
Sherpa Render|SketchUpの画面からプロンプトを書かずにつくるAIレンダリング
Sherpa Render(シェルパ レンダー)は、SketchUpの画面の見え方を元にして、AIで提案用の画像をつくるサービスです。AIへの指示を文章で書く(プロンプト)代わりに、時間帯・照明・人の有無・素材を選択肢で決めます。作った会社は、仕上がりが写真のようではないとはっきり書いたうえで、設計の初めの提案や打ち合わせに向けています。
Sherpa RenderはSketchUpの画面を元にAIが画像をつくる拡張機能
Sherpa Renderは、アムステルダムのAI-brouwerijが作ったAIのレンダリングサービスです。SketchUpの拡張機能として、SketchUpの公式の配布所(Extension Warehouse)から無料で入れられます。
元にするのは、SketchUpでいま見えている画面そのものです。画像から画像をつくる生成なので、文章の指示は要りません。公式サイトのよくある質問は、Sherpa Renderを、手元にある元の画像を良くするものだと説明しています。元の画像がはっきりしているほど、元の設計だと分かる仕上がりになるとしています。
SketchUpの拡張機能とは別に、ブラウザで使う版もあります。SketchUpから書き出した画像や作業用のレンダリング(JPEG・PNG・WebP)を入れて、同じようにレンダリングします。公式サイトは、RevitとArchiCADの書き出しにも対応するとしています。
仕上がりは写真のようではなく、提案の最初の打ち合わせ向け
Sherpa Renderの画像は、写真のような仕上がり(フォトリアル)を目指していません。公式サイトには、次のように書かれています。
Not photorealistic, and it doesn’t need to be. But presentable, recognisable and ready within minutes, exactly what a pitch or client conversation needs.
写真のようではなく、その必要もない。人に見せられる質で、元の設計だと分かり、数分でできる。提案や施主との打ち合わせに要るのはそういう画像だ、という意味です。
公式サイトは、V-RayやEnscapeの代わりではないとも書いています。向けているのは、構想の段階、コンペや提案、施主への説明、社内での判断の場面です。写真のような仕上げが要る案件は、これまでどおりレンダラーか、パースの制作会社に頼む前提です。使う人として挙げているのは、インテリアデザイナー、パースの担当者がいない小さな設計事務所、作業用の画像と本格的なパースのあいだを埋めたい設計事務所です。
SketchUpにもAI Renderの機能があります。公式サイトは、2つを分けて説明しています。SketchUpのAI Renderは見た目の案を手早く試すためのもの、Sherpa Renderは施主に見せる画像のためのものです。
公式サイトには、SketchUpから書き出したキッチンの作業用の画像が載っています。

同じ画像を、Sherpa Renderでレンダリングすると、次のようになります。

SketchUpの中で画面を切り取ってレンダリングする
拡張機能を使えるのは、SketchUp 2021以降です。WindowsとMacに対応しています。ブラウザで動くSketchUp for Webは拡張機能を入れられないため、使えません。インターネットへの接続と、Sherpaの無料のアカウントが要ります。
公式の導入と使い方の手順は、次のとおりです。
- SketchUpの Window › Extension Warehouse を開き、Sherpa Render を探して Install を押します
- Extensions › Sherpa Render を開き、sherpa-render.com と同じメールアドレスとパスワードでサインインします。パネルの上に、クレジット(Sherpa Renderで画像をつくるたびに使う単位)の残りと契約が出ます
- SketchUpで、レンダリングしたい見え方にカメラを合わせます。画面の縦横の比率のまま、見えているとおりにレンダリングされます
- パネルの切り取りの枠を押します。画面は、長い辺が1600ピクセルの画像として保存されます。撮り直すときは Retake を押します
- 必要なら Straighten view で、縦の線や横の線をまっすぐにそろえます
- 設定を選びます
- Render を押します。ボタンには、使うクレジットの数が出ます。進み具合と時間が出ているあいだも、SketchUpで作業を続けられます
- できた画像を、Save as… で手元に保存します。次の画像は + New render から始めます
SketchUpの中で始めたレンダリングは、どの契約でも、できしだいすぐに届きます。できた画像は、sherpa-render.comの管理の画面にも残ります。
SketchUpの中のパネルでは、上に切り取った画面、その下に設定の項目、いちばん下に使うクレジットの数を出した Render のボタンが並びます。

パネルやメニューが見つからないときは、View › Toolbars(Windows)か View › Tool Palettes(Mac)でツールバーを表示します。それでも出ないときは、Window › Extension Manager で Sherpa Render が有効になっているかを確かめます。サインインは、SketchUpを閉じても続きます。手元に残るのは更新用の鍵だけで、パスワードは保存されません。
Straighten viewで、縦の線をまっすぐにそろえる
SketchUpでカメラを上や下に傾けると、建物の縦の線が互いに寄っていきます。公式サイトは、これが3Dの画面の写しだと分かってしまう原因で、建築の写真家は毎回直すところだと書いています。
Straighten view は、画面を切り取ったあとに出る行です。SketchUpのカメラを動かしてから、画面を撮り直します。
| ボタン | すること |
|---|---|
| Verticals | カメラを水平にし、縦の線が寄らないようにする。見ている位置は変わらない |
| Horizontals | カメラをモデルに対して正対させる。面を選んでいれば、その面に正対させる |
| Both | モデルに正対させ、同時に水平にする。立面をきれいに見せるときの基本 |
| + Center | 水平にしてから、選んだものが全部入るように向きと画角を広げる |
| Undo | 元のカメラの位置に戻す |
Straighten view はクレジットを使わず、何度でも試せます。Render を押すまで、レンダリングはされません。

プロンプトの代わりに、光・人・素材を選ぶ
Sherpa Renderでは、項目ごとに選択肢を選んで、画像の中身を決めます。項目の名前は、画面の英語のまま載せます。最初に見える設定は、次の5つです。
| 項目 | 選択肢 |
|---|---|
| Type | Exterior(外観)・Interior(室内)。どちらかで、ほかに出る項目が変わる |
| Style | Day・Sunset・Night。外観では Sketch も選べる |
| Lighting | Sunlight・Cloudy。室内で Day のときだけ出る |
| Resolution | 1K・2K・4K |
| Moodboard | 見た目の参考の画像(JPGかPNG)。室内のときだけ。入れなくてもよい |
パネルの下には、折りたたまれた Advanced settings があります。触らなければ、普通のレンダリングと同じ結果になります。何かを変えると「customised」の札が付き、Reset advanced settings で1回で元に戻せます。Advanced settings は、無料のアカウントを含むすべての契約で使えます。
| 分類 | 項目 | 選択肢 |
|---|---|---|
| Lighting | Luminosity(明るさ) | Natural・Moody・Bright・Dark |
| Lighting | Outdoor light(外の光) | Auto・Sunny・Soft・Cloudy・Night。室内では No window も選べる |
| Lighting | Colour temperature(色温度) | Neutral・Warm・Cool |
| Lighting | Artificial lights(照明) | Auto・On・Off |
| People | People(人) | No people・Female・Male・Non-binary・Group・Animal |
| People | Age(年齢) | 子どもから年配の大人まで。人を入れたときだけ出る |
| People | Appearance(見た目) | 服装や姿勢などを、300字まで自由に書く |
| Styling | Styling accessories(小物) | None、または1〜3の段階(何もない状態から、しっかり飾った状態まで) |
| Styling | Styling direction(見た目の方向) | 目指す見た目を、300字まで自由に書く |
| Visual elements | 決まった欄 | Floor(床)・Walls(壁)・Cabinets(収納)・Countertop(天板)・Furniture(家具)・Exterior(外) |
| Visual elements | 足せる欄 | Ceiling(天井)・Lighting(照明)・Rug(敷物)・Sofa・Bed・Doors など。全部で12まで |
Visual elements は、画面の中の部分ごとに、素材や見た目を自分の言葉で書く欄です。同じ設定の欄は、sherpa-render.comの管理の画面にもあります。
公式サイトは、同じSketchUpの書き出しを、同じカメラのまま、設定だけを変えた例を載せています。元にした作業用の画像は、次のものです。

昼の光で、人を1人入れた画像です。

夕方の光(Evening light)にした画像です。

床を変えた(Different floor)画像です。

できた画像の一部だけを変え、詳細の画像をつくり、決まったら4Kにする
レンダリングしたあとも、最初からやり直さずに、できた画像から続けられます。公式サイトは、次の4つを挙げています。
| 機能 | クレジット | すること |
|---|---|---|
| Adjust this image | 1 | 時間帯・人・素材のうち1つだけを変え、ほかはそのまま残す |
| Detail shots | 4枚で2 | 同じ画像から、素材・家具・光・小物の寄りの画像を4枚つくる |
| Upscale to 4K later | 2 | 1Kで構図を詰め、決まってから4Kに上げる |
| Run it again with these settings | 1 | 同じ元の画像で、項目を1つだけ変えてつくり直す。版はまとめて残る |
公式サイトの例では、同じ部屋の画像から、人だけを消しています。

Detail shots は、1枚のレンダリングから、提案の資料を埋める寄りの画像を4枚つくる機能です。

画像の大きさは、1K・2K・4Kの3つです。1Kと2Kは1クレジット、4Kは2クレジットです。4Kは、Proの契約から使えます。レンダリングに失敗したときは、使ったクレジットが自動で戻ります。
契約と画像の扱い
新しいアカウントは、5回まで無料でレンダリングできます。クレジットカードの登録は要らず、最初の3回は順番待ちなしで進みます。無料のクレジットは30日で切れます。その後は月ごとの契約で、Starter・Pro・Studioの3つがあります(2026年9月27日時点)。
| 契約 | 1か月のクレジット | 書き出しの大きさ | ブラウザの版で届くまで |
|---|---|---|---|
| Starter | 40 | 2Kまで | 1時間ほど |
| Pro | 120 | 4Kまで。まとめてレンダリングできる | 5分ほど |
| Studio | 350 | 4Kまで。まとめてレンダリングできる | すぐ・優先 |
処理そのものは数分です。届くまでの時間の違いは、ブラウザの版で始めたレンダリングの話で、SketchUpの拡張機能から始めたものは、どの契約でもできしだい届きます。契約は月ごとにやめられ、クレジットは毎月補充されます。足りないときは、クレジットを買い足せます。
入れた画像とできた画像は、AIの学習に使われません。どちらも持ち主は利用者で、30日で自動で消されます。欧州の個人データの規則(GDPR)に沿った合意書も、頼めば用意されます。
建築の仕事では、形を検討している段階の打ち合わせで使える
Sherpa Renderが合うのは、SketchUpで形を検討している段階の打ち合わせです。最初の提案やコンペの初期案のように、形がまだ動いていて、雰囲気が伝われば足りる場面です。
SketchUpの画面から直接つくれるので、別のソフトに書き出す手間がかかりません。光や人の有無を選択肢で切り替えられるので、同じ形のまま見え方を変えた画像を、打ち合わせの前にそろえられます。Detail shots を使えば、素材や家具の寄りの画像も、同じ1枚から足せます。
一方で、公式サイトが写真のようではないと書いているとおり、最終の姿として施主に見せる画像には向きません。仕上げのパースは、これまでどおりレンダラーでつくります。AIの画像をパースの工程のどこで使うかは、建築パースで画像生成AIを使う流れ|参考画像・ラフレンダリング・仕上げの順番で解説しています。
出典
- AI rendering for SketchUp and architects(Sherpa Render 公式サイト・AI-brouwerij。2026年9月27日確認)
- Sherpa Render for SketchUp: install and use(Sherpa Render 公式・AI-brouwerij。2026年9月27日確認)
- Terms & conditions(Sherpa Render 公式・AI-brouwerij。2026年3月更新。2026年9月25日確認)
- Sherpa brings ‘prompt-free’ AI rendering to SketchUp(AEC Magazine・2026年8月21日。2026年9月25日確認)
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