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3DCG · Lumion

Lumionで外部テクスチャをインポートして貼る方法|自作PBR素材の割り当てと継ぎ目対策

編集部 読了 約15分

Lumion(建築・土木向けのリアルタイムレンダリングソフト)には1,400種を超えるマテリアルライブラリが用意されていますが、目当ての質感がどうしても見つからない場面があります。施主支給のタイル、特定メーカーの外装材、ロゴが入った面材、あるいは自分で作った特殊な壁材。こうした素材を「Lumionに取り込んで貼りたい」という段階でつまずく人は少なくありません。外部テクスチャのインポートは、内蔵ライブラリの限界を超えるための基本操作です。

この記事では、Lumionへの外部テクスチャのインポートから、Standardマテリアルの各マップスロットへの割り当て、Map Scaleでの実寸調整、そして継ぎ目対策までを解説します。

マテリアルそのものの基礎的な調整(各スライダーの意味など)はLumionのマテリアル設定完全ガイドで解説しています。この記事は、その先の「外部素材をどう取り込んで正しく貼るか」に絞って進めます。

Lumionで外部テクスチャを使う前に知っておきたいこと

外部テクスチャは「複数の画像マップの組」で1つの質感を作ります。素材サイトからダウンロードすると1つのフォルダに何枚もの画像が入っているのは、これが理由です。まずこの前提を押さえておくと、後の割り当て手順で迷いません。

内蔵ライブラリでは足りない場面

Lumionの内蔵マテリアルは2023以降で1,468種を超えます(Lumion公式ヘルプ Materials Workflow、2026年7月3日時点)。これだけあれば一般的な建材はほぼ揃いますが、それでも埋まらない質感があります。

たとえば特定メーカーの外装パネル、施主から支給された実物タイルのスキャン画像、ロゴやサインが入った面材などです。これらは既製ライブラリには存在しないため、外部から画像を取り込むしかありません。内蔵素材で近いものを探して妥協するより、正確な質感を取り込んだほうが、パースの説得力は上がります。

PBRテクスチャの構成(Albedo・Normal・Roughness等)をかんたんに

外部テクスチャの多くはPBR(Physically Based Rendering=実際の光の反射を模して描画する方式)の形式で配布されています。PBRでは、1つの質感を1枚の画像ではなく、役割の違う複数の画像マップの組で表現します。

主なマップは次のとおりです。カラー(Albedo=素材そのものの色)、Normal(表面の凹凸の向きを表す情報)、Roughness(表面のざらつき具合)、Metalness(金属らしさの度合い)、Displacement(高さで凹凸を出す情報)などです。

素材サイトからダウンロードしたフォルダに複数の画像が入っているのは、この「マップごとに1枚」という構造のためです。ファイル名の末尾に _Color _Normal _Roughness といった識別子が付いているので、どの画像がどの役割かはファイル名から判断できます。

インポートできる画像形式と最大解像度

Lumionが読み込める画像形式は、.JPG / .PNG / .PSD / .BMP / .TGA / .TIF / .DDS で、動画なら .MP4 に対応します(Lumion公式ヘルプ Materials Workflow、2026年7月3日時点)。素材サイトの配布形式は .JPG か .PNG がほとんどなので、変換なしでそのまま使えるケースが多いです。

最大解像度は16,384×16,384pxまで対応しますが、実際にそこまで高い解像度が必要になることはまれです。公式は一般用途で2K、寄りのカットや強調したい素材で4Kを目安として示しています(同上)。高解像度のテクスチャを大量に貼るとVRAM(GPUに搭載された専用メモリ)を圧迫し、動作が重くなりやすいため、必要な面だけ4Kにする使い分けが現実的です。

外部テクスチャをインポートして貼る基本手順

外部テクスチャを貼る流れは「面を選ぶ → Standardマテリアルを当てる → Load Mapでカラー画像を読み込む」の3ステップが軸になります。ここを押さえれば、あとは追加のマップを足していくだけで質感が仕上がっていきます。

STEP 1. マテリアルモードで対象の面を選ぶ

Lumionでマテリアルモードに入ると、モデルの各面がハイライト表示されます。編集したい面をクリックすると Materials Editor(マテリアル編集画面)が開き、ダブルクリックすればそのマテリアルの設定に直行できます(Lumion公式ヘルプ Materials Workflow、2026年7月3日時点)。

Lumionのマテリアルは面(サーフェス)単位で割り当たります。同じ壁でも面が分かれていれば別々のマテリアルを当てられるので、貼りたい面を正確に選ぶことが最初の一歩になります。

STEP 2. Standardマテリアルを割り当てる

面を選んだら、New から Standard マテリアルを選び、外部テクスチャを貼るための土台を作ります。Standardマテリアルは各マップスロットに自由に画像を読み込めるため、自作・ダウンロード素材を扱うときの基本となる種類です。

内蔵ライブラリのマテリアルを選んで、その上からテクスチャを差し替える方法もあります。ただし既製マテリアルには元々の設定が残っているため、素材を一から正確に再現したいときは、まっさらな Standard から組んだほうが結果を読みやすくなります。

STEP 3. Load Mapでカラー(Albedo)テクスチャを読み込む

土台ができたら、Texture スライダーの右にある Load Map ボタンから、自作またはダウンロードしたカラー画像を読み込みます(Lumion公式ヘルプ Materials Workflow、2026年7月3日時点)。ここで読み込むのは、まずカラー(Albedo)1枚だけにしておきます。

いきなり全マップを入れると、どのマップが見た目にどう効いたのか判断しにくくなります。カラー1枚を貼って表示を確認し、位置やスケールが合ってから次のマップを足す順番にすると、手戻りが減ります。

PBRマップ(Normal・Roughness・Displacement等)を割り当てて質感を出す

カラー画像だけだと、表面がのっぺりと平らに見えてリアルさが出ません。質感の説得力は、NormalやRoughnessといった追加マップで決まります。Lumionはカラー以外の各スロットにも画像を読み込め、スライダーで効き具合を細かく調整できます。

Standardマテリアルの各マップスロット一覧

Standardマテリアルで画像を読み込めるスロットは、Texture(カラー/Albedo)、Relief(Normalマップ)、Roughness、Reflectivity、Metalness、Emissiveness、Displacement、Opacityです(Lumion公式ヘルプ Standard Material properties、2026年7月3日時点)。

どのスロットがどの見た目に効くかを、次の表にまとめました。素材サイトからダウンロードした各画像を、この対応で振り分けていきます。

スロット読み込むマップ見た目への効果
Textureカラー/Albedo素材の色そのもの
ReliefNormal凹凸の陰影を出す
RoughnessRoughnessつや消し⇔つやを制御
ReflectivityReflection反射の強さ
MetalnessMetalness金属らしさの度合い
DisplacementDisplacement高さ情報で立体感を足す
OpacityOpacity透過(抜きの表現)

出典: Lumion公式ヘルプ Standard Material properties(2026年7月3日時点)

Normal(Relief)とRoughnessの読み込みと調整

リアルさに最も効くのがNormalとRoughnessの2枚です。Relief スロットにNormalマップを入れると、実際にはフラットな面に凹凸の陰影が生まれ、レンガの目地やタイルの段差が立体的に見えます。Roughnessを入れると表面のざらつきが再現され、マットな石材からつやのある陶器まで質感を作り分けられます(Lumion公式ヘルプ Standard Material properties、2026年7月3日時点)。

各スロットにはスライダーが付いていて、効きが強すぎるときは強度を下げて整えます。Normalの凹凸がわざとらしく浮いて見えるなら、Reliefの値を弱めると自然になじみます。

なお、Normalマップには向きの規格(DirectX型とOpenGL型)があり、規格が合っていないと凹凸が逆に見える場合があります。凹んでほしいところが飛び出して見えたら、この向きの違いを疑ってみてください。向きの詳しい扱いはLumionのマテリアル設定完全ガイドで解説しています。

Displacementで立体感を足すときの注意

Displacement(高さ情報を使って実際に凹凸を作り出すマップ)は、Normalよりもさらに強い立体感を出せます。石積みの深い目地や、砂利の粒立ちなど、影だけでは表現しきれない厚みを再現できるのが強みです。

ただし効果が大きいぶん、かけすぎると面が破綻して不自然に波打つことがあります。まずは弱めの値から始めて、少しずつ上げながら様子を見る順序をおすすめします。弱めから足せば、破綻する手前のちょうどいい強さを見つけやすいからです。

スケールとタイリング|実寸で貼り継ぎ目を消す

外部テクスチャで最も失敗しやすいのが「サイズ感」と「継ぎ目」です。LumionのMap Scaleを使えばテクスチャをメートル単位の実寸で合わせられ、貼り方を工夫すれば繰り返しパターンの継ぎ目も目立たなくできます。

Map Scaleで実寸に合わせる(0=取り込みUV/1=1メートル)

Map Scaleは、テクスチャを何メートル相当の大きさで貼るかを決める値です。Map Scaleが0のときは、3Dソフト側で設定したUV(取り込んだテクスチャの配置情報)をそのまま使います。Map Scaleを0より大きくすると自動のボックスマッピングに切り替わり、値1.0でテクスチャが実寸1メートル相当になります(Lumion公式ヘルプ Standard Material properties、2026年7月3日時点)。

この仕組みがわかると、サイズ合わせは計算で決められます。たとえば1辺1mのタイル画像なら Map Scale を1.0に、300mm角のタイルなら0.3に設定すれば、実物どおりの大きさで貼れます。目分量で拡大縮小するより、実寸から逆算したほうが確実です。

Offset・回転(Heading/Pitch/Bank)で位置と向きを合わせる

貼ったテクスチャの位置や向きを微調整したいときは、UV Coordinates タブを使います。X/Y/Z Offsetで位置をずらし、Heading/Pitch/Bankで向きを回転できます(Lumion公式ヘルプ Standard Material properties、2026年7月3日時点)。木目の向きを縦から横に変えたり、目地の位置を柱の芯に合わせたりする調整に使います。

ここで1つ注意があります。Map Scaleが0(取り込みUVを使う設定)のときは、これらのOffset・回転スライダーが無効になります(同上)。位置や向きを Lumion側で調整したいなら、Map Scaleを0より大きくして自動マッピングに切り替えておく必要があります。

タイリングの継ぎ目・繰り返しパターンを目立たなくするコツ

1枚のテクスチャを広い面に貼ると、同じ模様が何度も繰り返されて継ぎ目が目立ちます。これを和らげる考え方はいくつかあります。

Map Scaleを上げて模様1つを大きくすると、面の中での繰り返し回数が減り、パターンの主張が弱まります。ただし大きくしすぎると解像度不足でぼやけるため、素材の見え方とのバランスで決めます。根本的な対策は、シームレス(上下左右のふちが自然につながるよう作られた)テクスチャを選ぶか作ることです。素材サイトの多くはシームレス加工済みで配布しています。

もう1つ、Texture Saturation(彩度)を少し下げると、繰り返しの模様が目に付きにくくなります(Lumion公式ヘルプ Standard Material properties、2026年7月3日時点)。彩度が高いと模様のコントラストが強く出て繰り返しが際立つため、少し抑えるだけで自然になじみます。

素材サイトのテクスチャを取り込むときのポイント

外部テクスチャの多くは素材配布サイトから手に入れます。ここではサイト選びそのものよりも、ダウンロードした素材を「Lumionで正しく貼るために気をつける点」に絞って整理します。

主な無料・有料の入手先

代表的な配布先には、Poly Haven(https://polyhaven.com/ )、AmbientCG(https://ambientcg.com/ )、Quixel Megascans(https://quixel.com/ )、Poliigon(https://www.poliigon.com/ )などがあります。いずれもPBRマップ一式(Color/Normal/Roughnessなど)をまとめてダウンロードできます。

各サイトの品揃えや料金の比較は、db.persc.jp の素材サイト解説にまとめています。ここではLumion側の貼り方に集中するため、入手先は名称の紹介にとどめます。

DLした複数マップをスロットへ振り分ける

ダウンロードしたフォルダには、役割ごとに分かれた画像が複数入っています。振り分けの手がかりになるのが、ファイル名の末尾です。_Color(または _Albedo _BaseColor)はTextureスロットへ、_Normal はReliefスロットへ、_Roughness はRoughnessスロットへ、_Metalness はMetalnessスロットへ、_Disp(または _Height _Displacement)はDisplacementスロットへ読み込みます。

読み込んでみて凹凸が逆に見えたら、Normalマップの向きの規格(OpenGL型かDirectX型か)を疑ってください。素材サイトによって配布する規格が異なるため、意図と反対に見えることがあります。

ライセンスと商用利用の確認

素材ごとに、利用できる条件が異なります。CC0(著作権を放棄し自由に使える扱い)の素材もあれば、商用利用に登録や表示が必要な素材もあります。案件で納品するパースに使う場合は、ダウンロード前に配布元のライセンス表記を必ず確認してください。

可否の具体的な条件はサイトや素材によって変わり、規約も更新されます。ここで「このサイトは商用可」と断定はせず、使うたびに配布元の最新の規約を確認する運用が安全です。

外部テクスチャの活用シーンと次の一歩

外部テクスチャを扱えるようになると、パース制作の対応範囲が大きく広がります。ここでは具体的な活用シーンと、質感表現をさらに伸ばすための次の一歩を挙げます。

たとえば住宅の外観パースで、施主が選んだ実物のサイディング材をスキャンして取り込めば、カタログどおりの外壁を再現できます。店舗デザインなら、ブランドロゴ入りの面材やオリジナルの壁紙をそのまま貼って、内装のイメージを正確に伝えられます。内蔵ライブラリの近い素材で代用していた場面を、実物の質感に置き換えられるのが最大の価値です。

次の一歩としては、質感の作り分けに慣れることをおすすめします。同じ「石」でも、Roughnessとreflectionの組み合わせで、つや消しの砂岩からつやのある大理石まで表情が変わります。特に扱いが難しいガラスや金属の追い込みはLumionのガラス・金属マテリアルをリアルにするコツで解説しています。マテリアルから空・光・水までを含めた環境表現の全体像はLumionのマテリアル・環境表現ガイドで見渡せます。

外部テクスチャをLumionで試してみた編集部の所感

編集部が外部テクスチャの取り込みを試してみましたので、実際に触ってみて感じたポイントを共有します。

最初につまずきやすいのは、やはりMap Scaleでした。カラー画像を貼った直後は模様が巨大に表示されたり、逆に細かすぎたりして戸惑いますが、「1.0=1メートル」の関係を理解すると一気に扱いやすくなります。素材のもとの寸法(何ミリ角のタイルか)さえ把握していれば、あとは値を入れるだけで実寸が決まる手軽さは、目分量の調整より確実だと感じました。

もう1つ実感したのは、カラー1枚から順に足していく進め方の効果です。全マップを一度に入れると、Normalの効きすぎなのかRoughnessの設定なのか、原因の切り分けが難しくなります。1枚ずつ足して都度確認する手順は遠回りに見えて、結果的に仕上がりまでが早いという印象でした。継ぎ目については、素材サイトのシームレス素材を選ぶだけで多くが解決し、Lumion側での小細工は最終調整程度で済みます。

まとめ|外部テクスチャで内蔵ライブラリの限界を超える

Lumionの外部テクスチャの取り込みは、「Load Mapで読み込む → 各マップを割り当てる → Map Scaleで実寸化して継ぎ目を整える」の3段で身につきます。内蔵ライブラリに無い質感も、この流れをつかめば自在に扱えるようになります。

要点を整理すると次のとおりです。

  • 対応形式は.JPGや.PNGなど主要な画像形式で、解像度は一般用途2K・寄りのカット4Kが目安
  • 基本は「面を選ぶ → Standardマテリアル → Load Mapでカラー読み込み」の3ステップ
  • リアルさはNormal(Relief)とRoughnessで決まり、Displacementは弱めから足す
  • Map Scaleは「1.0=1メートル」。素材の実寸から逆算して値を決める
  • 継ぎ目はシームレス素材の選択とMap Scale・彩度の調整でなじませる

マテリアルの基礎的な調整や、ガラス・金属といった個別質感の追い込みは、テーマを分けて解説しています。自分の課題に合わせて読み進めてください。