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3DCG · Twinmotion

Twinmotionの静止画エクスポート|画質設定とバッチ出力

編集部 読了 約15分

Twinmotionで作ったシーンを1枚の画像として書き出すとき、「どの設定できれいになるのか」「4Kと8Kのどちらで出すのか」「複数カットを1枚ずつ書き出すのが面倒」と迷いがちです。静止画の画質は、実は1つのスイッチではなく、レンダーモード・Refinement・解像度という3つの設定の組み合わせで決まります。ここを分けて考えると、設定に迷う時間はぐっと減ります。

この記事では、Twinmotion(Epic Games製の無料リアルタイムレンダラー)で静止画を書き出す基本の流れ、画質を決める3つのレバー、4K・8Kなどの高解像度出力、そして複数画像をまとめて出すバッチ出力までを解説します。もう一段フォトリアルに仕上げる高品質モードの理屈はTwinmotionのPath Tracerで高品質レンダリング|Lumenとの使い分けで解説しています。良い構図の作り方はTwinmotionのカメラ・構図・被写界深度|良い1枚の作り方に譲ります。

設定名と数値は、Epic Games公式ドキュメント(Twinmotion 2026.1・2026年7月現在)を基準にしています。

Twinmotionで静止画を書き出す基本の流れ

静止画の書き出しは「画像メディアを作る → Exportパネルで対象を選ぶ → 保存先を決めて実行」の3ステップで完結します。まずこの一連の流れを押さえると、細かい画質設定の話も迷わず読み進められます。

画像メディアを作ってビューを固定する

書き出しの前に、「どのアングルの静止画か」をメディアとして登録します。Media(メディア)ドックで画像メディアを作成すると、その瞬間のカメラ位置と画角が固定され、あとから同じ構図で何度でも書き出せるようになります。設定を変えて出し直すたびにアングルがずれる、という失敗をこれで防げます。

構図そのものの作り込み(カメラの置き方・画角・被写界深度)は、良い1枚を決める前段の話です。この部分はTwinmotionのカメラ・構図・被写界深度|良い1枚の作り方で解説しています。この記事では、構図が決まったメディアを「どう書き出すか」に絞ります。

Exportパネルから書き出す(フッター → Export → Start export)

実際にファイルとして保存する操作はフッターから始めます。フッターの Export をクリックすると Export パネルが開きます。パネル内の Image の横にある +(Plus)ボタンを押すと、作成済みの画像メディアが一覧で表示されるので、書き出したい画像を選びます。あとは Start export をクリックし、Select Folder ウィンドウで保存先フォルダを指定すれば書き出しが始まります(Exporting Media Locally in Twinmotion、2026年7月11日確認)。

書き出しには時間がかかる場合があります。とくに後述する高品質モードや高解像度では、1枚あたりの待ち時間が伸びます。

「グローバル設定」と「画像ごとの設定」の違いを押さえる

Twinmotionの書き出し設定は二層に分かれていて、ここを知らないと「1枚だけ4Kにしたい」といった要望でつまずきます。Export パネルの Image をクリックして開く設定(Format・Refinement・Motion blur など)は、選んだ全画像に共通で適用されるグローバル設定です。

一方で、Output size(解像度)や Roll angle(カメラのロール角)などは、画像サムネイルごとに個別で指定できます。つまり「形式や反射の質は全体で統一、解像度はカットごとに変える」といった使い分けができるわけです。この二層構造を頭に入れておくと、後の設定説明がすっきり理解できます。

画質を決める3つのレバー(レンダーモード・Refinement・解像度)

画質を決めるのは、たった1つのスイッチではありません。効いてくるのは「レンダーモード」「Refinement」「解像度」という3つのレバー。まず土台のレンダーモードを選び、反射を Refinement で整え、最後に解像度を上げる、という順で考えると迷いません。

レバー何が変わるか重さの目安深掘り先
レンダーモード光・反射・間接光など画質の土台Path tracerは重いPath Tracer解説記事
Refinement床・水面などの反射のリアルさHighは重いこの記事内で解説
解像度画像の精細さ(4K/8K等)上げるほど重いこの記事内で解説

土台になるレンダーモードを選ぶ(Real time / Lumen / Path tracer)

画質の大半は、どのレンダーモードで書き出すかで決まります。Real time(Standard)はビューポート(作業中の3D画面)と同等のリアルタイム描画で最速です。Lumen(Unreal Engine由来のリアルタイムGI=間接光を計算するしくみ)は反射や間接光が自然になり、動きながらでも品質が保てます。Path tracer は光を物理的に追いかける高品質モードで、フォトリアルに仕上がる代わりに書き出しに時間がかかります(Exporting Media Locally in Twinmotion、2026年7月11日確認)。

書き出し時に Real time / Lumen / Path tracer のチェックで、どのモードで出すかを選べます。決め画をフォトリアルに狙うなら Path Tracer が候補です。その品質設定の詰め方や Lumen との使い分けはTwinmotionのPath Tracerで高品質レンダリング|Lumenとの使い分けで解説しています。

Refinement で反射をきれいにする(Off / Low / Medium / High)

Refinement(リファインメント)は、反射に使うシーンの範囲を広げて反射のリアルさを上げる設定です。値は Off / Low / Medium / High の4段階で、Off だとビューポートに映っている範囲しか反射に使われません。High にするほど反射に使う範囲が広がり、磨かれた床・ガラス・水面などの映り込みが自然になります(Export Settings for Images and Panoramas、2026年7月11日確認)。

たとえばエントランスの磨き込んだ石張り床や、中庭の水盤があるシーンでは、Refinement を上げると足元や水面の映り込みが一段リアルになります。ただし公式ドキュメントには「画像へのRefinement適用はGPU負荷が高く、Twinmotionが予期せず終了することがある」と明記されています(同ページ、2026年7月11日確認)。反射がそれほど効かない室内カットまで一律 High にする必要はありません。反射面が絵の主役かどうかで段階を決めると、時間と品質のバランスを取りやすくなります。

「Max lighting」という呼び方について

古い解説記事で「Max lighting」という名前を見かけることがあります。これは一部の旧バージョンやコミュニティで使われた呼び名で、現行 Twinmotion の画像書き出し設定にそのままの項目は見当たりません(公式の設定一覧に非掲載、2026年7月11日確認)。

現行では「画質の土台=レンダーモード(Lumen / Path Tracer)」「反射=Refinement」「精細さ=解像度」の3つで考えれば十分です。もし使っているバージョンのメニュー名がこの記事と違う場合は、そのバージョンの表示ラベルを優先して読み替えてください。

高解像度で出す(4K・8K と Tiled rendering)

解像度は Output size で 2K〜16K のプリセットから選べ、さらにカスタムやタイル分割で超高解像度まで出せます。大きくするほど時間とメモリを使うため、用途に必要なサイズを見極めるのが実務のコツです。

プリセットピクセル数主な用途
2K Full HD1920 × 1080社内確認・Web掲載
4K UHD3840 × 2160プレゼン投影・クライアント提示
8K7680 × 4320大判印刷・パネル出力
16K15360 × 8640特大判・部分拡大に耐える出力

Output size(2K / 4K / 8K / 16K・カスタム)

プリセットは 2K Full HD(1920×1080)/ 4K UHD(3840×2160)/ 8K(7680×4320)/ 16K(15360×8640)の4種類で、カスタムでは最大 61440×61440 px まで指定できます(Export Settings for Images and Panoramas、2026年7月11日確認)。

用途を起点に選ぶと迷いません。Web掲載やプレゼン投影なら 4K で十分きれいに見えます。A1サイズのプレゼンボードや大判ポスターとして印刷するなら 8K 以上が安心です。ただし解像度を上げるほど書き出し時間は伸びるので、「とりあえず最大」ではなく必要なサイズを選ぶのが効率的です。

Tiled rendering で GPU メモリの壁を越える

カスタムの最大解像度である 61440×61440 px は、約64Kに相当します。この超高解像度を書き出す手段が Tiled rendering(タイル分割レンダリング)です。画面を分割して少しずつ書き出すことで、GPU メモリ(グラフィックボードの作業用メモリ)が足りずに落ちる問題を避けながら、この大きさを実現できます(同ページ、2026年7月11日確認)。既定は Off です。

8Kや16Kで書き出しが途中で失敗する、強制終了してしまう、というときにまず試したい設定です。ただし公式には、Tiled rendering を使うと画面反射(SSR=画面内の情報を使う反射)やアンビエントオクルージョン(すき間にできる陰影)、グローバルイルミネーション(間接光)などの効果が落ちる場合があると記載されています(2026年7月11日確認)。そのぶん時間もかかるため、本当に超高解像度が必要なカットに絞って使うのが現実的です。なお、書き出しに必要なPCやGPUの選び方は、この記事の範囲外とします。

保存形式を用途で選ぶ(PNG / JPG / EXR)

保存形式は3つあり、後工程に合わせて選びます。PNGは8bit RGBA・可逆圧縮(画質が劣化しない圧縮)で、透過が必要な画像や劣化させたくない画像に向きます。JPGは8bit RGB・非可逆圧縮で、ファイルが軽くメール共有やWeb掲載に便利です。EXR(OpenEXR形式)はHDR(明暗の幅を広く保持する形式)の16bit float RGBAで、あとから明るさや色を追い込むレタッチを前提にした形式です(Export Settings for Images and Panoramas、2026年7月11日確認)。

用途で分けると、PNGとEXRは RGBA(赤・緑・青+透明度)を持つため、背景を透過(アルファ付き)で書き出せます。人物や植栽を別素材として切り抜き合成したいときに向きます。JPGは透過ができないので、単体で完成した1枚を軽く共有する用途に合います。さらに Render layers を使うと、レイヤーごとや白黒のマスクとしても書き出せるため、Photoshop などでの合成にそのまま渡せます。

複数の画像を一括で書き出す(バッチ出力)

Twinmotion は Export パネルで複数の画像を選んで、一度にまとめて書き出せます。重い書き出しを1件ずつ見張らずに済むので、長い待ち時間を実作業から切り離せます。

複数画像を選んでまとめて書き出す

Export パネルで Image の + から複数の画像を選択すると、選んだ数がパネルに表示され、Start export で一括書き出しできます(Exporting Media Locally in Twinmotion、2026年7月11日確認)。選択ウィンドウにある Real time / Lumen / Path tracer の3つのチェックは、既定ですべて選択された状態になっています。そのため、不要なモードのチェックを外して書き出す対象を絞る、という操作が基本になります。

住宅案件でリビング・外観・寝室の3カットを提出する場面なら、3枚をまとめて選び、必要なモードだけ残して Start export を押せば、あとは待つだけで全カットがそろいます。なお「すべて自動で一括」というワンボタンはなく、出したい画像を毎回手動で選ぶ仕様です。ここは期待値として押さえておくと戸惑いません。

同じ画像を複数レンダーモードで出し分ける

選択ウィンドウのチェックを使うと、同じメディアを複数のモードで同時に書き出せます。たとえば確認用に軽い Real time を1枚、提出用に Path Tracer を1枚、というように出し分けられます。構図の当たりを早く確認しつつ、本番用の重い書き出しも同じバッチに入れておく、という段取りが組めます。

バッチを失敗させない運用のコツ

Path Tracer や 8K は1枚あたりの時間が長いため、枚数×モードの数だけ総時間が膨らみます。10カットを Path Tracer で回すなら、離席や夜間にまとめるのが現実的です。着席中は Real time で構図を詰め、重い書き出しは席を外すタイミングに合わせる、と分けると作業が止まりません。

保存先フォルダを案件ごとに分け、メディア名を「外観_朝」「LDK_昼」のように分かりやすく付けておくと、書き出し後の仕分けが楽になります。ファイル名はメディア名を基準に付くため、あとから探す手間が減ります。

用途別のおすすめ設定と、つまずいたときの対処

迷ったら「用途に必要な最小構成」から始めるのが安全です。確認は Real time、提示は Lumen+4K、決め画は Path Tracer+Refinement High、と用途で組み合わせを決めると失敗しにくくなります。

用途レンダーモード解像度Refinement形式
社内確認Real time2K / 4KOffJPG
クライアント提示Lumen4KMedium〜HighPNG
決め画・印刷Path Tracer8K(必要ならTiled)HighEXR

用途別のおすすめ組み合わせ

社内確認や構図チェックの段階では、Real time で 2K〜4K・JPG が身軽です。書き出しが速く、枚数を回しても待たされません。クライアント提示に進んだら Lumen で 4K、Refinement は Medium〜High、形式は PNG が扱いやすい組み合わせです。反射や間接光が自然になり、透過も残せます。

コンペの決め画や大判印刷では、Path Tracer で 8K、必要に応じて Tiled rendering を併用し、EXR で書き出してレタッチで追い込むのが定番です。編集部では、公式ドキュメントのGPU負荷に関する注意書きも踏まえ、最初から全カットを最高設定にするより、用途ごとに設定を上げ下げする進め方をすすめています。結局はこれが、速く安定した仕上がりにつながります。

きれいに出ない・書き出せないときの見直しポイント

書き出した1枚が、思ったより反射の沈んだ絵になることもあります。原因はどこにあるのでしょうか。反射が汚いと感じたら、まず Refinement を1段上げ、それでも足りなければ土台を Lumen や Path Tracer に切り替えます。Path Tracer 特有のノイズが残る場合は、品質の詰め方が別の話になるためTwinmotionのPath Tracerで高品質レンダリング|Lumenとの使い分けで解説しています。

高解像度で書き出しが落ちるときは、Tiled rendering を On にすると通ることが多いです。逆に書き出しが極端に遅いときは、解像度やモードが用途に対して過剰になっていないかを見直します。確認用の1枚まで 8K・Path Tracer にしていないか、をまずチェックすると原因が絞れます。

静止画の次の一歩|構図と別の見せ方に進む

書き出し設定を整えたら、次は「そもそも良い1枚をどう撮るか」に目を向けると仕上がりが変わります。同じシーンでも、カメラの高さや画角、被写界深度の使い方で印象は大きく変わります。この段階はTwinmotionのカメラ・構図・被写界深度|良い1枚の作り方で解説しています。

平面の静止画ではなく、空間そのものを見せたい場面もあります。内見前の物件案内やVR用途で360度の没入ビューを渡したいなら、Twinmotionのパノラマ(360)書き出し|モノ・ステレオ出力と用途が入口になります。静止画で基本を押さえた人ほど、この次の2方向で表現の幅を広げやすくなります。

静止画エクスポート設定についての編集部の見解

公式ドキュメントを読み解くと、Twinmotionの静止画エクスポートは「設定項目は多いが、押さえる勘所は少ない」構成だといえます。画質を左右するのは実質レンダーモード・Refinement・解像度の3点で、残りの項目は用途がはっきりしたときだけ触れば十分です。はじめて触る人がすべての設定を理解しようとすると手が止まりますが、この3点から入れば早く実務に乗せられます。

コスト面での不安が要らないのも、静止画エクスポートを試しやすい理由です。Twinmotion本体はEpic Gamesが無料で提供しているため、書き出しの練習に費用の心配がありません(料金や商用利用の条件はこの記事の範囲外とし、価格の詳細には触れません)。まずは軽い Real time で数カットを書き出し、慣れてから Lumen や Path Tracer に上げていく進め方が、負担なく品質を引き上げられます。

一方で、公式が明記する制約は正直に見ておきたいところです。画像へのRefinementはGPU負荷が高く強制終了の可能性があること、Tiled renderingは超高解像度と引き換えに一部の反射・陰影表現が落ちることは、いずれも公式ドキュメントに書かれています(2026年7月11日確認)。高い設定ほど安定して回るとは限らないため、決め画のときほど書き出し前にPCの負荷とプレビューを一度確かめておくと、長時間の書き出しが無駄になりにくくなります。

まとめ

Twinmotionの静止画エクスポートは、次の要点を押さえれば迷いません。

  • 書き出しは「画像メディアを作る → Exportパネルで選ぶ → 保存先を指定して実行」の3ステップで完結します。
  • 画質はレンダーモード(Real time / Lumen / Path tracer)・Refinement(Off〜High)・解像度(2K〜16K)の3つのレバーで決まります。
  • 高解像度で落ちるときは Tiled rendering、切り抜き合成には PNG / EXR の透過書き出しが有効です。
  • 複数カットは Export パネルでまとめて選び、不要なモードのチェックを外せば、離席中にまとめて書き出せます。
  • 用途に必要な最小構成から始め、確認・提示・決め画で設定を上げ下げするのが、最も速く安定します。

静止画は「書き出しの設定」で決まる部分と、「構図づくり」や「高品質化」で決まる部分に分かれます。設定を整えたら、次は自分の課題に合わせて関連する記事へ進んでみてください。