
Revit MCPでAIにモデルをつくらせる|Claude・pyRevitでできたことと苦手なこと
設計者のChun-Lin Pengは、AIのClaudeを、ほかのソフトを動かすためのつなぎ(MCPとpyRevit)でRevitとつなぎ、Revitのモデルに壁や天井をつくらせました。部屋ごとの天井は手でやるより速く、2Dの図面からの3Dと階段は、まだ使える形になりませんでした。Pengの記事が出た翌日の2026年9月10日には、Autodeskも、書き込みのできるRevitのMCPサーバーを出しています。まだ試用版(Tech Preview)です。
Claude・MCP・pyRevitをつなぐと、AIがRevitのモデルを書き換えられる
Chun-Lin Pengは、Leuterio Thomas Architects & Engineersの設計者(Associate AIA)です。建築の専門誌AEC Magazineに、AIにRevitのモデルを書き換えさせた試しを書きました。
つなぎ方は、3つの役割の組み合わせです。
- Claude:会話の中で、何をどの順に進めるかを考える
- MCP(Model Context Protocol):Claudeが外のソフトの機能を呼び出すための、決まった形のつなぎ
- pyRevit:Revitの中で動き、RevitのAPI(ほかのプログラムからRevitを動かす窓口)を直接呼び出す
著者の図は、会話のClaudeから、MCPサーバーとpyRevitを通って、開いているRevitのモデルに届く流れを描いています。

著者は、YouTubeの2つのデモ動画を元にこの組み合わせを組みました。BIM Pureの「Revit + Claude AI Connector with NonicaTab」と、BIM Coderの「AI in Revit: Claude + MCP pyRevit 100% free」です。つなぐ手順の説明は、Claude自身が書いたとしています。
Revitの公式のMCPサーバーでできること
Autodeskは、Revit 2027向けに、公式のRevit Public MCP Serverを試用版(Tech Preview)として出しています。Autodeskの公式ヘルプによると、Claude DesktopやCursorなどのAIのアプリとつなぎ、自然な文でRevitを操作するための仕組みです。Revitの中では、Autodesk Assistantから使います。
公式ヘルプが挙げている、できることは次のとおりです。
- 自然な文で、Revitのモデルに問い合わせる
- カテゴリ・パラメータなどの条件で、要素を探す
- 要素の情報とパラメータの値を取り出す
- モデルのデータから報告をつくる
- Revitのビューを書き出す
- ビューやモデルの要素へ、直接移る
Revit 2027の新機能の説明は、要素を探す・パラメータを確かめる・数えることを挙げています。パラメータを一括で書き換えることと、ビューの画像を撮ることもできるとしています。
使い始める手順は、公式ヘルプでは次の4つです。
- Revit Public MCP Server のアドオンを入れる
- Claude DesktopやCursorなど、対応するAIのアプリを設定する
- AIのアプリをRevitにつなぐ
- 自然な文で、モデルに頼みごとをする
公式のMCPサーバーは、9月10日に書き込みができるようになった
著者が記事を書いた時点(2026年9月9日)では、Autodeskの公式の仕組みで、モデルの形を変えることはできませんでした。
- Revit 2027のAutodesk Assistantは、集計表や、部屋・ドア・窓のタグには使えるものの、既にモデルにあるものは変えられない。著者の試しでは、つくったばかりの集計表の名前も変えられなかった
- 公式のMCPサーバーは、著者の言葉では「モデルに対しては読むだけで、何もつくらない」
記事の翌日の2026年9月10日、Autodeskは、書き込みのできるMCPサーバーを2つ、Tech Previewとして出しました。Revitのコミュニティマネージャーの、公式フォーラムへの投稿で発表されています。
| MCPサーバー | できること |
|---|---|
| Trusted-Write | 使える機能は少ない。AIが要素に加えた変更を、1つずつ確かめられる |
| Experimental | つくる・変える機能が広い。そのぶん、自己責任で使う |
読むだけのものも含めた3つは重ねて使う形で、Revit 2027向けに、Autodesk Accountから入れます。そのため、「公式は読むだけ」という著者の説明は、2026年9月27日の時点では当てはまりません。
つくらせられたもの:壁・窓・天井・タイプ・図面
著者がClaudeにつくらせたり、直させたりできたものは、次のとおりです。
- 壁・窓・天井
- 床と壁のタイプ
- フィルタと色分け
- ワークセット(チームで分担するための、モデルの要素の分け方)の作成と割り当て
- 平面図と天井伏図
- 部屋ごとの天井
- 屋根
- 範囲ボックス(スコープボックス)の調整
著者の画面では、Claudeがつくった要素に、それぞれ「CLAUDE:」で始まる注記が付いています。

右下の注記は、部屋ごとに分けた天井、仕上げの床のタイプ、スラブの床のタイプの3つを指しています。

右上の注記は、色分けとフィルタ、屋根、階段に合わせた範囲ボックスの調整を指しています。

天井について著者は、部屋がいくつもあると、手でやるより速いと書いています。
苦手だったもの:2Dの図面からの3Dと、階段
著者は、ファンズワース邸の平面・立面・断面を渡して、3Dのモデルをつくらせました。結果は「直す所は多いが、ファンズワース邸だと分かる」ものの、納品できる形ではなかったとしています。
画面の右がClaude、左がRevitです。右に図面の画像を渡し、左に3Dのモデルができています。

右のClaudeの欄では、渡した図面を読み直したClaudeが、1回目につくったときの誤りを自分で書いています。直したのは上のテラスの位置です。母屋からずらした別の塊と見ていたものを、母屋と同じ軸の上にあると読み直しました。そのうえで、今の文書でつくり直すか、新しく始めるかを尋ねています。欄の見出しには「mcp-server-for-revit-python」とあります。

左のRevitには、床・屋根・柱とガラスの壁、テラスと階段が並んだ3Dのモデルができています。

階段も、まだうまくいっていません。向き・幅・踏面と蹴上げ・踊り場の大きさ・図面の注記の位置は、互いに関わり合っています。1つずつなら合わせられても、全部を実務の描き方どおりにそろえることは、できていないとしています。
大きな指示より、小さな作業に分けて順番に進めさせる
階段で結果が良くなったのは、1つの大きな指示を出すより、小さな作業に分けたときでした。著者は、一度つくって毎回同じに使う指示のまとまりを「スキル」と呼んでいます。1回きりの試しと、繰り返せる作業の流れを分けるものだとしています。
2Dの図面からの3Dでも、元の図面を良くすることは役立つものの、それ以上につくる順番を決めて渡すことが大きいとしています。通り芯とレベルから始めて、外へ順につくらせる流れです。
時間と費用(トークン)を手作業と比べる計測は、まだ途中です。記事には数字は載っていません。
著者が次に試すとしているのは、次のことです。
- スキルを、Claudeを動かさずに、Revitのリボンのボタンから単独で動かす(アドインの不具合を直している途中)
- 製作図からファミリ(ドアや家具などのRevitの部品)をつくり、パラメータで形を変えられるようにする
- 階段の幅・頭上の空き・踊り場の大きさ、構造や設備とのぶつかりを確かめる検査を、同じ形の出力で回す
著者は最後に、AIでモデルをつくるようになると、建物の設計が似通っていくのか、逆に広がるのかという問いも投げかけています。
建築の仕事では、部屋ごとに繰り返す作業から試せる
試すなら、部屋ごとの天井のように、1つの指示を部屋の数だけ繰り返す作業からが合います。著者の試しで、手より速かったのがこの種類の作業でした。
2Dの図面からのモデル化と階段は、人が直す前提で見ます。著者の結果では、どちらもそのまま納品できる形になっていません。
著者の記事には、元に戻す手順や、AIの変更を確かめる方法は書かれていません。実際のプロジェクトのモデルで試すなら、AIが要素に加えた変更を1つずつ見られる公式のTrusted-Writeから始めると、何が変わったかを追えます。
MCPでAIとほかのソフトをつなぐ例は、ComfyUI×LLM/MCP連携ガイド|対話操作で実務自動化する3系統でも解説しています。
出典
- Giving AI actual write access in Revit(AEC Magazine・Chun-Lin Peng・2026年9月9日。2026年9月27日確認)
- MCP Server for Revit - Tech Preview Launch!(Autodesk Community・Kimberly Fuhrman-Jones・2026年9月10日。2026年9月25日確認)
- Revit Public MCP Server (Tech Preview)(Autodesk 公式ヘルプ・Revit 2027 のはじめに。2026年9月27日確認)
- Revit Public MCP Server (Tech Preview)(Autodesk 公式ヘルプ・What’s New in Revit 2027。2026年9月27日確認)
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