現場に伝わる図面の書き方|過不足のない図面
- 現場に伝わる図面って、何に気をつけて作図すればいいの?
- 図面どうしの食い違いを防ぐには、どうすればいいの?
- 過不足のない図面の描き方を知りたい
図面は、1枚ずつ見れば正しく作図できていても、ほかの図面と食い違うことがあります。しかし、その食い違い(不整合)は、1枚ずつ見ているだけでは気づきにくいでしょう。
この記事では、図面に求められることと、書くことと書かないことの分け方、図面どうしの食い違いの確かめ方、凡例と表記のそろえ方を解説します。
辞典によると、図面は、見る人によって解釈が分かれないよう、完全・正確・明瞭に描くものです。
国が発注する建物の工事で図面の書き方を決めた基準(以下、国の工事の基準)も、図面の間で、書く事項の重複と不整合を避けるよう求めています。
図面に求められること

辞典の製図の説明は、図面を、完全・正確・明瞭に作図するものとしています。指示どおりに作れば正しい物ができることと、寸法に誤りや読みにくい書き方があると多くの問題のもとになることも、挙げています。
この辞典の説明は、機械の製図を中心にしたものです。この記事では、一般の考え方として使っています。
令和7年の建築士の設計製図の試験では、上と下の階の食い違いなど、図面相互の重大な不整合は、不合格の理由になるものでした。
書くことと書かないことを分ける

国の工事の基準では、図面の間で、書く事項の重複と不整合を避けて作ります。工事の内容は簡潔に表し、同じ用紙に記載できるなら図面を1枚にまとめるよう図る、というのも国の工事の基準の決まりです。
国の工事には標準仕様書があり、図面や特記仕様書に書いていないことは、標準仕様書によります。国の工事の基準では、標準仕様書に決まっていることは図面に書きません。
特記する事項や、標準仕様書を打ち消す場合は、図面に書きます。国の工事の基準では、標準仕様書に無い材料や工法も、性能・構造・工法を具体的に図に示し、要るなら詳細図を作る決まりです。
解説の記事2本は、重ねて書くと分かりにくい、重なる説明は削ることも考える、と書いています。一方、平面詳細図にすべての情報を書き込むのが理想、と書く記事も1本ありました。
編集部が集めた図面では、「特記なき〜は」の文字を確かめられた図面が9件ありました。「特記の無い所はこの形にする」と、まとめて書く書き方です。
「○○参照」の文字で、ほかの図や表へ送る図面は8件でした。同じ寸法を2つの図に書いた図面も6件あり、重ねて書くかどうかは図面によって分かれます。
図面どうしの食い違いを確かめる

図面どうしの食い違いは、同じ所を2つの図面で見比べて確かめます。作図を終えたら食い違いを確かめる、と書く解説の記事が3本、変更したらほかの図面にも反映する、と書く記事が2本でした。
見本の家なら、平面図の LDK の窓の右の端の位置と、南立面図の同じ窓の右の端の位置が合っているかを確かめます。図の左の食い違っている例では、立面図の窓の右の端が、平面図より 505mm 右にずれた形です。
図面を受け取る側にも、食い違いにかかわる決まりがあります。確認の審査をする側は、申請書と、それに添えた図面などの図書が、互いに整合しているかを確かめるのが決まりです。
工事の請負の契約で使う標準の約款では、工事をする側も、図面と仕様書の食い違いを見つけたら、自分で決めずに発注者側に知らせることになっています。
凡例と表記をそろえる

図面の中の記号は、凡例でそろえます。国の工事の基準でも、決まっていない記号を使うときは、記号を定めて凡例に書く決まりです。
解説の記事では、凡例にまとめる、と書く記事が2本、仕上げの材料の名前などの表記をそろえる、と書く記事が1本でした。
集めた図面では、平面図の用紙に凡例を書いた図面が10件のうち5件でした。伏図のある木造の7件のうち6件は、伏図の用紙に凡例か材料の表を書いています。
現場に伝わる図面は食い違いを確かめて仕上げよう

現場に伝わる図面について、この記事で解説したことは、次の4つです。
- 図面に求められること
- 書くことと書かないことを分ける
- 図面どうしの食い違いを確かめる
- 凡例と表記をそろえる
図面一式を作図し終えたら、同じ窓や同じ寸法をほかの図面で見比べ、食い違いが無いかを確かめてみてください。
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