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  1. Revit MCPでAIにモデルをつくらせる|Claude・pyRevitでできたことと苦手なこと

Revit MCPでAIにモデルをつくらせる|Claude・pyRevitでできたことと苦手なこと

編集部 読了 約10分

設計者のChun-Lin Pengは、AIのClaudeを、ほかのソフトを動かすためのつなぎ(MCPとpyRevit)でRevitとつなぎ、Revitのモデルに壁や天井をつくらせました。部屋ごとの天井は手でやるより速く、2Dの図面からの3Dと階段は、まだ使える形になりませんでした。Pengの記事が出た翌日の2026年9月10日には、Autodeskも、書き込みのできるRevitのMCPサーバーを出しています。まだ試用版(Tech Preview)です。

Claude・MCP・pyRevitをつなぐと、AIがRevitのモデルを書き換えられる

Chun-Lin Pengは、Leuterio Thomas Architects & Engineersの設計者(Associate AIA)です。建築の専門誌AEC Magazineに、AIにRevitのモデルを書き換えさせた試しを書きました。

つなぎ方は、3つの役割の組み合わせです。

  • Claude:会話の中で、何をどの順に進めるかを考える
  • MCP(Model Context Protocol):Claudeが外のソフトの機能を呼び出すための、決まった形のつなぎ
  • pyRevit:Revitの中で動き、RevitのAPI(ほかのプログラムからRevitを動かす窓口)を直接呼び出す

著者の図は、会話のClaudeから、MCPサーバーとpyRevitを通って、開いているRevitのモデルに届く流れを描いています。

Claude・MCPサーバー・pyRevit・Revitのつなぎ方の図
Claude → MCPサーバー → pyRevit → Revit API の順につながる図です。MCPサーバーの手元のポートと、Revit APIへの受け渡しも描かれています。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

著者は、YouTubeの2つのデモ動画を元にこの組み合わせを組みました。BIM Pureの「Revit + Claude AI Connector with NonicaTab」と、BIM Coderの「AI in Revit: Claude + MCP pyRevit 100% free」です。つなぐ手順の説明は、Claude自身が書いたとしています。

Revitの公式のMCPサーバーでできること

Autodeskは、Revit 2027向けに、公式のRevit Public MCP Serverを試用版(Tech Preview)として出しています。Autodeskの公式ヘルプによると、Claude DesktopやCursorなどのAIのアプリとつなぎ、自然な文でRevitを操作するための仕組みです。Revitの中では、Autodesk Assistantから使います。

公式ヘルプが挙げている、できることは次のとおりです。

  • 自然な文で、Revitのモデルに問い合わせる
  • カテゴリ・パラメータなどの条件で、要素を探す
  • 要素の情報とパラメータの値を取り出す
  • モデルのデータから報告をつくる
  • Revitのビューを書き出す
  • ビューやモデルの要素へ、直接移る

Revit 2027の新機能の説明は、要素を探す・パラメータを確かめる・数えることを挙げています。パラメータを一括で書き換えることと、ビューの画像を撮ることもできるとしています。

使い始める手順は、公式ヘルプでは次の4つです。

  1. Revit Public MCP Server のアドオンを入れる
  2. Claude DesktopやCursorなど、対応するAIのアプリを設定する
  3. AIのアプリをRevitにつなぐ
  4. 自然な文で、モデルに頼みごとをする

公式のMCPサーバーは、9月10日に書き込みができるようになった

著者が記事を書いた時点(2026年9月9日)では、Autodeskの公式の仕組みで、モデルの形を変えることはできませんでした。

  • Revit 2027のAutodesk Assistantは、集計表や、部屋・ドア・窓のタグには使えるものの、既にモデルにあるものは変えられない。著者の試しでは、つくったばかりの集計表の名前も変えられなかった
  • 公式のMCPサーバーは、著者の言葉では「モデルに対しては読むだけで、何もつくらない」

記事の翌日の2026年9月10日、Autodeskは、書き込みのできるMCPサーバーを2つ、Tech Previewとして出しました。Revitのコミュニティマネージャーの、公式フォーラムへの投稿で発表されています。

MCPサーバーできること
Trusted-Write使える機能は少ない。AIが要素に加えた変更を、1つずつ確かめられる
Experimentalつくる・変える機能が広い。そのぶん、自己責任で使う

読むだけのものも含めた3つは重ねて使う形で、Revit 2027向けに、Autodesk Accountから入れます。そのため、「公式は読むだけ」という著者の説明は、2026年9月27日の時点では当てはまりません。

つくらせられたもの:壁・窓・天井・タイプ・図面

著者がClaudeにつくらせたり、直させたりできたものは、次のとおりです。

  • 壁・窓・天井
  • 床と壁のタイプ
  • フィルタと色分け
  • ワークセット(チームで分担するための、モデルの要素の分け方)の作成と割り当て
  • 平面図と天井伏図
  • 部屋ごとの天井
  • 屋根
  • 範囲ボックス(スコープボックス)の調整

著者の画面では、Claudeがつくった要素に、それぞれ「CLAUDE:」で始まる注記が付いています。

Claudeがつくった要素に注記を付けたRevitのモデル
試しのモデルの全体です。天井と床が赤く色分けされています(色分けとフィルタもClaudeがかけたもの)。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

右下の注記は、部屋ごとに分けた天井、仕上げの床のタイプ、スラブの床のタイプの3つを指しています。

部屋ごとの天井と、仕上げとスラブの床のタイプを指す注記の部分
右下を切り出しました。「CLAUDE: Created separated ceilings per room(部屋ごとに天井を分けてつくった)」などの注記が、赤い天井と床を指しています。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

右上の注記は、色分けとフィルタ、屋根、階段に合わせた範囲ボックスの調整を指しています。

色分けとフィルタ、屋根、範囲ボックスの調整を指す注記の部分
右上を切り出しました。緑の破線が、階段に合わせて調整した範囲ボックスです。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

天井について著者は、部屋がいくつもあると、手でやるより速いと書いています。

苦手だったもの:2Dの図面からの3Dと、階段

著者は、ファンズワース邸の平面・立面・断面を渡して、3Dのモデルをつくらせました。結果は「直す所は多いが、ファンズワース邸だと分かる」ものの、納品できる形ではなかったとしています。

画面の右がClaude、左がRevitです。右に図面の画像を渡し、左に3Dのモデルができています。

ファンズワース邸の図面を渡して3DのモデルをつくらせたRevitとClaudeの画面
画面の全体です。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

右のClaudeの欄では、渡した図面を読み直したClaudeが、1回目につくったときの誤りを自分で書いています。直したのは上のテラスの位置です。母屋からずらした別の塊と見ていたものを、母屋と同じ軸の上にあると読み直しました。そのうえで、今の文書でつくり直すか、新しく始めるかを尋ねています。欄の見出しには「mcp-server-for-revit-python」とあります。

Claudeの欄。渡した図面の画像と、1回目の誤りを直す説明と、つくり直し方を尋ねる選択肢
右のClaudeの欄を切り出しました。著者は、誤った思い込みを途中で見つけて直すことも工程の一部だとして、あえてこの場面を載せています。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

左のRevitには、床・屋根・柱とガラスの壁、テラスと階段が並んだ3Dのモデルができています。

Claudeがつくったファンズワース邸の3Dのモデル
左のRevitの3Dビューを切り出しました。出典:Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng)

階段も、まだうまくいっていません。向き・幅・踏面と蹴上げ・踊り場の大きさ・図面の注記の位置は、互いに関わり合っています。1つずつなら合わせられても、全部を実務の描き方どおりにそろえることは、できていないとしています。

大きな指示より、小さな作業に分けて順番に進めさせる

階段で結果が良くなったのは、1つの大きな指示を出すより、小さな作業に分けたときでした。著者は、一度つくって毎回同じに使う指示のまとまりを「スキル」と呼んでいます。1回きりの試しと、繰り返せる作業の流れを分けるものだとしています。

2Dの図面からの3Dでも、元の図面を良くすることは役立つものの、それ以上につくる順番を決めて渡すことが大きいとしています。通り芯とレベルから始めて、外へ順につくらせる流れです。

時間と費用(トークン)を手作業と比べる計測は、まだ途中です。記事には数字は載っていません。

著者が次に試すとしているのは、次のことです。

  • スキルを、Claudeを動かさずに、Revitのリボンのボタンから単独で動かす(アドインの不具合を直している途中)
  • 製作図からファミリ(ドアや家具などのRevitの部品)をつくり、パラメータで形を変えられるようにする
  • 階段の幅・頭上の空き・踊り場の大きさ、構造や設備とのぶつかりを確かめる検査を、同じ形の出力で回す

著者は最後に、AIでモデルをつくるようになると、建物の設計が似通っていくのか、逆に広がるのかという問いも投げかけています。

建築の仕事では、部屋ごとに繰り返す作業から試せる

試すなら、部屋ごとの天井のように、1つの指示を部屋の数だけ繰り返す作業からが合います。著者の試しで、手より速かったのがこの種類の作業でした。

2Dの図面からのモデル化と階段は、人が直す前提で見ます。著者の結果では、どちらもそのまま納品できる形になっていません。

著者の記事には、元に戻す手順や、AIの変更を確かめる方法は書かれていません。実際のプロジェクトのモデルで試すなら、AIが要素に加えた変更を1つずつ見られる公式のTrusted-Writeから始めると、何が変わったかを追えます。

MCPでAIとほかのソフトをつなぐ例は、ComfyUI×LLM/MCP連携ガイド|対話操作で実務自動化する3系統でも解説しています。

出典

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この記事について

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