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  1. 紙図面をAIでCAD化|日本HPのHP AI ベクタライゼーションで、スキャンした図面をDXFにする

紙図面をAIでCAD化|日本HPのHP AI ベクタライゼーションで、スキャンした図面をDXFにする

編集部 読了 約9分

  • 紙の図面を、AIでCADにできるの?
  • ラスベク変換と何が違うの?
  • 無料でどこまで使えるのかを知りたい

CADのデータが無い古い物件や改修工事では、紙の図面やスキャンしたPDFしか残っていないことがあります。その図面をCADで書き直すとなると、手でなぞるトレースが必要です。

しかし、日本HPが2026年9月に日本語版を出したHP Build Workspaceでは、そのトレースをAIが受け持ちます。

この記事では、HP Build WorkspaceのHP AI ベクタライゼーションを解説します。一般的なラスベク変換との違いから、変換の流れ、無料で使える範囲と注意までが分かる内容です。

HP AI ベクタライゼーションは、スキャンした紙図面やラスターのPDFを、AIの読み取りでDXFに変える機能です。できたDXFは、CADで編集できます。

HP AI ベクタライゼーションとは

日本HPのスライド。紙図面のスキャンと、変換したDXFの画面が並ぶ
日本HPのスライド「紙図面⇒スキャンデータをAI ベクタライゼーション後」です。紙図面のスキャン(桃色の線と文字が重なったもの)と、変換したDXFの画面が並び、DXFの画面にはA-DOORやA-WINDなどのレイヤーの一覧があります。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・画像は日本HP)

HP AI ベクタライゼーションは、日本HPがクラウドで提供するHP Build Workspaceの機能です。日本語版の提供は、2026年9月2日に始まりました。

日本語版では、日本語の文字を読み取る機能(OCR)が強化されました。

日本HPによると、図面に特化したAIが、ドア・窓・文字・破線・寸法線などを見分けます。古い図面のノイズや折り目の影も、AIが取り除く対象です。

見分けた要素はレイヤーに分かれ、DXFとして出てきます。

一般的なラスベク変換との違いを、日本HPは次のスライドで比べました。

完全手動・一般的なラスベク変換・HP AI ベクタライゼーションの手順を比べた日本HPのスライド
日本HPのスライドです。完全手動・一般的なラスベク変換・HP AI ベクタライゼーションの手順が並び、HP AI ベクタライゼーションの欄には「人の確認は必要だが、介入を抑えて仕上げ」とあります。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・画像は日本HP)

一般的なラスベク変換では、人が変換の条件を選んで調整し、変換の後に確かめて直します。

HP AI ベクタライゼーションでは、図面をアップロードするとAIが図面の構造を見分け、要素ごとのレイヤーまでつくります。

人に残るのは、確かめてCADで仕上げる作業です。日本HPは、手作業での製図と比べて、作業の時間を最大80%減らせるとしています。

紙図面をDXFにする流れ

HP Build Workspaceとつながる大判の複合機、HP DesignJet T2600のBuild Connectedのモデル
HP Build Workspaceとつながる大判の複合機、HP DesignJet T2600のBuild Connectedのモデルです。上に大きなタッチパネルがあります。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・画像は日本HP)

紙図面をDXFにする流れは、次の3つです。

  • 紙図面をスキャンする
  • AIで変換して画面で確かめる
  • DXFをダウンロードしてCADで編集する

紙図面をスキャンする

最初に、紙図面をスキャンしてHP Build Workspaceにアップロードします。ラスターのPDFしか残っていない図面でも、変換は同じ流れです。

HP Build Workspaceとつながる複合機では、タッチパネルで「スキャン to AI Vectorize」を選びます。スキャンからアップロード、変換までが自動で進む仕組みです。

複合機を使わないときは、スキャンした図面やPDFを、HP Build WorkspaceのWeb画面からアップロードします。

AIで変換して画面で確かめる

日本HPの説明会のデモでは、朱書きや汚れのある紙図面を複合機でスキャンしました。数分後には、壁・ドア・寸法線・文字を色分けしたDXFができていました。

変換の結果は、HP Build Workspaceの画面で確認します。書き足しや細かな直しは、次の手順のCADで行う作業です。

DXFをダウンロードしてCADで編集する

確認したDXFは、ダウンロードしてCADで開きます。デモでは、AutoCADで開いたDXFの要素がそれぞれ図形として分かれていて、すぐに書き足しや修正ができる状態でした。

ここまでで、紙図面がCADで編集できるデータになります。

HP Build Workspaceのほかの機能

HP Build WorkspaceのWeb画面の上部。図面のバージョンを追跡・AIベクター変換・現場で最新の図面を入手の3つの欄
HP Build WorkspaceのWeb画面の上部です。「図面のバージョンを追跡」「AIベクター変換」「現場で最新の図面を入手」の3つが並びます。「AIベクター変換」が、画面でのHP AI ベクタライゼーションの呼び名です。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・説明会の画面の撮影)

HP Build Workspaceは、紙図面とデジタルの図面をまとめて管理するクラウドのサービスです。HP AI ベクタライゼーションのほかの機能は、次の3つです。

  • 図面の版をまとめて管理する
  • QRコードで紙図面が最新かを確かめる
  • 現場の写真を図面の位置に結ぶ

図面の版をまとめて管理する

プロジェクトに関わる人が、同じ画面で図面の版と変更の履歴を見られます。図面を更新すると新しい版に置き換わり、前の版と変わった所を見比べられる仕組みです。

QRコードで紙図面が最新かを確かめる

HP Build Workspaceから大判のプリンターで図面を出すと、図面の右上にQRコードが印字されます。

現場でそのQRコードをスマホの標準のカメラで読み取ると、専用のアプリを入れなくても、紙図面が最新かどうかが画面に出ます。

説明会では、古い版の紙図面を読み取ると「図面が古くなっています」と赤い字で出ました。その画面からHP Build Workspaceを開くと、つながっているプリンターで最新の図面を出し直せます。

現場の写真を図面の位置に結ぶ

現場で撮った写真や指摘は、図面の上に打ったピンの位置に結び付けてアップロードできます。「階段のこの場所を確かめてほしい」といった頼みを、場所と一緒に伝える使い方です。

HP AI ベクタライゼーションを使うときの注意

HP AI ベクタライゼーションで変換したDXF。ドアや窓が色分けされ、レイヤーの一覧が並ぶ
HP AI ベクタライゼーションで変換したDXFを、HP Build Workspaceの画面で開いたところです。ドアや窓が色分けされ、A-DOORやA-WINDなどのレイヤーが並びます。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・説明会の画面の撮影)

注意することは、次の3つです。

  • DXFのダウンロードは有料
  • 効果は図面の状態で変わる
  • 変換のあとは人が確かめる

DXFのダウンロードは有料

DXFをダウンロードするときだけ、有料の利用権(トークン)を使います(2026年10月時点)。1枚のDXFのダウンロードに、1枚分の利用権を使う形です。

利用権は枚数ごとにまとめて買うもので、2026年10月から使えます。金額は、日本HPの発表で確かめてください。

Build Connectedの複合機は、日本HPの販売代理店が扱う製品です。買うと特典として、利用権が1か月に20枚分ずつ、1年の間つきます(合わせて240枚分)。

効果は図面の状態で変わる

最大80%という数字の元は、HPが1,000件以上の図面で行った社内の試験です。日本HPの発表には、効果は図面の複雑さや画像の状態で変わるとも書かれています。

変換のあとは人が確かめる

AIの変換でも、人の確認は欠かせない工程です。変換したDXFは、寸法と文字を元の図面と見比べてから使いましょう。

この記事で引用した変換の例は、どれも英語の図面です。日本語の図面での読み取りの精度は、日本HPの発表には出ていません。

古い紙図面を、AIでCADのデータにしてみよう

日本HPのスライド。設計から施工までの図面の流れを、HP Build Workspaceでつなぐ図
日本HPのスライド「HPビルドワークスペース」です。企画・計画・設計から、施工・実行、竣工・引渡し・維持管理までの図面の流れが並び、竣工図を将来の保守や改修の参照に使うことも書かれています。出典:AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表(BUILT・画像は日本HP)

スキャンした紙図面やラスターのPDFは、HP AI ベクタライゼーションでCADで編集できるDXFになります。変換と画面での確認までは無料で、お金がかかるのはDXFのダウンロードだけです。

変換の流れは、次の3つです。

  • 紙図面をスキャンする
  • AIで変換して画面で確かめる
  • DXFをダウンロードしてCADで編集する

CADのデータが無い古い物件や改修の図面があれば、まずは無料の範囲で変換を試してみてください。

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この記事について

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