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3DCG · Lumion

Lumionの水・海・反射表現の使い方|プール/海/濡れ路面と平面反射を綺麗に出す

編集部 読了 約14分

建築パースにプールや中庭の水盤、雨上がりの濡れた路面が入ると、シーンの説得力が一段上がります。ところが設定を少し間違えるだけで、水面が「のっぺりした青い板」に見えてしまい、せっかくのカットが安っぽくなってしまいます。Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト)で水を綺麗に見せる鍵は、水そのものの質感と、そこに何が映り込むかという反射を分けて考えることにあります。この記事では「Lumion 水 反射」で悩む方に向けて、迷わず設定できる順番を整理しました。

この記事では、水マテリアルの基本設定から海(Ocean)の作り方、濡れ路面の表現、そして平面反射(Planar Reflection)まで、建築ビジュアルで水面を綺麗に見せる手順を順番に解説しています。

数値はLumion 2025のヘルプ記載値をもとにしており、2026年7月時点で確認したものです。バージョンによって既定値や対応範囲が変わる場合があるため、実際の画面と合わせて確認してください。

Lumionの水表現は「水の質感」と「反射」の2つで決まる

水面を綺麗に見せる作業は、波や色といった水そのものの質感づくりと、周囲の建物や空をどう映し込むかという反射設定の2段構えです。この切り分けを最初に押さえると、あとの設定でどのスライダーを触ればいいか迷わなくなります。まずは全体像から整理します。

水を綺麗に見せる2つの要素(質感と反射)

水面の見た目は、大きく「水の質感」と「反射」という別々の要素で決まります。この2つを分けて考えると、思い通りの水面に近づけやすくなります。

「水の質感」とは、波の高さや大きさ、色、透明度(濁り具合)、泡(Foam)といった水面そのものの見え方です。「反射」とは、水面に建物や空、周囲のオブジェクトがどれだけ映り込むかという要素になります。

この2つは設定する場所が違います。質感は水マテリアル側のスライダーで、反射は後で説明する3種類の反射方式の側で決まります。どちらか片方だけを触っても水は綺麗になりません。両方を意識してはじめて、実写のような水面に仕上がります。

建築パースで説得力が出るのは、波をおとなしめにして映り込みをくっきり見せる組み合わせが多い、というのが編集部の所感です。静かな水盤に建物のシルエットが鏡のように映り込むと、それだけでプレゼンの完成度が上がります。

Lumionで水を作る3つの入口(水マテリアル/水プレーン/Ocean)

Lumionには水を作る方法が3つあり、水面の広さや用途で選び分けます。小さな水盤なら水マテリアル、敷地内の池なら水プレーン、海が見える立地ならOceanが基本の選択です。

水マテリアルは、任意の面(プールの底面や水盤の平面など)に貼って水にする方法です。自分で範囲を作りたいときに向いています。プールや中庭の水盤のように、形が決まった水面を作る用途で使います。

水プレーン(Water plane)は、シーンに水の平面を1枚置く方法です。池や堀のように、限られた範囲に自然な水面を置きたいときに向いています。設置が手軽なぶん、形の自由度は水マテリアルより低くなります。

Ocean(海)は、ランドスケープ機能で地平線まで広がる海を一発で出す方法です。海沿いの建築やリゾート施設、俯瞰カットのように、水平線まで水を見せたいシーンで力を発揮します。

水マテリアルの基本設定|波・色・反射率・透明度

水マテリアルは、波の高さ・色・反射率・透明度といった数個のスライダーで見た目が決まります。なかでも反射率と波の高さが仕上がりを大きく左右するため、この2つを軸に調整すると効率的です。各項目の役割と、おすすめの触り方を押さえましょう。

波の高さ(Wave Height)と波の大きさ(Wave Scale)

波の設定は、水面の印象を最初に決める部分です。建築パースでは波を強くしすぎると失敗しやすいので、控えめから始めるのがコツになります。

Wave Height(波の高さ)は0〜100%で、水面の凹凸の強さを決めます。Lumion 2025時点の既定値は24%です。静かな中庭の水盤なら低め、海のように動きを出したいなら高めに設定します。Wave Scale(波の大きさ)は0〜100%で、波1つあたりのスケールを決める項目です。こちらの既定値は78%です。

なぜ波を控えめから始めるのかというと、波を強くすると水面の凹凸が増え、映り込みが割れて崩れてしまうからです。映り込みが崩れると建物のシルエットが判別できなくなり、水面が安っぽく見えます。まずは既定値のまま反射を確認し、動きが欲しいところだけ少しずつ上げると失敗しにくくなります。

色(Color)と反射率(Reflectivity)

色と反射率は、水の見た目の「主役」を決める設定です。建物の映り込みを見せたいなら、反射率の扱いが仕上がりを分けます。

Color(色)はカラーパレットから選びます。Lumion 2025では、スライダーやテクスチャ混合ではなくパレットから色を選択する方式です。Reflectivity(反射率)は0〜200%で、既定値は39%です。0%で映り込みがなくなり、39%前後で自然な水面になります。100〜200%まで上げると鏡のように強い映り込みになります。

反射率を上げるほど周囲の建物や空がくっきり映り込みますが、上げすぎると水ではなく金属板のように見えてしまう点に注意してください。金属板に見えると水の透明感が失われ、かえってリアルさが下がります。建物の映り込みを主役にしたいときは、反射率を高めにしつつ波を低めに抑える組み合わせがおすすめです。波が静かなほど映り込みがシャープに残るため、この2つはセットで調整すると効果的です。

透明度・濁り(Roughness)と泡(Foam)・光の抜け(Lightup)

ここは水の透明感や明るさを整える設定です。プールのように澄んだ水か、池のように少し濁った水かで触る値が変わります。

Roughness(ラフネス/濁り)は0〜100%で、既定値は0%です。上げると透明度が下がり、濁った水になります。澄んだプールは低め、池や海は用途に応じて調整します。Lightup Water Color(水色の明るさ)は0〜100%で、既定値は29%です。水の色を明るく見せたいときに使います。

泡やコースティクスには注意点があります。Foam(泡)は0〜100%ですが、Lumion 2025.0のフルレイトレース水(後述)では未対応の場合があると公式が記載しています(Lumion公式ヘルプ、2026年7月確認)。Caustics Scale(水底に映る光の揺らぎの大きさ)は既定値14%ですが、これも2025.0のレイトレース水では機能しない場合があると同ヘルプに書かれています。泡や水底の光を狙って設定したのに反映されないときは、この対応状況を思い出すと原因を切り分けられます。

海(Ocean)の作り方と濡れ路面の表現

海が見える立地なら、Oceanツールで地平線まで広がる水面を一度に作れます。雨上がりの濡れた路面も、床の反射を上げるだけで表現できます。どちらも屋外シーンで水の存在感を出す手法です。

Ocean(海)ツールで地平線まで広がる海を出す

Oceanツールを使うと、シーン全体に海面を追加できます。海沿いの建築やリゾート、俯瞰カットのように、水平線まで水を見せたいシーンに向いています。

Oceanはランドスケープの機能として用意されており、波の高さや色、泡などをカスタマイズできます。地平線と空がつながって見えることで、開放感のあるカットになります。海沿いのマンションや別荘の外観パースで、海と空が広がる背景を作りたいときに便利です。

ここで1つ知っておきたい注意点があります。Ocean・水プレーン・滝マテリアルは、2025時点でフルレイトレース(光の反射を物理的に計算する高精度モード)に非対応で、対応しているのは水マテリアルだけだと公式が明記しています(同ヘルプ、2026年7月確認)。将来対応予定とされていますが、現時点でレイトレースによる正確な映り込みを狙うなら、海に見える範囲を水マテリアルの面で作るという選択肢もあります。

Oceanの見え方は空に強く影響されます。海の色と明るさは、映り込む空の色でほぼ決まるからです。空の映り込みを整えたい方は、Lumionの空と天候(Real Skies)の使い方で空の設定を合わせて調整すると、海がより自然になります。

濡れた路面・雨上がりの床を反射で表現する

濡れた路面は、専用の機能を使わなくても標準マテリアルの反射を調整するだけで表現できます。反射をやや上げ、ラフネスを少し残すのがコツです。

標準マテリアル(Standard)のReflectivity(反射率)を上げると、床が周囲を映し込むようになります。このとき反射率を最大まで上げて「完全な鏡」にするのではなく、Roughness(ラフネス)を少し残すのがポイントです。ラフネスをわずかに残すと映り込みがほどよくぼやけ、「しっとり濡れた」自然なアスファルトの質感になります。完全な鏡面だと逆に不自然で、屋内の磨いた床のように見えてしまいます。

夜景や逆光のシーンで濡れ路面を入れると、照明や店舗サインの光が路面に映り込み、一気にリアルさが増すというのが編集部の所感です。街並みのパースで雨上がりの設定にすると、単調になりがちな地面に情報量が加わります。

濡れ路面の映り込みは、考え方としてはガラスや金属の映り込みと同じです。素材ごとの反射の詰め方はLumionのガラス・金属マテリアルをリアルにするコツで解説しているので、床以外の反射も整えたい方はあわせて確認してください。

3つの反射方式を使い分ける|Projected / SpeedRay / Planar

Lumionの反射には、速さ優先のProjected、バランス型のSpeedRay、精度優先のPlanar(平面反射)の3種類があります。水面の映り込みが綺麗になるかどうかは、この選択でほぼ決まります。用途に応じて使い分けるのが、水を綺麗に見せる最大のコツです。

3方式の違いと選び方(速さ vs 精度)

3つの反射方式は、精度と速さのバランスが違います。どれを使うかで水面の映り込みの綺麗さと、レンダリングにかかる時間が変わります。

Projected(投影反射)は標準の既定方式で、あらゆる面で使えて非常に高速です。ただし精度は低く、水面ではやや粗く見えることがあります。SpeedRay(スピードレイ反射)はPro版限定の方式で、あらゆる面でほぼ正確かつ高速です。バランスがよく、実務では第一候補になりやすい方式といえます。Planar(平面反射)は平らな面で非常に正確ですが、描画が遅くなります。静かな水盤や池の、ここぞというヒーローカットに向いています。

用途別に整理すると、次の表のようになります(Lumion公式ヘルプ、2026年7月確認)。

反射方式精度速さ向いている水面
Projected(投影反射)低い非常に速い遠景の水面・確認用のプレビュー
SpeedRay(Pro版限定)ほぼ正確速い実務全般の第一候補・動画
Planar(平面反射)平面で非常に正確遅い静かな水盤・池のヒーローカット

迷ったときは、動画や普段の作業はSpeedRay、静止画の勝負カットはPlanar、という使い分けが実務的です。Projectedはレンダリング前の確認用と割り切ると、無駄に待たずに済みます。

平面反射(Planar Reflection)の追加手順と注意点

平面反射は正確なぶん重い方式なので、追加の手順と、映らないものを事前に知っておくと失敗しません。手順そのものはシンプルです。

追加の流れは3ステップです。まず反射させたい面に反射マテリアル(Standard・Water・Glassなど)を割り当てます。次にPhoto・Movie・Panoramaのいずれかに反射エフェクト(Reflection Effect)を追加します。最後に、対象の面を手動で選ぶか、自動検出ボタンで選びます。

注意したいのが枚数の上限です。1つのカット(Photo・Clip・Panorama・ムービー全体)あたり、反射プレーンは最大10枚までです。しかも1枚増えるごとにシーン全体をもう一度描画するため、枚数を増やすほど一気に重くなります。水盤が複数あっても、映したい水面だけに絞るのが鉄則です。

平面反射に映らないものもあります。ガラスマテリアル・噴水・煙・炎・Fogエフェクト・OmniShadow・レンズフレアなどは、平面反射には映り込みません(Lumion公式ヘルプ、2026年7月確認)。水面に噴水や煙を映したいのに映らないときは、この仕様が原因です。映り込みのシャープさは、反射面のRoughness(ラフネス)スライダーで調整します。低いほど鏡のように鋭く、高いほどぼやけた映り込みになります。

レイトレース使用時の反射の扱い

レイトレースエフェクトを使うと、反射の扱いが変わります。平面反射は自動的に無効になり、代わりにレイトレースが写実的に映り込みを処理します。

水マテリアルはフルレイトレース対応(Fully Ray Traced Glass and Water 設定)なので、この設定で高品質な映り込みが得られます。静かな水盤に建物や空が正確に映り込むヒーローカットは、レイトレース水マテリアルがもっとも綺麗に仕上がります。

一方、前のセクションでも触れたとおり、Ocean・水プレーン・滝は2025時点でレイトレース非対応です。そのため、レイトレース環境ではこれらの映り込み方式が変わり、期待通りにならないことがあります。目的別に組み合わせを考えると、静かな水盤の勝負カットはレイトレース水マテリアル、広い海の俯瞰はOcean+SpeedRayが現実的な組み合わせになります。

水面を綺麗に見せる仕上げのコツ(実務チェックリスト)

最後に、設定単体ではなくシーン全体として水を綺麗に見せるための実務的なチェック項目をまとめます。反射の元になる空・光・周囲のオブジェクトを整えることが、水面の完成度を左右します。

反射の「映る中身」を先に整える

水面が綺麗かどうかは、水そのものよりも「何が映り込むか」で決まります。そのため、空や建物、照明を先に整えるほうが近道です。

理由はシンプルで、水面はほとんど周囲の反射でできているからです。どれだけ水マテリアルを丁寧に設定しても、映り込む空が曇っていて暗ければ、水面も暗く沈んでしまいます。空の映り込みは水面の色と明るさを大きく変えるため、空や天候の設定とセットで調整するのが効果的です。

作業中は、Uキー(Projected反射のプレビュー)を使うと、レンダリング前にカメラ位置での映り込みを確認できます。本番のレンダリングを待たずに映り込みの当たりを見られるので、試行錯誤の回数を減らせます。

よくある失敗と対処

水面がうまくいかないときは、原因がだいたい決まっています。症状ごとの対処を知っておくと、無駄に設定を触らずに済みます。

  • 波が強すぎて映り込みが崩れる → Wave Height(波の高さ)を下げます。既定の24%前後まで戻すと安定します。
  • 反射率が高すぎて水が金属板に見える → Reflectivity(反射率)を39%前後に戻します。
  • 平面反射が重くて描画が終わらない → 反射プレーンの枚数を減らすか、SpeedRayに切り替えます。
  • レイトレースなのにOceanが期待通り映らない → Oceanはレイトレース非対応のため、水マテリアルの面への置き換えを検討します。

どの失敗も、原因は「水の質感」か「反射方式」のどちらかに切り分けられます。症状が出たら、まずこの2つのどちらの問題かを考えると、対処にたどり着きやすくなります。

濡れ路面を編集部が試してみました|夜景シーンでの所感

ここまでの設定を、編集部が実際に夜景の街並みシーンで試してみました。標準マテリアルの床に対して、反射率を高め、ラフネスをわずかに残す設定を入れてみたところ、店舗サインや街灯の光が路面にじわりと映り込み、地面の情報量がはっきり増えました。

とくに効果が大きかったのは、ラフネスを完全にゼロにせず少し残した状態です。完全な鏡面だと屋内の磨いた床のように見えてしまいましたが、ラフネスを少し残すと映り込みの輪郭がやわらかくぼけ、雨上がりのアスファルトらしい濡れ方になりました。逆光のカットでは、この効果がさらに際立ちます。

作業を通じて感じたのは、濡れ路面は「水を足す」というより「反射をひとさじ足す」感覚に近いということです。地面が単調で物足りないと感じたら、まず床の反射をわずかに上げてみる。この一手だけで、シーン全体の説得力が変わってきます。

水表現の応用シーンと次の一歩

水・海・反射の設定に慣れてきたら、次はシーン全体の環境表現へと視野を広げると、パースの完成度がさらに上がります。水面は単体で完結せず、空・光・植栽といった周囲の要素と組み合わさって説得力を生むからです。

たとえばリゾート施設のパースなら、Oceanで広がる海に、夕方のReal Skiesで焼けた空を映し込み、プールサイドの水盤には静かな水マテリアルを置く、といった使い分けができます。海と水盤で反射方式を変えるだけで、同じシーン内に「広がり」と「静けさ」を両立させられます。夜景の商業施設なら、濡れ路面の反射で照明を映し込み、にぎわいの雰囲気を演出できます。

こうした環境表現を一通りそろえたいなら、水以外のマテリアルや空・光・植栽まで含めて全体像をつかむのが近道です。次の一歩として、質感づくりの基本や環境全体の作り方を押さえておくと、水表現も他の要素と自然になじむようになります。

まとめ

Lumionの水・海・反射表現は、水の質感(波・色・透明度)と反射方式の使い分けという2つの軸で整理できます。この切り分けを意識するだけで、水面づくりの迷いは大きく減ります。

要点を整理すると、次の5つになります。

  • 水は「質感(波・色・濁り)」と「反射(映り込み)」に分けて考えます。触るスライダーの場所が違うため、この切り分けが出発点です。
  • 波は控えめ、反射率は39%前後を基準にして、目的に応じて調整します。波を強くしすぎると映り込みが崩れます。
  • 反射はProjected(速い)・SpeedRay(バランス)・Planar(精密)を用途で使い分けます。動画はSpeedRay、勝負の静止画はPlanarが基本です。
  • 海はOceanツールで一発、濡れ路面は床の反射調整で表現できます。ただしOceanはレイトレース非対応のため、正確な映り込みが必要なら水マテリアルの面を検討します。
  • 水面の綺麗さは、映り込む中身(空・建物・光)を先に整えることで決まります。水そのものより周囲の環境が仕上がりを左右します。

まずは水マテリアルを既定値のまま置き、反射方式をSpeedRayにして映り込みを確認するところから始めてみてください。そこから波と反射率を少しずつ調整すれば、のっぺりした青い板だった水面が、建物の映り込む説得力のある水面に変わっていきます。