企画と基本設計での検討|ボリュームチェックとスケッチ・模型・3DCGでの案の比較
- ボリュームチェックって、何をすること?
- スタディ模型は、何のためにつくるの?
- 設計の初めに、いくつもの案をどう比べて絞るのかを知りたい
建物の設計の初めには、その土地にどれくらいの大きさの建物を建てられるかを確かめたり、建物の案をいくつか考えて絞ったりします。案はスケッチや模型で形にし、3D のモデルを使う事務所もあります。
建てられる大きさを決めるのは、建蔽率や容積率、斜線制限など多くの法規制です。いくつもの案から1つに絞るときは、何を比べて誰と決めるかを知っておくと進めやすくなります。
この記事で解説するのは、ボリュームチェックの進め方と、基本設計で案を形にする道具、案を比べて絞る方法です。建てられる大きさを確かめてから、施主と案を決めるまでの進め方が分かります。
ボリュームチェックとは

ボリュームチェックは、法規制をもとに、その土地にどれくらいの大きさの建物を建てられるかを確かめることです。「ボリューム出し」とも呼ばれます。
ボリュームチェックをするのは、土地を買う前や、企画の初めの段階です。分かるのは、建てられる延床面積の上限や、建物の高さと階数などです。
ボリュームチェックの進め方

ボリュームチェックは、敷地の条件を集めてから、建てられる大きさを出す順に進めます。進め方は、次の3つです。
- 基本の条件を確かめる
- 条例と現地を確かめる
- 延床面積と建物の形を確かめる
基本の条件を確かめる
最初に、敷地面積・用途地域・容積率・建蔽率などの基本の条件を確かめます。確かめる先は、自治体の都市計画図や、都市計画課・建築指導課などの窓口です。
都市計画図や用途地域の地図を、ホームページで公開している自治体も多くあります。
条例と現地を確かめる
建築基準法の規制に加えて、自治体の条例も確かめます。景観条例や、自治体が独自に決めた高さ制限などがあるためです。
現地で確かめるのは、敷地の形や高低差、接している道路などです。
延床面積と建物の形を確かめる
確かめた条件から、建蔽率と容積率で延床面積や階数を仮定します。延床面積の上限は、敷地面積に容積率を掛けて出します。
たとえば 100㎡ の敷地で容積率が 200% なら、延床面積は 200㎡ までです。前面道路の幅などで、使える容積率が小さくなることもあります。
そのうえで確かめるのは、高さ制限・斜線制限・日影規制などに照らした、建てられる高さと形です。斜線制限や日影規制を受けた形は、3D のソフトで立体にして確かめることもあります。
ただし、容積率をいっぱいに使う案が、いちばんよい計画とは限りません。建物をどう使いたいかは、基本設計で施主の要求として整理していきます。
基本設計で案を形にする道具

ボリュームチェックで建てられる大きさが分かれば、次は基本設計で建物の案を考える段階です。
基本設計では、まず施主の要求などの条件を、設計条件として整理します。要求があいまいなときや食い違うときは、施主に説明を求めたり、協議したりします。
そのうえで検討するのは、配置、平面と空間の構成、寸法と面積、機能と性能、主な材料や設備機器、内外の意匠などです。検討の中で、案をいくつか形にして比べます。
案を形にするときに使われるのは、次の3つです。
- スケッチ
- スタディ模型
- 3D のモデル
スケッチ
基本設計の初めには、手で描くスケッチで案を考えます。
スタディ模型
スタディ模型は、案を検討するための簡単な模型です。事務所の中でよい案を詰めてから、施主に見せる模型(プレゼン模型)をつくります。
3D のモデル
3D のモデルをつくるソフト(SketchUp や BIM のソフト)で、案を検討する事務所もあります。BIM は、建物の3次元の形と、部屋や材料などの情報をあわせて持つモデルをつくる方法です。
3D のモデル(3DCG)なら、短い時間でいくつもの案を検討できます。どのソフトを使うかは、事務所によってさまざまです。
案を比べて絞る方法

基本設計では、設計条件をもとに、いくつもの方針の案を検証しながら、設計をまとめる考え方(基本設計方針)を決めます。決めた方針を施主に説明するのも、基本設計の業務の1つです。
住宅の設計では、暮らしの中で何を優先するかを変えた、方向性の違う案をいくつか施主に見せる事務所もあります。たとえば、家事の動線を優先した案、家族の団欒を優先した案、採光と眺めを優先した案です。
施主は案を比べることで、自分たちが何を優先したいかがはっきりします。どの案をもとに進めるかを決めるのは、施主との話し合いです。
基本設計の間は、施主に作業の内容と進み具合を報告し、必要な事項について施主の意向を確かめます。絞った案は、配置図・平面図・立面図・断面図などの基本設計図書にまとめて、施主に説明します。
建てられる大きさを確かめてから案を比べて絞ろう

この記事では、建てられる大きさの確かめ方と、基本設計で案を形にする道具、案の比べ方と絞り方を解説しました。取り上げたのは、次の8つです。
- ボリュームチェック
- 基本の条件を確かめる
- 条例と現地を確かめる
- 延床面積と建物の形を確かめる
- スケッチ
- スタディ模型
- 3D のモデル
- 案を比べて絞る方法
身近な土地の用途地域と容積率を、自治体の都市計画図で確かめてみてください。
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