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Vectorworks 2027のAI Visualizer|GoogleのNano Bananaで画像をつくり・直す(日本語版は2027年1月)

編集部 読了 約11分

Vectorworks 2027では、AIで画像をつくるAI Visualizerに、GoogleのNano Bananaのモデルが入りました。サブスクリプションの利用者は、2Kの画像を、参考の画像を最大14枚まで使ってつくれます。無料のモデルは、1Kで参考の画像は2枚までです。つくった画像は、テクスチャや背景、画像の添景として、そのまま図面に戻せます。英語版は2026年9月16日に出ていて、日本語版は2027年1月に出る予定です。

Vectorworks 2027は、英語版が2026年9月16日、日本語版は2027年1月の予定

Vectorworksは、2026年9月16日(米国時間)に、Vectorworks 2027を出しました。英語版はすでに使えます。ほかの言語の版は、2026年10月から2027年の1〜3月にかけて順に出るとしています。

日本では、ベクターワークスジャパンが2026年9月24日に英語版の発売を伝え、日本での発売を2027年1月の予定としています。

2027の製品は、Vectorworks Architect・Landmark・Spotlight・Design Suite・Fundamentals・ConnectCAD・Braceworksです。

AI Visualizerに、GoogleのNano Bananaのモデルが入った

AI Visualizerは、Vectorworksの図面の画面や、読み込んだ画像を元に、AIで画像をつくる機能です。Window › Palettes から開く、作業中も開いたままにできるパレットです。処理はVectorworksのクラウドで行われます。

2027では、GoogleのNano Bananaのモデルを選べるようになりました。公式ヘルプが挙げるモデルは、次の3つです。

モデル解像度参考の画像特徴
Nano Banana 22K14枚まで速くつくる
Nano Banana Pro2K14枚まで写実と素材の質感を優先する。Nano Banana 2より遅く、クレジットを多く使う
無料のモデル1K2枚まで回数の上限なく使える(Architoshの記事)

Nano Bananaのモデルは、文章から画像をつくること、文章・画像・マスクで画像を直すこと、4Kへの拡大に対応しています。

使える条件は、次のとおりです。

  • AI Visualizerは、サブスクリプションか、Vectorworks Service Select(Vectorworksの保守の契約)の特典で使える
  • Nano Bananaのモデルを選べるのは、サブスクリプションの利用者だけ。サブスクリプションでなければ、モデルを切り替える欄が出ない

Nano Bananaのモデルは、画像をつくるたびにクレジット(Nano Bananaのモデルで使える量を表す単位)を使います。クレジットは毎月1日に決まった数が補充されます。パレットの中の数え表示は、残りが少なくなると黄色、無くなると赤になります。クレジットが無くなっても、無料のモデルで続けられます。1か月のクレジットの数は、公式ヘルプと発表には書かれていません。

入れた文章と画像は、7日間保管したあとに消され、画像をつくるためだけに使い、モデルの学習には使わないとしています。使うときは、法律に反する使い方、人を傷つける偽の情報や個人の情報を広める使い方、差別につながる使い方などをしないことに同意します。ヘルプの末尾には、Stable Diffusion(SDXL)の使用許諾へのリンクもあります。

AI Visualizerでできること:つくる・直す・図面に戻す

AI Visualizerのパレットには、Generate(つくる)・Edit(直す)・Save(戻す)の3つのタブがあります。

Generateのタブでは、次のものを決めて画像をつくります。

項目すること
Promptつくりたい画像を文章で書く。長い段落でもよい
Negative prompt画像に入れたくないものを書く。AIが勝手に入れるロゴの置き場を消すときに使える
Image PromptVectorworksのビューや図面・読み込んだ画像を、構図や素材・色の手がかりにする。1枚目の画像が、できる画像の縦横の比率になる
Enable seamless tiling壁紙や画像塗りつぶし、テクスチャに使える、継ぎ目のない模様をつくる
Aspect ratio参考の画像が無いときの、縦横の比率
Recall SettingsAI Visualizerでつくった画像を選ぶと、そのときのプロンプトと比率を呼び戻す

Editのタブでは、できた画像を直します。直す内容は「足す・動かす・替える」のような動詞で書き、どこを変えるかも書けます。

項目すること
Edit Instructions直す内容を文章で書く。1つの段落に複数の直しを書ける
Image直すときの手がかりの画像(生地の見本など)を入れる
マスク塗った所だけを直す。Loose Edit は塗った所の周りも変わりうる(影や映り込みに向く)。Strict Edit は塗った画素だけを変える。Invert Mask で塗った所以外を直す
Remove Background背景を消して透明にする。画像の添景やテクスチャに使える
Compare前と後の画像を切り替えるか、つまみを動かして半分ずつ見る

Compareでは、つまみの左に元の画像、右に直したあとの画像が並びます。

Compareのつまみで、左に元の図面、右にAIでつくった画像を並べた例
左が元のVectorworksの画像、右がAI Visualizerの画像です。赤い四角で囲んだ所に、つまみがあります。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

ヘルプによると、たいていの直しはマスクが無くても文章だけでできます。同じものが並んでいて一部だけを変えたいとき(色の違うパネルが並ぶカーテンウォールなど)に、マスクで場所を示します。

マスクで1つのクッションだけの柄を替える3段の例
上から、元の画像、替えたいクッションを白く塗った画像、生地の見本の画像と「クッションを見本の柄に合わせる」の指示で直した画像です。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

Saveのタブでは、できた画像を図面に戻します。

  • Upscale 4X:画像の縦横を4倍にする
  • クリップボードに写す・PNGで保存する
  • Renderworks(Vectorworksのレンダリングの機能)の背景・テクスチャ・画像塗りつぶし・画像の添景・ビットマップとして、ファイルに入れる
  • 元の図面のビューポートやビットマップの画像を、つくった画像に差し替える(ビューポートを更新すれば元に戻る)

プロンプトの書き方について、ヘルプは次の目安を挙げています。

  • 画風(水彩・鉛筆・写真など)、様式(モダン・ブルータリズムなど)、用途(室内・外観・ギャラリー・カフェなど)、色と素材、場所、季節・天気・時間帯、光、家具や植物の様子を、具体的に書く
  • 先に書いた語ほど重く扱われる
  • AIが知らないおそれのあるブランド名は避け、見た目を詳しく書く
  • 直す指示は「変える」「足す」「替える」のように動作で書く
  • 短いプロンプトで何度か試し、結果を見ながら語を足す

公式ヘルプの使い方の例

公式ヘルプは、Vectorworksの画像を元に、プロンプトだけを変えて見え方を変えた例を載せています。

元のVectorworksの画像と、プロンプトを変えてつくった3枚のロビーの画像
左上が元のVectorworksの画像で、ほかの3枚はプロンプトだけを変えてつくった画像です。壁の絵やアーチの窓の位置は元のままです。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

俯瞰の配置の図からも、見え方を変えられます。

カフェの俯瞰の配置の図と、そこからつくった3枚の画像
左上が元の配置の図で、ほかの3枚は写真のような見え方と、線画に色を付けた見え方です。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

参考の画像を使って、窓の外の景色を入れた例もあります。ヘルプは、室内のものはそのまま残すこと、外の景色の大きさ・遠近・光を合わせることを、指示に両方書くとよいとしています。

室内の窓の外に、参考の画像の街並みを入れた例
窓の外に、参考に渡した街並みの画像が入っています。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

空間に人を足す例では、建物・光・家具はそのまま残すことと、人の服装や、どこで何をしているかを詳しく書くとよいとしています。

受付の空間に、人を足す前と後の画像
上が元の画像、下が受付のカウンターの前と奥に人を足した画像です。壁の仕上げとカウンターの形は元のままです。出典:Generating AI images(Vectorworks 2027 公式ヘルプ)

ヘルプの例の画像を、2027のNano Bananaのモデルでつくったかどうかは、ヘルプに書かれていません。

AI以外の2027の主な変更

Vectorworksの発表と、Architoshの記事が挙げる、AI以外の主な変更は次のとおりです。

  • 描画の仕組みを、MacはMetal、WindowsはVulkanに替え、処理をCPUからGPUへ移した。画面の移動と拡大は15〜35倍、複数のものの選択は最大50倍速くなったとしている(数字はVectorworksの説明)
  • テクスチャの素材を、PBR(物理に基づく描き方)の仕組みで作り直し、テクスチャの編集の画面をその場で見られる形にした
  • The Exchange:利用者や企業のパートナーの素材を、作業の中で探して共有できる場を設けた
  • Revitのファミリと、DXF・DWGのダイナミックブロックを、形を変えられるものとして読み込めるようにした
  • ジオロケーションの設定の案内(Geolocation Setup Wizard)で、測量・点群・GISの層・Googleマップの画像(サブスクリプションのみ)を位置に合わせられるようにした
  • Architectには、回転扉の扱いと、既存と改修の段階を分けて示す仕組み(現況の層を含む)が加わった。DIN 277・SIA 416などの基準や、自分で決めた決まりに沿った面積の拾い出しもできる。Landmarkには、調整池などの土量を拾う Volume Fill の道具が加わった(Architoshの記事)
  • Spotlightでは、舞台照明と音響の図面まわりの変更が加わった

建築の仕事では、図面の画面から提案の画像をつくり、そのまま素材に戻せる

建築の仕事でAI Visualizerが関わるのは、Vectorworksで形を決めた段階で、提案の見え方を試す場面です。図面の画面やシートのビューポートをそのまま元にできるので、別のソフトへ書き出す手間がかかりません。できた画像は、背景・テクスチャ・画像の添景としてファイルに戻せます。

直すときは、まず文章だけで直し、同じものが並ぶ所だけマスクを使う、というのがヘルプの考え方です。マスクの Loose Edit は塗った所の周りも変わりうるので、影や映り込みまで変えたいときに向きます。

日本の利用者は、英語版なら今すぐ使えます。日本語版は2027年1月の予定です。Nano Bananaのモデルはサブスクリプションの利用者向けで、クレジットの数は契約で決まります。操作の手順は、VectorworksのAIの画像生成の記事(これから公開)で解説する予定です。

出典

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