデルを直すと図面が自動で更新される「連動」にあります。この連動があるおかげで、設計変更のたびに図面を作り直す手間から解放されます。連動の具体的な仕組みは、次の「モデル連動(ライブリンク)」で解説しています。

画像を書き出して図面ソフトに貼り付ける方法だと、モデルを変更するたびに画像を書き出し直して貼り替える作業が発生します。これはモデルと図面を別々に管理する二重手間で、変更が多い設計初期ほど負担が大きくなります。LayOutならモデルとつながったまま作図できるので、この貼り替えが要りません。

なお、LayOutは写真のようにリアルな画像を作るレンダリング(3Dモデルから光や質感を計算して画像を生成する処理)は行いません。フォトリアルな仕上げはV-RayやEnscapeなど別のソフトの役割で、LayOutは線画をベースにした図面・資料づくりに特化しています。パースを載せる場合も、あくまで図面の1カットとして扱う形になります。

モデル連動(ライブリンク)|SketchUpを直すと図面が自動で更新される

LayOutに貼ったモデルは、元のSKPファイルと「参照」でつながっています。そのためSketchUp側でモデルを直して保存すると、その変更がLayOutの図面にも反映されます。この連動が、LayOutで図面を作ういちばんの利点です。

モデルをLayOutに取り込む2つの方法

モデルの取り込みには、SketchUp側から送る方法とLayOut側から挿入する方法の2つがあります。どちらを使っても、モデルはコピーではなく元のSKPファイルとつながった「参照」として貼られる点が共通しています。

SketchUp側から送るときは、File > Send to LayOutを選びます。モデルを保存したあとLayOutが立ち上がり、作る書類の種類(用紙サイズやテンプレート)をたずねられ、選ぶとモデルを含んだ状態で新しいLayOut書類が開きます(出典: Sending a SketchUp Model to LayOut(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。すでにSketchUpでモデルを開いているなら、こちらが手早い方法です。

LayOut側から挿入するときは、File > InsertでSKPファイルを選んでOpenします。挿入されたモデルは、青い選択枠を持つ「SketchUpモデルエンティティ」としてページに置かれます(出典: Importing a SketchUp Model(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。すでに作ってあるLayOut書類に、あとからモデルを足したいときに使います。

ライブリンク=モデルを直せば図面も最新化

参照でつながっているため、LayOutからモデルをSketchUpで開いて編集・保存し、LayOutに戻ると、図面上のモデルが変更を反映します(出典: Managing Changes and Updates to SketchUp Files(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。設計変更がモデルから図面へ一方向に流れていくイメージです。

たとえば施主との打ち合わせで「窓をもう少し大きく」と要望が出たとき、SketchUpで窓を直して保存すれば、LayOutに並べた平面図・立面図の窓もまとめて最新の形になります。1枚ずつ図面を直す必要がありません。入門の段階でこの連動を理解しておくと、あとの作業がぐっと楽になります。

参照が「古い」ときの更新・再リンク(つまずき対策)

「モデルを直したのに図面が変わらない」というつまずきは、参照の状態を見れば解決できます。参照の管理は、Document Setup(書類設定)のReferencesという場所で行います(macOSはFile > Document Setup、WindowsはWindow > Document Setupから開きます)。ここに、挿入済みのSKPファイルと最終更新日時が一覧で表示されます(出典: Managing Changes and Updates to SketchUp Files(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。

下の表は、参照まわりでよく使う操作をまとめたものです。

操作どこで行うか何が起きるか
Update(更新)References一覧で古い参照を選ぶ元SKPの最新状態を図面に反映する
読込時の通知Check References When Loading This Documentにチェック書類を開くときに外部の更新を知らせる
Relink(再リンク)参照を選んで場所を指定し直すファイルの移動・改名で切れたリンクをつなぎ直す
Unlink(リンク解除)参照を選んで解除する以後の変更を反映しなくなる

参照が古くなっているときは、その名前がハイライトで表示されます。選んでUpdateを押せば手動で最新化できます。「更新されない」で困る原因の多くは、SKPファイルを別のフォルダに移動したり名前を変えたりしてリンクが切れているケースです。その場合はRelinkで新しい場所を指定し直すと直ります。反対に、意図せずUnlinkしてしまうと以後の変更が届かなくなるため、そこだけ覚えておくと安心です。

ビューポート|モデルを覗く「窓」にシーンを割り当てる

ビューポートは、LayOutのページ上に置かれたSketchUpモデルエンティティ、つまりモデルを覗く「窓」のことです。1ページに複数のビューポートを置き、それぞれに別の視点を割り当てられるので、平面図・立面図・パースを1枚に並べられます。

ビューポートとは|1ページに複数の視点を置ける

ビューポートは、ページに配置したモデルを覗く窓のような存在です。1つのページに複数のビューポートを置いて、それぞれ別の視点を同時に見せられます(出典: SketchUp Models in LayOut(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。

たとえば1枚のA3用紙に「平面図の窓」「正面立面図の窓」「外観パースの窓」を並べて配置する、といった使い方ができます。3つとも同じ1つのSKPモデルを別の角度から見ているだけなので、モデルを直せば3つの窓がそろって更新されます。図面の各図を1モデルから起こせるのがLayOutの強みです。

SketchUp Modelパネルでシーンを切り替える

各ビューポートの見え方は、SketchUp Modelパネルで切り替えます。ビューポートを選んでこのパネルを開き、モデル内に保存しておいたシーンを選ぶと、その窓の視点や表示レイヤ、スタイルがまとめて切り替わります(出典: SketchUp Models in LayOut(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。「平面図の窓には平面のシーン、立面図の窓には正面のシーン」という具合に、窓ごとに担当を決めていくわけです。

同じパネルから、スタイルの適用や、影・環境・アンビエントオクルージョン(物の隅にできる淡い陰影)といったモデルエフェクトも調整できます。図面の見た目を、線だけのシンプルな表現にするか、影付きで立体感を出すかをここで決められます。

ここで大事なのは、シーンは事前にSketchUp側で用意しておく必要がある点です。LayOutはSketchUpで作ったシーンを呼び出すだけなので、呼び出したいシーンがなければ切り替えられません。平面・立面・パースといった視点を、あらかじめSketchUpでシーンとして保存しておく作業が前提になります。シーンを載せる元モデルの作り方はSketchUpの建築モデリング入門で解説しています。

尺度設定|平面図・立面図を1/50・1/100で正確に出す

寸法図面として通用する平面図・立面図を作るには、ビューポートを平行投影(Ortho)に切り替えてから尺度を設定します。尺度を付けられるのは平行投影のときだけで、パース(透視)のままでは尺度を設定できません。

尺度を付けられるのは平行投影(Ortho)だけ

SketchUpのモデルは、初期状態ではPerspective(透視投影)で表示されています。透視投影は遠くのものほど小さく見える見え方で、見る距離によって寸法が変わってしまうため、一定の尺度を保てません(出典: Perspective and Scale(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。パースが立体感を出すのに向く一方で、正確な寸法図面には向かないのはこのためです。

そこでLayOutでは、Parallel Projection(平行投影=orthographic、遠近で寸法が歪まない見え方)に切り替えられます。平行投影なら寸法が一定に保たれるので、この見え方だけが尺度を正しく示せます。平面図・立面図・断面図のように寸法を測る図面は、すべて平行投影で作るのが基本です。パースは尺度を持たない1カットとして別に扱う、と整理しておくと迷いません。

SketchUp Modelパネルで尺度を設定する

尺度の設定も、ビューポートを選んでSketchUp Modelパネルから行います。パネルでOrthoをクリックして平行投影に切り替えると、尺度のドロップダウンが使えるようになります。ここから1/50・1/100などの尺度プリセットを選ぶか、Customを選んで任意の尺度を入力します(出典: Perspective and Scale(SketchUp公式Help)、2026年7月時点)。

「Preserve Scale」にチェックを入れておくと、ビューポートの枠のサイズを変えても尺度が保たれます。窓の大きさを図面のレイアウトに合わせて調整しても、1/50などの縮尺がずれない仕組みです。図面の配置を後から整えるときに役立ちます。

入門者がいちばんつまずくのは、パースのまま尺度を付けようとして設定できずに手が止まるケースです。尺度が必要な図はまずOrthoに切り替える、と覚えておけば迷いません。ここで整えた尺度付きの図面に寸法や注釈を入れていく作図は、LayOutで寸法・注釈・建具表を作る方法で解説しています。

LayOutについての編集部の所感|どこから覚えると迷わないか

LayOutは機能が多く見えますが、公式ドキュメントを読み解くと、入門で押さえるべきは「参照でモデルとつながる」という一点に集約されます。ここを最初に理解しておくと、あとの操作が枝葉として整理しやすくなります。

編集部の見立てでは、多くの入門者がつまずくのは機能の数ではなく順番です。ビューポートや尺度の操作を先に覚えようとすると、モデルと図面がなぜ連動するのかがわからないまま手順だけをなぞることになり、「更新されない」で行き詰まりがちです。先にライブリンクの仕組みを腹落ちさせてから、ビューポート、尺度と進むほうが遠回りに見えて近道になります。

もう一点、SketchUpのシーンをどれだけ整えておくかで、LayOut側の作業量が大きく変わります。海外の解説記事でも共通して指摘されているのは、平面・立面・パースのシーンをSketchUp側で先に用意しておくと、LayOutでは窓に割り当てて尺度を決めるだけで図面が組める、という流れです。LayOutを覚えると同時に、SketchUp側のシーン作りも合わせて練習しておくと、図面づくり全体がスムーズになります。

これからLayOutを使い始めた先に広がる図面ワークフロー

LayOutでモデル連動・ビューポート・尺度の基本を押さえると、設計変更に強い図面づくりの土台ができます。ここから先は、この土台の上に寸法や体裁を積み重ねていく段階に進みます。

LayOutを使わずに画像の貼り替えで図面を作っていた人は、設計変更のたびに書き出しと貼り直しに追われ、変更が多い案件ほど図面づくりが後手に回りがちでした。LayOutの連動を取り入れると、モデルを直せば図面が最新化されるので、設計を詰めながら並行して図面を整えられます。打ち合わせで出た変更をその場でモデルに反映し、次の日には最新の図面一式を提出する、といった流れが現実的になります。

土台が整ったら、次は図面としての中身と体裁です。平面図・立面図に寸法線や引き出し線を入れて施工・提出に耐える図面に仕上げる工程はLayOutで寸法・注釈・建具表を作る方法へ、複数の図面を1枚の提案資料としてレイアウトしPDFで書き出す工程はLayOutでプレゼンボードを作りPDF出力する方法へと続きます。入門で作った下地が、そのまま実務の図面一式へ育っていきます。

まとめ|LayOutは「作ったモデルを図面にする最後の一歩」

LayOutは、SketchUpで作った3Dモデルを2D図面・資料に仕上げる純正のソフトで、Pro/Studioに付属しています。図面化にLayOutを使う理由は、モデルと図面が参照でつながっているからです。ここまでの3つの基本を振り返ります。

1つ目は、モデルを直せば図面が自動で最新になる「ライブリンク」です。取り込みはSend to LayOutかInsertで行い、更新されないときはReferencesでUpdateやRelinkを確認します。2つ目は、モデルを覗く窓である「ビューポート」です。SketchUp Modelパネルでシーンを割り当て、1ページに平面・立面・パースを並べられます。3つ目は「尺度設定」です。寸法図面はまず平行投影(Ortho)に切り替え、1/50や1/100の尺度を設定します。パースには尺度を付けられません。

ここまでで、図面の下地は整いました。次は寸法や注釈を入れて図面の中身を作り込み、プレゼンボードとして体裁を整える段階へと進みます。LayOutは、作ったモデルを図面にする最後の一歩を受け持つソフトです。