
Autodesk Assistantの次の版|製品とプロジェクトをまたいで動くAIのエージェント(2027年から提供)
- Autodesk Assistantって何?
- RevitやAutoCADでも使えるの?
- AutodeskのAIの機能で、何ができるかを知りたい
Autodesk Assistantは、Autodeskの製品の中で使うAIのアシスタントです。今は、Forma・Fusion・Flowなど多くの製品で提供されています。
しかし、製品をまたぐ作業は、人が製品ごとに進める必要がありました。2026年9月15日のAutodeskのイベントでプレビューとして発表されたのが、製品をまたいで動く次の版です。
この記事では、Autodesk Assistantの次の版と、同じ日に発表されたRevitとFormaのAIの機能を解説します。AIが設計の案を出す流れと、使うときの注意も分かります。
次の版は、製品・プロジェクト・チームをまたいで、注意が要る課題を知らせ、作業を進めるAIです。提供は2027年からで、詳しい時期と契約の条件は2027年に発表されます。
Autodesk Assistantの次の版とは

Autodesk Assistantの次の版は、製品・プロジェクト・チームをまたいで動くAIを指します。
発表の場は、ラスベガスで開いたAutodeskのイベント、Autodesk University 2026(AU 2026)です。
今のAssistantは、Forma・Fusion・Flowなどの中で使うAIです。Autodeskは、今のAssistantを「設計と製造のためのAIの窓口」と説明しています。
2026年7月22日に東京で開かれたDesign & Make Summit Japan 2026の基調講演では、AutoCADに組み込んだAIの例も示されました。
AutoCADでは、自然な文で「図面のコンプライアンスをチェックして」と頼むと、AIが意図をくんで実行します。
ここからは次の版の話です。Autodeskによると、次の版は、プロジェクトのデータから、質問の背景にある文脈を読み取ります。
どの製品のどの機能を使えばよいかを人が知らなくても、目的から始められる作りです。
次の版には、製品の外で単独で動くAssistantも含まれます。
次の版でできることは、次の3つです。
- 注意が要ることを示す
- 作業をまたいで進める
- 自社のAIをつなぐ
注意が要ることを示す
次の版は、プロジェクトをまたいで、注意が要ることを示します。その役を担うのがPersonal Pulseで、優先して見るべき課題を出す機能です。
Assistant Spacesは、チームとエージェントが1つの課題を調べ、その影響を見るための場になります。
作業をまたいで進める
自然な文や声で頼むと、次の版は複数の作業をまたいで仕事を進めます。Autodeskによると、設計・エンジニアリングの機能を組み合わせ、確かめられる形で結果を出します。
CEOのAndrew Anagnost氏は、現実の建物に結果が出る仕事では「たぶん正しい」は間違いと同じだと述べました。AIを設計・解析の機能と組み合わせる理由として挙げた言葉です。
発表が挙げるのは、建物の構造を変えたときの例です。その例では、Assistantが変更の影響を製作・工程・コスト・施工の順序・運用に分けて示し、必要な設計の機能を差し出します。
裏では、AI Orchestratorが、正確さ・速さ・安全・費用から、作業ごとに使うAIのモデルを選びます。1つのモデルに頼らない作りです。
自社のAIをつなぐ
3つ目は、自社のAIをつなぐ仕組みです。Assistant Builderを使えば、自社のAIのエージェントやツール、提携先のサービスを、Autodeskのプロジェクトの文脈につなげられます。
他社のエージェントは、Design & Make Marketplaceで提供する予定です。
RevitとFormaに入るAIの機能

AU 2026では、次の版とは別に、RevitとFormaに入るAIの機能も発表されました。日本の講演で示されたAIのエージェントも合わせ、この節の対象は次の5つです。
- RevitのAIの機能
- Forma Site DesignのAIの機能
- Forma Data ManagementのAIの機能
- 施工のAIの機能
- 講演で示されたAIのエージェント
RevitのAIの機能
AU 2026で、Revitには3つのAIの機能が発表されました。部屋の要素の自動補完、注記の最適化、複数のビューにまたがる図面作成の自動化です。
どれも、AIが出した結果を建築士が確かめてから受け入れます。
Revit 2027(Revitの2027年版)では、外のAIのアプリをRevitのモデルにつなぐMCPサーバーも使えます。要素を探して数える、パラメータをまとめて直すといった操作が、その例です。
「RevitとFormaに入るAIの機能」の最初の画像は、MCPでRevitのモデルにつないだAIに、階ごとの窓の数を聞いた画面です。日本の講演で示されました。
講演では、Revitに組み込んだAIの例も示されました。「窓とファサードの割合を計算して」と頼むとAIが計算し、「窓の割合を増やして」と頼むと、窓の大きさを変えたり窓を足したりします。
こうしたAIを使うと、窓を数える、圧力のかかりすぎたパイプを見つけるといった作業は、AIを使わない場合の約3倍の速さになる、というのが講演でのAutodeskの説明です。
Forma Site DesignのAIの機能
AU 2026の発表では、Forma Site Designで、敷地について自然な文で聞いた質問に、Autodesk Assistantが答えられるようになります。
Building Layout Explorerは、施主の住戸の構成に合わせて、集合住宅の配置案をつくって比べる機能です。
配置案を決めたら、Forma Building DesignとRevitへ進み、プロジェクトの文脈を持ったまま詳細の設計に入ります。
Forma Data ManagementのAIの機能
Forma Data Managementは、Formaのデータの土台で、前の名前はAutodesk Docsです。図面とモデルの版が増えたときに、どれが最新で何が変わったかを追いやすくします。
AU 2026で発表されたのは、次の4つです。
- Smart Controls:承認の状態などの情報で、見られる人を自動で切り替える
- Autodesk Assistantが図面の中を検索し、該当のシートへ移る
- Drawing Change Analysis:版と版の違いのうち、意味のあるものを早く見つける
- Drawing Compliance Review:図面一式を、建築の法規・設計の基準・施主の要求と照らし、問題になりそうな所を早めに示す
Drawing Compliance Reviewの画面では、図面の上に番号付きの印が付き、左の欄に指摘が並びます。

その左の欄では、指摘が重さで分けられ、Critical(6件)・Major(9件)・Minor(4件)と数が出ます。指摘ごとに付くのは、内容と、どの決まりに当たるかの番号です。

欄の下には、照らし合わせる決まりを足すボタンが2つ並びます。
- Design Standards / Owner Requirements:事務所の設計の基準や施主の要求
- Cross-Discipline Coordination:分野をまたぐ調整
Drawing Compliance Reviewは、AutoCADの例とは別のFormaの機能で、提供は2027年の早い時期の予定です。専門家の確認は、工程に残すというのがAutodeskの考えです。
Forma Data Managementは、確認と課題を管理するForma Boardとのつながりも深めます。図面の確認から問題の解決まで、変わった内容と理由、次にすることを同じ場所に記録できます。
施工のAIの機能
施工の側で変わるのは、Forma BuildのProject Homeです。AIによる「Your focus today」の欄が加わりました。

欄の上部に出るのは、注意が要る5件の要約です。その下に、工程(SCHEDULE)・コスト(COST)・品質(QUALITY)などに分けたカードが並びます。

施工の側で、ほかに発表されたものは次の4つです。
- Daily Log Agent:現場の所長が話した内容を、スマホで日報の形に整える
- Workflow Studio:品質検査の確認の流れなどを組み、承認が要るものを担当者へ回す
- Forma Bid:入札の管理のサービスBuildingConnectedの作業を、Formaへ持ち込む(対象の契約の人にベータで提供中)
- 書類の検索・提出物の確認・入札の書類の処理を受け持つ、施工向けのAIのエージェント
講演で示されたAIのエージェント
日本の講演では、Autodeskの製品で今使えるAIのエージェントとして、12が示されました(2026年7月時点)。

12は、仕様書・課題・会議・RFI・提出資料・多言語サポート・パフォーマンス分析・リスク分析・プロジェクト健全性・ヘルプ・課題作成・スケジュールのエージェントです。
たとえばスケジュールエージェントは、工程のリスクを分析して根本の原因を見つけるものです。
どのエージェントがどの製品に入っているか、AU 2026の施工向けのエージェントとどう重なるかは、公式の情報に書かれていません。
AIが設計の案を出す流れ

Autodeskは、ここまでの機能をつないだ先に、AIが設計の案を出す流れを描いています。日本の講演で、副社長のNicolas Mangon氏が「アウトカムベースBIM」として示したものです。
アウトカムベースBIMは、製品の機能でなく、Autodeskが目指す進め方を指します。流れは、次の2段階です。
- データをForma Data Managementに集める
- 成果目標からAIが案を出す
データをForma Data Managementに集める
最初に、プロジェクトのデータをForma Data Managementに集めます。BIMのモデルの形だけでなく、工期・設備の仕様書・点検の結果など、モデルの外のデータも対象です。
集めたデータは、ファイルから取り出して細かく分け、互いに関連付けて管理します。Autodeskの説明では、Revitで始めたデータを、変換せずにFormaやCivil 3Dで読み書きできます。
Mangon氏によれば、ファイルから取り出したこのデータがAIの土台です。
成果目標からAIが案を出す
AIは、コストや工期などの成果目標から、建物の案を出します。これに対して、これまでのBIMは、モデルを描いて情報を足していき、人が前の作業を確かめて直す進め方でした。
講演では、2000人規模のネットゼロの学校を、2億ドル以下で2029年までに建てる条件を例にしました。
Autodeskによると、AIは、交通・天候・地盤のデータや建材のコストを使い、条件に合う案を複数つくります。
風・エネルギー・音響のシミュレーションも、AIが短い時間で回すとAutodeskは説明しています。設計者の役は、AIが出した案とシミュレーションの結果を比べ、目標に合う案を選ぶことです。
ただし、今のAIがつくるBIMのモデルの詳細度(LOD)は、まだ粗いとMangon氏は述べています。
Autodesk AIを使うときの注意

注意することは、次の3つです。
- 次の版は2027年から
- エージェントの操作の管理はまだ説明されていない
- 日本での提供の時期はまだ分からない
次の版は2027年から
次の版のAutodesk Assistantが使えるのは、2027年からです。詳しい時期と契約の条件も、Autodeskは2027年に発表するとしています。
エージェントの操作の管理はまだ説明されていない
Autodeskは、AIの使うデータ・安全の仕組み・分かっている限界を書いたAI Transparency Cardを公開しています。AU 2026では、このカードの形が新しくなりました。
ただ、2026年10月時点のAutodeskの発表とニュースでは、エージェントが行う操作の権限の確認・監視・記録・取り消しの仕組みは、まだ説明されていません。
日本での提供の時期はまだ分からない
次の版のAssistantは、提供の地域がまだ発表されていません。AU 2026で発表されたRevitとFormaのAIの機能も、日本での提供の時期は公式の情報に書かれていない状況です。
土台のForma Data Managementは、日本にもデータセンターを置いて提供されています。2025年からは、RevitやAutoCADの利用者にもアクセス権が付きました。
次の版を待つあいだに、RevitとFormaのAIの機能を確かめよう

Autodesk Assistantの次の版は、製品をまたいで課題を知らせ、作業を進めるAIです。提供は2027年からで、それとは別に、RevitとFormaのAIの機能も発表されています。
AIが設計の案を出す流れは、次の2段階です。
- データをForma Data Managementに集める
- 成果目標からAIが案を出す
RevitやFormaを使っているなら、手元の製品で使えるAIの機能を確かめてみてください。
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