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Sherpa Render|SketchUpの画面からプロンプトを書かずにつくるAIレンダリング

編集部 読了 約14分

Sherpa Render(シェルパ レンダー)は、SketchUpの画面の見え方を元にして、AIで提案用の画像をつくるサービスです。AIへの指示を文章で書く(プロンプト)代わりに、時間帯・照明・人の有無・素材を選択肢で決めます。作った会社は、仕上がりが写真のようではないとはっきり書いたうえで、設計の初めの提案や打ち合わせに向けています。

Sherpa RenderはSketchUpの画面を元にAIが画像をつくる拡張機能

Sherpa Renderは、アムステルダムのAI-brouwerijが作ったAIのレンダリングサービスです。SketchUpの拡張機能として、SketchUpの公式の配布所(Extension Warehouse)から無料で入れられます。

元にするのは、SketchUpでいま見えている画面そのものです。画像から画像をつくる生成なので、文章の指示は要りません。公式サイトのよくある質問は、Sherpa Renderを、手元にある元の画像を良くするものだと説明しています。元の画像がはっきりしているほど、元の設計だと分かる仕上がりになるとしています。

SketchUpの拡張機能とは別に、ブラウザで使う版もあります。SketchUpから書き出した画像や作業用のレンダリング(JPEG・PNG・WebP)を入れて、同じようにレンダリングします。公式サイトは、RevitとArchiCADの書き出しにも対応するとしています。

仕上がりは写真のようではなく、提案の最初の打ち合わせ向け

Sherpa Renderの画像は、写真のような仕上がり(フォトリアル)を目指していません。公式サイトには、次のように書かれています。

Not photorealistic, and it doesn’t need to be. But presentable, recognisable and ready within minutes, exactly what a pitch or client conversation needs.

写真のようではなく、その必要もない。人に見せられる質で、元の設計だと分かり、数分でできる。提案や施主との打ち合わせに要るのはそういう画像だ、という意味です。

公式サイトは、V-RayやEnscapeの代わりではないとも書いています。向けているのは、構想の段階、コンペや提案、施主への説明、社内での判断の場面です。写真のような仕上げが要る案件は、これまでどおりレンダラーか、パースの制作会社に頼む前提です。使う人として挙げているのは、インテリアデザイナー、パースの担当者がいない小さな設計事務所、作業用の画像と本格的なパースのあいだを埋めたい設計事務所です。

SketchUpにもAI Renderの機能があります。公式サイトは、2つを分けて説明しています。SketchUpのAI Renderは見た目の案を手早く試すためのもの、Sherpa Renderは施主に見せる画像のためのものです。

公式サイトには、SketchUpから書き出したキッチンの作業用の画像が載っています。

SketchUpから書き出したキッチンの作業用の画像
元にした作業用の画像です。素材の色は付いていますが、光と影は平らです。出典:Sherpa Render 公式サイト

同じ画像を、Sherpa Renderでレンダリングすると、次のようになります。

Sherpa Renderでつくった同じキッチンの画像
Sherpa Renderでつくった画像です。形と素材はそのままで、窓からの光が入り、人が足されています。出典:Sherpa Render 公式サイト

SketchUpの中で画面を切り取ってレンダリングする

拡張機能を使えるのは、SketchUp 2021以降です。WindowsとMacに対応しています。ブラウザで動くSketchUp for Webは拡張機能を入れられないため、使えません。インターネットへの接続と、Sherpaの無料のアカウントが要ります。

公式の導入と使い方の手順は、次のとおりです。

  1. SketchUpの Window › Extension Warehouse を開き、Sherpa Render を探して Install を押します
  2. Extensions › Sherpa Render を開き、sherpa-render.com と同じメールアドレスとパスワードでサインインします。パネルの上に、クレジット(Sherpa Renderで画像をつくるたびに使う単位)の残りと契約が出ます
  3. SketchUpで、レンダリングしたい見え方にカメラを合わせます。画面の縦横の比率のまま、見えているとおりにレンダリングされます
  4. パネルの切り取りの枠を押します。画面は、長い辺が1600ピクセルの画像として保存されます。撮り直すときは Retake を押します
  5. 必要なら Straighten view で、縦の線や横の線をまっすぐにそろえます
  6. 設定を選びます
  7. Render を押します。ボタンには、使うクレジットの数が出ます。進み具合と時間が出ているあいだも、SketchUpで作業を続けられます
  8. できた画像を、Save as… で手元に保存します。次の画像は + New render から始めます

SketchUpの中で始めたレンダリングは、どの契約でも、できしだいすぐに届きます。できた画像は、sherpa-render.comの管理の画面にも残ります。

SketchUpの中のパネルでは、上に切り取った画面、その下に設定の項目、いちばん下に使うクレジットの数を出した Render のボタンが並びます。

SketchUpの中のSherpa Renderのパネル
上から、切り取った画面と Retake、Straighten view、Type、Style、Lighting、Resolution、Moodboard、折りたたんだ Advanced settings、Render のボタンです。右上に、クレジットの残りと契約(PRO)が出ています。出典:Sherpa Render for SketchUp: install and use(Sherpa Render 公式)

パネルやメニューが見つからないときは、View › Toolbars(Windows)か View › Tool Palettes(Mac)でツールバーを表示します。それでも出ないときは、Window › Extension Manager で Sherpa Render が有効になっているかを確かめます。サインインは、SketchUpを閉じても続きます。手元に残るのは更新用の鍵だけで、パスワードは保存されません。

Straighten viewで、縦の線をまっすぐにそろえる

SketchUpでカメラを上や下に傾けると、建物の縦の線が互いに寄っていきます。公式サイトは、これが3Dの画面の写しだと分かってしまう原因で、建築の写真家は毎回直すところだと書いています。

Straighten view は、画面を切り取ったあとに出る行です。SketchUpのカメラを動かしてから、画面を撮り直します。

ボタンすること
Verticalsカメラを水平にし、縦の線が寄らないようにする。見ている位置は変わらない
Horizontalsカメラをモデルに対して正対させる。面を選んでいれば、その面に正対させる
Bothモデルに正対させ、同時に水平にする。立面をきれいに見せるときの基本
+ Center水平にしてから、選んだものが全部入るように向きと画角を広げる
Undo元のカメラの位置に戻す

Straighten view はクレジットを使わず、何度でも試せます。Render を押すまで、レンダリングはされません。

Straighten viewで縦の線をそろえる前と後
左がカメラのままの画面、右が Straighten view を1回押したあとの画面です。右では、建物の縦の線が垂直にそろっています。出典:Sherpa Render for SketchUp: install and use(Sherpa Render 公式)

プロンプトの代わりに、光・人・素材を選ぶ

Sherpa Renderでは、項目ごとに選択肢を選んで、画像の中身を決めます。項目の名前は、画面の英語のまま載せます。最初に見える設定は、次の5つです。

項目選択肢
TypeExterior(外観)・Interior(室内)。どちらかで、ほかに出る項目が変わる
StyleDay・Sunset・Night。外観では Sketch も選べる
LightingSunlight・Cloudy。室内で Day のときだけ出る
Resolution1K・2K・4K
Moodboard見た目の参考の画像(JPGかPNG)。室内のときだけ。入れなくてもよい

パネルの下には、折りたたまれた Advanced settings があります。触らなければ、普通のレンダリングと同じ結果になります。何かを変えると「customised」の札が付き、Reset advanced settings で1回で元に戻せます。Advanced settings は、無料のアカウントを含むすべての契約で使えます。

分類項目選択肢
LightingLuminosity(明るさ)Natural・Moody・Bright・Dark
LightingOutdoor light(外の光)Auto・Sunny・Soft・Cloudy・Night。室内では No window も選べる
LightingColour temperature(色温度)Neutral・Warm・Cool
LightingArtificial lights(照明)Auto・On・Off
PeoplePeople(人)No people・Female・Male・Non-binary・Group・Animal
PeopleAge(年齢)子どもから年配の大人まで。人を入れたときだけ出る
PeopleAppearance(見た目)服装や姿勢などを、300字まで自由に書く
StylingStyling accessories(小物)None、または1〜3の段階(何もない状態から、しっかり飾った状態まで)
StylingStyling direction(見た目の方向)目指す見た目を、300字まで自由に書く
Visual elements決まった欄Floor(床)・Walls(壁)・Cabinets(収納)・Countertop(天板)・Furniture(家具)・Exterior(外)
Visual elements足せる欄Ceiling(天井)・Lighting(照明)・Rug(敷物)・Sofa・Bed・Doors など。全部で12まで

Visual elements は、画面の中の部分ごとに、素材や見た目を自分の言葉で書く欄です。同じ設定の欄は、sherpa-render.comの管理の画面にもあります。

公式サイトは、同じSketchUpの書き出しを、同じカメラのまま、設定だけを変えた例を載せています。元にした作業用の画像は、次のものです。

SketchUpから書き出した部屋の作業用の画像
元にした作業用の画像です。家具と棚の形と配置は決まっていますが、光と影は平らで、素材は単色に近い状態です。出典:Sherpa Render 公式サイト

昼の光で、人を1人入れた画像です。

Sherpa Renderで昼の光にした部屋の画像
昼の光(Daylight)の画像です。公式サイトは、この画像の設定を Luminosity:Bright・Outdoor light:Soft・People:1人と示しています。出典:Sherpa Render 公式サイト

夕方の光(Evening light)にした画像です。

同じ部屋を夕方の光にした画像
照明と棚の間接照明が点き、光が暖かい色になっています。人の姿勢やソファの形、画面の寄り方も少し変わっています。出典:Sherpa Render 公式サイト

床を変えた(Different floor)画像です。

同じ部屋の床の素材を変えた画像
床が白い石の柄に変わり、人の代わりに猫が入っています。ソファ・食卓・棚の配置は同じです。出典:Sherpa Render 公式サイト

できた画像の一部だけを変え、詳細の画像をつくり、決まったら4Kにする

レンダリングしたあとも、最初からやり直さずに、できた画像から続けられます。公式サイトは、次の4つを挙げています。

機能クレジットすること
Adjust this image1時間帯・人・素材のうち1つだけを変え、ほかはそのまま残す
Detail shots4枚で2同じ画像から、素材・家具・光・小物の寄りの画像を4枚つくる
Upscale to 4K later21Kで構図を詰め、決まってから4Kに上げる
Run it again with these settings1同じ元の画像で、項目を1つだけ変えてつくり直す。版はまとめて残る

公式サイトの例では、同じ部屋の画像から、人だけを消しています。

同じ部屋から人だけを消した画像
上の昼の光の画像から、人だけを消した画像です。家具・光・素材はそのままです。出典:Sherpa Render 公式サイト

Detail shots は、1枚のレンダリングから、提案の資料を埋める寄りの画像を4枚つくる機能です。

同じ画像からつくった、素材・家具・光・小物の寄りの画像4枚
Detail shots の4枚です。素材(幅木と床と敷物)、家具(食卓)、光(窓ぎわ)、小物(棚)の寄りです。出典:Sherpa Render 公式サイトの4枚を、編集部が並べて名前を付けたもの

画像の大きさは、1K・2K・4Kの3つです。1Kと2Kは1クレジット、4Kは2クレジットです。4Kは、Proの契約から使えます。レンダリングに失敗したときは、使ったクレジットが自動で戻ります。

契約と画像の扱い

新しいアカウントは、5回まで無料でレンダリングできます。クレジットカードの登録は要らず、最初の3回は順番待ちなしで進みます。無料のクレジットは30日で切れます。その後は月ごとの契約で、Starter・Pro・Studioの3つがあります(2026年9月27日時点)。

契約1か月のクレジット書き出しの大きさブラウザの版で届くまで
Starter402Kまで1時間ほど
Pro1204Kまで。まとめてレンダリングできる5分ほど
Studio3504Kまで。まとめてレンダリングできるすぐ・優先

処理そのものは数分です。届くまでの時間の違いは、ブラウザの版で始めたレンダリングの話で、SketchUpの拡張機能から始めたものは、どの契約でもできしだい届きます。契約は月ごとにやめられ、クレジットは毎月補充されます。足りないときは、クレジットを買い足せます。

入れた画像とできた画像は、AIの学習に使われません。どちらも持ち主は利用者で、30日で自動で消されます。欧州の個人データの規則(GDPR)に沿った合意書も、頼めば用意されます。

建築の仕事では、形を検討している段階の打ち合わせで使える

Sherpa Renderが合うのは、SketchUpで形を検討している段階の打ち合わせです。最初の提案やコンペの初期案のように、形がまだ動いていて、雰囲気が伝われば足りる場面です。

SketchUpの画面から直接つくれるので、別のソフトに書き出す手間がかかりません。光や人の有無を選択肢で切り替えられるので、同じ形のまま見え方を変えた画像を、打ち合わせの前にそろえられます。Detail shots を使えば、素材や家具の寄りの画像も、同じ1枚から足せます。

一方で、公式サイトが写真のようではないと書いているとおり、最終の姿として施主に見せる画像には向きません。仕上げのパースは、これまでどおりレンダラーでつくります。AIの画像をパースの工程のどこで使うかは、建築パースで画像生成AIを使う流れ|参考画像・ラフレンダリング・仕上げの順番で解説しています。

出典

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