
建築基準法とインテリア|内装・採光・換気・階段
- 内装や間取りを変えるとき、法律で気をつけることはあるの?
- 部屋の窓の大きさや天井の高さに、決まった数値はあるの?
- 建築基準法のうち、インテリアにかかわる決まりを知りたい
内装や間取りを変える工事では、確認申請の手続きが要らないことがあります。しかし、手続きが要らなくても、工事のあとの建物は建築基準法に合っていなければなりません。
この記事では、建築基準法のうちインテリアにかかわる決まりを、部屋の窓・天井・階段・内装の順に解説します。どの数値を確かめればよいかが分かります。
建築基準法とは

建築基準法は、建物の敷地・構造・設備・用途について、最低の基準を定める法律です。1950年にできた法律で、決まりの細かい数値は建築基準法施行令などに書かれています。
「最低の基準」なので、決まりの数値は、ふつうの寸法ではなく守らなければならない線です。インテリアの決まりの多くは、居室という部屋にかかります。
インテリアにかかわる主な決まりは、次の表のとおりです。
| 部屋の部分 | 決まり(住宅の場合) |
|---|---|
| 窓(採光) | 採光に有効な窓の面積を、床面積の1/7以上 |
| 窓(換気) | 換気に有効な窓の面積を、床面積の1/20以上 |
| 天井 | 高さを2.1m以上 |
| 階段(住宅) | 幅75cm以上・蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上、手すり |
| 壁と天井の仕上げ・建材 | 内装制限とシックハウス対策 |
居室の採光と換気の決まり

居室の窓には、明るさを取り入れる採光と、空気を入れ替える換気の2つの決まりがあります。採光と換気について押さえる決まりは、次の4つです。
- 採光は床面積の1/7以上
- 換気は床面積の1/20以上
- 火を使う部屋は換気設備を付ける
- ふすまで仕切った2室は1室とみなす
採光は床面積の1/7以上
住宅の居室では、採光に有効な窓の面積を、床面積の1/7以上にします。たとえば7畳の部屋なら、1畳分の広さの窓が目安です。
採光に有効な面積は、窓の面積そのままではなく、窓ごとに採光補正係数という数を掛けて合計します。計算のしかたは、建築基準法施行令に決められています。
2023年4月からは、国土交通大臣が定める基準に従って照明設備を付けるなどした居室は、1/7 から 1/10 までの範囲で大臣が定める割合でよくなりました。
換気は床面積の1/20以上
居室には、換気に有効な窓などを、床面積の1/20以上設けます。決まった基準に合う換気設備を付けたときは、この窓の決まりは当てはまりません。
火を使う部屋は換気設備を付ける
こんろなど火を使う設備を置いた調理室や浴室には、換気設備を付けます。排気口は、天井か、天井から下へ80cm以内の高さに設けます。
ただし、床面積100㎡以内の住宅の台所は、条件を満たせば換気設備が要りません。
条件は、火を使う器具の発熱量の合計が12kW以下で、台所の床面積の1/10以上(0.8㎡に満たないときは0.8㎡以上)の窓などがあることです。
ふすまで仕切った2室は1室とみなす
ふすまや障子など、いつでも開け放てるもので仕切った2つの部屋は、採光と換気の決まりでは1つの部屋とみなします。窓の無い奥の部屋も、手前の部屋の窓と合わせて計算できるということです。
ふすまを壁に替えると、2つの部屋は別々の計算になります。そのため、窓の無い奥の部屋は、居室の決まりに足りない部屋になります。
天井の高さと階段の決まり

窓の次は、部屋の高さと上下の移動にかかわる決まりです。天井と階段について押さえる決まりは、次の3つです。
- 居室の天井は2.1m以上
- 住宅の階段は蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上
- 階段には手すりを付ける
居室の天井は2.1m以上
居室の天井の高さは、2.1m以上にします。1つの部屋の中で天井の高さが違うときに測るのは、平均の高さです。
勾配天井や下がり天井のある部屋では、低い所だけでなく、部屋全体の平均で決まりに合っているかを見ます。
住宅の階段は蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上
住宅の階段は、幅75cm以上、蹴上げ(けあげ)23cm以下、踏面(ふみづら)15cm以上にします。蹴上げは1段の高さ、踏面は足を乗せる面の奥行きです。
この数値は、共同住宅の共用の階段には当てはまりません。回り階段の踏面は、狭いほうの端から30cmの所で測ります。
高さが4mを超える階段に要るのは、4m以内ごとの踊場です。
階段には手すりを付ける
階段には手すりを付けます。高さ1m以下の部分には、この決まりは当てはまりません。
手すりの無い側には、壁かそれに代わるものを設けます。
内装の仕上げと建材にも決まりがある

ここまでは部屋の形の決まりでした。建築基準法は、壁や天井に張る仕上げと、使う建材にも決まりを設けています。
1つは内装制限で、決まった建物や火を使う部屋で、壁と天井の仕上げを燃えにくい材料にする決まりです。床は入りません。
もう1つはシックハウス対策で、ホルムアルデヒドを出す建材の使い方を制限し、居室に機械換気の設備を求める決まりです。この機械換気は窓の換気の決まりとは別のもので、住宅の居室では1時間に0.5回です。
部屋の計画の前に窓・天井・階段の数値を確かめよう

建築基準法は、建物の最低の基準を定める法律で、インテリアには部屋の窓・天井・階段・仕上げの決まりとしてかかわります。この記事で解説したのは、次の3つです。
- 居室の採光と換気の決まり
- 天井の高さと階段の決まり
- 内装の仕上げと建材にも決まりがある
間取りや間仕切りを変える提案をするときは、居室の窓の割合と天井の高さ、住宅の階段の寸法を、先に確かめてみてください。
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