1. 画像生成AIのモデルのライセンス|商用に使えるかの条件

画像生成AIのモデルのライセンス|商用に使えるかの条件

編集部 読了 約9分

  • Stable Diffusion や FLUX は、仕事に使っていいの?
  • モデルのライセンスの、どこを読めばいいか分からない
  • 作った画像を商用に使える条件を知りたい

自分のパソコンで動かす画像生成AIのモデルは、配布元の頁からファイルを落として使うものです。ただ、手に入ることと仕事に使ってよいことは別で、条件が書かれているのは、モデルごとのライセンスです。

この記事では、画像生成AIのモデルのライセンスを、商用に使えるかの条件として解説します。

Stable Diffusion の各版、FLUX.1 の2つのモデル、追加学習したモデルの条件と、ライセンスとは別に残る著作権の問題が、2026年10月時点の原文に沿って分かります。

画像生成AIのモデルのライセンスとは

主なモデルと、そのライセンス・出力の扱い・商用の条件を並べた表(2026年10月時点)
主なモデルとライセンスと、商用の扱いの要点(2026年10月時点)

画像生成AIのモデルのライセンスとは、モデルと、モデルで作った画像(出力)を使ってよい条件を決めたものです。モデルを配っている会社や研究者が、モデルごとに決めています。

2026年10月時点で、モデルの配布元が示しているライセンスを並べると、次の表のとおりです。

モデルライセンス
Stable Diffusion 1.5CreativeML Open RAIL-M
Stable Diffusion XLCreativeML Open RAIL++-M
Stable Diffusion 3.5Stability AI Community License
FLUX.1 [dev]・FLUX.1 Kontext [dev]FLUX [dev] Non-Commercial License
FLUX.1 [schnell]Apache License 2.0
Qwen-Image-EditApache License 2.0

Qwen-Image-Edit のライセンスも、FLUX.1 [schnell] と同じ Apache License 2.0 です。ライセンスごとに、出力の扱いと、商用に使える条件が違います。

RAIL-M と RAIL++-M

RAIL-M と RAIL++-M の、出力の扱いと使い方の制限を並べた表
RAIL-M と RAIL++-M の原文に書かれていること

Stable Diffusion 1.5 などの RAIL-M と、Stable Diffusion XL の RAIL++-M は、出力に権利を主張しない一方で、モデルの使い方に制限を付けるライセンスです。

どちらの原文にも、ライセンサー(ライセンスを出す側)は、モデルで作った出力に権利を主張しない、と書かれています。同時に、作った出力とその後の使い方の責任は、使う人にあるという定めです。

どちらの原文にも、商用の目的に使うことを禁じる定めはありません。そのかわりに、モデルを使ってはいけない使い方の一覧が付いています。

たとえば、人を害するために使われ得る個人を特定できる情報を作ったり広めたりすること、人を中傷することなどです。

この使い方の制限は、モデルをもとにした派生物(モデルを作り変えた物など)にも付けるよう求められています。

Stability AI Community License

Stability AI Community License の、商用の登録・年間収益の条件・出力の扱いを並べた表
Stability AI Community License の原文に書かれていること

Stable Diffusion 3.5 などの Stability AI Community License は、商用に使うときに登録が要り、年間の収益で条件が変わるライセンスです。

研究と非商用の目的なら、無料で使えます。商用の目的で使うときに要るのは、Stability AI への登録です。

原文の商用の目的には、自分の製品やサービスを作ることに加えて、会社や組織の社内の業務に使うことも入っています。会社として使うときは、その会社も「使う人」です。

使う人とその関連会社の年間の収益が、モデルから得た収益かどうかを問わず100万ドルを超えると、このライセンスは終わります。そのときは、Stability AI に別のライセンスを求める決まりです。

出力は、Stability AI との間では、適用される法律の許す範囲で使う人のものとされています。ただし、出力を使って基盤となる生成AIのモデルを作ったり改良したりすることはできません。

モデルや派生物を人に配ったり提供したりするときは、「Powered by Stability AI」と目立つように表示する、といった条件もあります。

FLUX.1 [dev] と FLUX.1 [schnell]

FLUX.1 [dev] と FLUX.1 [schnell] のライセンスと、商用の扱いを並べた表
FLUX.1 [dev] と [schnell] のライセンスと、[dev] の出力にかかわる3つの文

Black Forest Labs の FLUX.1 には、非商用のライセンスの [dev] と、Apache License 2.0 の [schnell] があります。

[dev] のライセンスは、2026年10月時点で v2.0(2025年11月25日)です。FLUX.1 Kontext [dev] や、後に出た FLUX.2 [dev] にも当てはまる版です。

モデルの配布元の GitHub には、前の版(v1.1.1)の原文も残っています。

2つを比べると、次の表のとおりです。

FLUX.1 [dev]FLUX.1 [schnell]
ライセンスFLUX [dev] Non-Commercial License(v2.0・2025年11月25日)Apache License 2.0
モデルの使い方非商用の目的に限る。商用は Black Forest Labs にライセンスを求める使う・作り変える・配ることを、料金なしで許す。配布元の頁は、個人・研究・商用の目的に使えるとしている
出力下の3つの文を参照ライセンスに出力の定めは無い

[dev] のライセンスには、出力にかかわる次の3つの文があります。1つ目は、出力は商用を含むどんな目的にも使える(このライセンスで禁じたことを除く)という文です。

2つ目は、非商用の目的の定義の中の、収益を生む活動に使うことは非商用の目的に当たらない、という文です。

3つ目は禁止の条の中の文で、モデルやモデルで作ったデータを、商用や本番(production。試しや評価ではない実際の運用)の目的に使ってはいけないとしています。

この記事では、3つの文を並べるまでにとどめ、仕事に [dev] を使ってよいかの結論は書きません。原文は、商用のライセンスを望むなら Black Forest Labs の頁を見るよう案内しています。

[dev] で出力を作るときの条件もあります。違法や侵害の内容を防ぐフィルタを入れるか、公開・非公開を問わず、出力を人に渡す前に1つずつ確認することです。

法が求める場合は、AI で作ったと示すことも条件です。出力を使って、FLUX [dev] と競合するモデルを学習させることもできません。

追加学習したモデルのライセンス

もとのモデルのライセンスと、追加学習した人の条件が重なることを示した図
追加学習したモデルは、もとのモデルのライセンスと作った人の条件の両方を読む

LoRA などの追加学習したモデルは、もとのモデルのライセンスの条件を受け継ぐことがあります。

RAIL-M のように、もとのモデルのライセンスが、派生物にも使い方の制限を付けるよう求めるものがあるためです。

追加学習とは、学習済みのモデルを、別のデータで学ばせ直すことを指します。LoRA は、その結果を小さなファイルにして、もとのモデルに足して使うものです。

そのうえ、追加学習したモデルを作った人が、独自の条件を足していることがある、と指摘する解説の記事もあります。

ライセンスとは別に残る著作権の問題

「モデルを使ってよいか(ライセンス)」と「作った画像が既存の作品の著作権を侵害していないか」の2つの問いを並べた図
ライセンスと著作権は、別々の問い

ライセンスでモデルを使ってよくても、作った画像が既存の作品に似れば、著作権の問題は別に残ります。作った出力とその後の使い方の責任が使う人にあるのは、RAIL-M の定めのとおりです。

Stability AI Community License も、使う人が適用される法律を守ることを求めています。既存の作品に似ていないかは、ライセンスとは別に確かめます。

モデルのライセンスを、使う前に原文で確かめよう

ライセンスの意味・RAIL-M と RAIL++-M・Community License・FLUX.1 の2つ・追加学習・著作権の6つを、1つずつ並べた表
画像生成AIのモデルのライセンスのまとめ

画像生成AIのモデルのライセンスは、モデルと出力を使ってよい条件を決めたものです。この記事で解説したことは、次の6つです。

  • ライセンスはモデルごとに違い、版でも変わる
  • RAIL-M と RAIL++-M は、出力に権利を主張しないが、使い方の制限を付ける
  • Stability AI Community License は、商用に登録が要り、年間収益100万ドルを超えると別のライセンスが要る
  • FLUX.1 [dev] は非商用のライセンスで、出力にかかわる3つの文を並べて読む。[schnell] は Apache License 2.0
  • 追加学習したモデルは、作った人の条件も読む
  • ライセンスとは別に、既存の作品に似ていないかを確かめる

モデルを仕事に使う前に、そのモデルを配布している頁で、今の版のライセンスの原文を読んでみてください。

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この記事について

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