1. インテリアの内装制限|燃えにくい内装にする部屋と材料

インテリアの内装制限|燃えにくい内装にする部屋と材料

編集部 読了 約7分

  • 内装制限って、どんな決まり?
  • 住宅のキッチンの壁に、木の仕上げを張ってもいいの?
  • 内装制限がかかる部屋と、使える材料を知りたい

キッチンの壁と天井の仕上げには、建築基準法の内装制限という決まりがかかることがあります。しかし、どのキッチンが対象になり、どの材料なら使えるのかは、階や建物のつくりで変わるため、迷いやすい所です。

この記事では、内装制限がかかる部屋と、使える材料の等級を解説します。住宅のキッチンの壁と天井に、どの仕上げを使えるかを判定するための決まりが分かります。

内装制限とは

住宅のキッチンで、若い担当がこんろの横の壁と天井を指さしながら、職人と仕上げの話をしている場面
若い担当がこんろの横の壁と天井を指さしながら、職人と仕上げの話をしている場面のイメージ

内装制限は、決まった建物や火を使う部屋で、壁と天井の室内側の仕上げを燃えにくい材料にする決まりです。建築基準法と建築基準法施行令で決められています。

対象になるのは、特殊建築物・3階以上の建物・窓の無い居室がある建物・延べ面積1,000㎡を超える建物と、火を使う部屋です。

このうち、どの用途・規模・部屋に決まりがかかるかは、政令で細かく決まっています。決まりがかかるのは壁と天井だけで、床の仕上げは入りません。

こんろやストーブなど火を使う設備を置いた部屋は、火気使用室と呼ばれます。住宅のキッチンも、この火気使用室の1つです。

燃えにくい材料の3つの等級

内装材のショールームの棚で、若い担当がタイル・せっこうボード・合板の見本を並べて見比べている場面
若い担当がタイル・せっこうボード・合板の見本を並べて見比べている場面のイメージ

内装制限では、仕上げの材料を燃えにくさで3つの等級に分けて指定します。等級は、火事の熱を受けてから燃えずにいられる時間で決まり、次の3つです。

  • 不燃材料は20分
  • 準不燃材料は10分
  • 難燃材料は5分

不燃材料は20分

不燃材料は、加熱が始まってから20分、燃えず、防火上有害な変形などをせず、避難上有害な煙やガスを出さない材料です。国土交通大臣が定めた材料か、大臣の認定を受けた材料がこれに当たります。

告示が例に挙げる不燃材料には、コンクリート・れんが・瓦・陶磁器質タイル・ガラス・モルタル・しっくい・石・金属板があります。厚さ12mm以上のせっこうボードも、不燃材料の例の1つです。

準不燃材料は10分

準不燃材料は、不燃材料と同じ要件を、加熱が始まってから10分満たす材料です。

告示では、厚さ9mm以上のせっこうボードや、厚さ15mm以上の木毛セメント板が例に挙がっています。

難燃材料は5分

難燃材料は、同じ要件を、加熱が始まってから5分満たす材料です。

告示の例は、厚さ5.5mm以上の難燃合板や、厚さ7mm以上のせっこうボードです。せっこうボードは、厚さによって入る等級が変わります。

住宅で内装制限がかかる部屋

2階建ての住宅の1階のキッチンで、若い担当が天井を見上げて、上に2階の部屋があることを確かめている場面
若い担当が天井を見上げて、上に2階の部屋があることを確かめている場面のイメージ

材料の等級が分かったところで、住宅のどの部屋に決まりがかかるかを見ます。住宅で押さえることは、次の2つです。

  • 2階建て以上の最上階以外の階のキッチンが対象
  • 壁と天井を準不燃材料などにする

2階建て以上の最上階以外の階のキッチンが対象

住宅で内装制限がかかるのは、2階建て以上の住宅の、最上階以外の階にある火気使用室です。特定主要構造部を耐火構造にした建物は、この決まりから外れます。

そのため、平屋のキッチンと、2階建ての2階(最上階)にあるキッチンは対象になりません。2階建ての1階にあるキッチンは対象です。

壁と天井を準不燃材料などにする

対象のキッチンは、壁と天井の仕上げを準不燃材料にするか、国土交通大臣が定める材料の組合せにします。

特殊建築物の居室などでは床から1.2m以下の壁が決まりから外れますが、火を使う部屋にはこの外し方がありません。腰壁の部分にも決まりがかかります。

キッチンの内装制限の告示と取扱い

住宅のキッチンで、こんろの奥の壁に張られたタイルと、離れた所の木の壁を、若い担当が見比べている場面
こんろの奥の壁に張られたタイルと、離れた所の木の壁を、若い担当が見比べている場面のイメージ

ここからは、一戸建てのキッチンで知っておきたい告示と、行政の取扱いです。押さえておくことは、次の3つです。

  • こんろの周りを固めれば木を使える告示
  • 一体の部屋は全体を対象とする取扱い
  • IHクッキングヒーターの扱い

こんろの周りを固めれば木を使える告示

一戸建て住宅のキッチンには、こんろなどの周りを不燃材料で固めれば、ほかの部分に木材や難燃材料を使える告示があります。2009年4月1日から使われている告示です。

こんろの周りの内装を不燃材料で強くするか遮熱板を付けることと引き換えに、離れた部分の仕上げを緩めることを認めています。

対象は一戸建て住宅の火気使用室で、こんろ・固定式のストーブ・壁付暖炉・いろりが対象の設備です。

一体の部屋は全体を対象とする取扱い

キッチンとリビングが一体の部屋では、部屋全体を内装制限の対象とする取扱いがあります。天井からおおむね50cm以上下がった不燃材料の垂れ壁などで区切ると、火を使う部分だけを対象にできます。

これは条文ではなく、自治体の消防などの取扱いです。扱いが違うことがあるので、確かめ先は建築の窓口か消防です。

IHクッキングヒーターの扱い

IHクッキングヒーターは火を使わないので、建築基準法の火を使う設備に当たらない、とする取扱いもあります。ただし、火災予防条例などでは扱いが別になることがあります。

扱いは自治体によって違うため、IHのキッチンで仕上げを緩めるときは、建築の窓口か消防に確かめてください。

特殊建築物の居室と廊下の決まり

店舗の奥の通路で、若い担当が壁と天井の仕上げを見上げながら、図面と見比べている場面
若い担当が壁と天井の仕上げを見上げながら、図面と見比べている場面のイメージ

住宅のキッチンのほかに、内装制限は特殊建築物にもかかります。特殊建築物は、学校・病院・劇場・百貨店・旅館・共同住宅・倉庫など、建築基準法が挙げる用途の建物です。

どの用途とどの規模の特殊建築物が対象になるかは、建築基準法の別の表で決まっています。対象になった特殊建築物の居室と廊下の決まりは、次の表のとおりです。

場所壁と天井の仕上げ
居室難燃材料(床から1.2m以下の壁は外れる)
3階以上に居室がある建物の居室の天井準不燃材料
居室から地上へ出る廊下・階段準不燃材料

キッチンの仕上げは階と構造から判定しよう

住宅の打合せの机で、若い担当が2階建ての家の断面のスケッチに、キッチンの位置と仕上げ材の名前を書き込んでいる場面
若い担当が2階建ての家の断面のスケッチに、キッチンの位置と仕上げ材の名前を書き込んでいる場面のイメージ

内装制限は、決まった建物と火を使う部屋で、壁と天井の仕上げを燃えにくい材料にする決まりです。この記事では、次の4つを解説しました。

  • 燃えにくい材料の3つの等級
  • 住宅で内装制限がかかる部屋
  • キッチンの内装制限の告示と取扱い
  • 特殊建築物の居室と廊下の決まり

キッチンの仕上げを提案するときは、キッチンが最上階にあるかと、建物の構造を先に確かめてみてください。

あわせて読みたい

  • 「建築基準法とインテリア|内装・採光・換気・階段」(準備中) — 内装制限のほかの、部屋にかかわる建築基準法の決まりを知りたいとき
  • 「防火の材料|燃えにくい内装材」(準備中) — 燃えにくい内装材の種類と、下地との組み合わせを知りたいとき
  • 「内装制限|燃えにくい内装にする決まり」(準備中) — 内装制限がかかる用途と規模を、建物全体で知りたいとき
  • 「消防法と防炎物品|カーテン・じゅうたんの防炎」(準備中) — カーテンやじゅうたんの燃えにくさの決まりを知りたいとき

会員登録(無料)

記事やテーマのお気に入り・学習履歴・フォローが使えます。

この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

PERSC では、記事の次の段としてオンライン講座とプラグインを用意しています。