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3DCG · V-Ray

Render Elements(AOV)を出力して合成する|V-Rayのパス分けで後処理を柔軟に

編集部 読了 約17分

Render Elements(AOV)とは、1枚のレンダリング結果を「反射だけ」「影だけ」のように要素別のレイヤーに分けて書き出すしくみです。分けて出しておくと、あとから反射だけ弱めたり、影だけ濃くしたりといった調整を、再レンダリングなしでできるようになります。レンダリングし終わった画を、もう一度回すことなく細かく追い込みたい建築パース制作者に向けた機能です。

この記事では、まず書き出すべき主要なパスの選び方を整理し、それをマルチチャンネルEXRという形式でまとめて出す方法、After EffectsやPhotoshopでの合成の流れ、そしてCryptomatteでオブジェクトごとのマスクを作る手順までをまとめました。

数値や手順はChaos公式のドキュメントとチュートリアル(documentation.chaos.com / blog.chaos.com、2026年7月現在)を基準にしています。

読み終えるころには、「レンダリングし直さずに、この部分だけ直したい」という要望に自分の手で応えられるようになっているはずです。

Render Elements(AOV)でできること|パス分けが後処理を柔軟にする理由

Render Elementsは、1枚の絵を「光の成分ごと」「情報の種類ごと」に分割して書き出すしくみです。これがあると、完成画を丸ごと作り直さなくても、レイヤー単位で部分的な補正ができるようになります。

建築パースは「もう少し反射を落として」「奥をぼかして」といった微調整が案件の最後に必ず入ります。そのたびにレンダリングし直していては時間が足りません。パス分けは、その時間を大きく削るための下ごしらえです。

AOVは1回のレンダリングで複数の情報を得るしくみ

AOVは「Arbitrary Output Variable(任意出力変数)」の略で、Render Elementsとほぼ同じ意味で使われる言葉です。ひとことで言えば、1回のレンダリングで最終画のほかに、反射・影・奥行きといった追加情報のレイヤーを同時に受け取るしくみです。

ここで大事なのは、追加のレンダリング時間がほとんどかからない点です。V-Rayは最終画を計算する過程で反射や光の量をすでに求めています。その途中の値をレイヤーとして取り出すだけなので、パスを増やしても計算し直しにはなりません。だから「とりあえず主要パスは出しておく」という運用が現実的になります。

なぜパスを分けて書き出すのか

パスを分ける最大の理由は、後処理の修正を再レンダリングなしで済ませられることです。完成画が1枚のJPEGだけだと、反射を弱めたいときにV-Rayに戻ってレンダリングし直すしかありません。

反射を別レイヤーで持っておけば、合成ソフトでそのレイヤーの不透明度を下げるだけで済みます。数秒の操作です。レンダリングに10分かかるシーンなら、この差は制作全体で見ると大きな時間になります。「あとで直せる」という安心感があるぶん、レンダリング自体を思い切って回せるようにもなります。

beautyパスとutilityパスの2系統がある

Render Elementsは、大きくbeautyパスとutilityパスの2系統に分かれます。この違いを最初に押さえると、どのパスを出すべきかの見当がつきます。

beautyパス(光の成分パス)は、足したり掛けたりすると元の完成画(ビューティー)を組み直せる光の情報です。ディフューズ・反射・屈折などがこれにあたります。一方のutilityパス(情報パス)は、それ単体では絵になりませんが、後処理の下地やマスクとして使う情報です。奥行きを記録したZ深度や、オブジェクトごとのマスクがこれにあたります。

書き出すべき主要beautyパス|ビューティーを再構築する光の成分

beautyパスは、合成ソフトで足し引きすると最終画を組み直せる光の成分です。建築パースの後処理なら、最低限そろえておきたいのは光の量・素材の色・反射・ハイライト・屈折の系統です。

これらを分けて持っておくと、「壁の明るさはそのまま、窓の反射だけ落とす」といった調整がレイヤー単位で効きます。

Diffuse と Raw Total Light で面の明るさが決まる

面の明るさを組み立てる土台がDiffuse(素材そのものの色)とRaw Total Light(その面に当たっている光の量)です。この2つを掛け合わせると、陰影のついた面ができあがります。

Chaos公式のSketchUp向けチュートリアルでも、ビューティーを組み直す出発点として、DiffuseをRaw Total Lightに掛ける(乗算する)手順が示されています(How to use Cryptomatte Render Elements in V-Ray for SketchUp、2026年7月現在)。素材の色と光の量を別々に持てるので、たとえば「壁紙の色はそのままに、当たっている光量だけ少し上げる」といった調整ができます。

Reflection・Refraction・Specular で映り込みを調整する

Reflection(反射)、Refraction(屈折)、Specular(ハイライト)は、ガラス・金属・水面の見え方を担うパスです。建築パースで調整依頼がいちばん多いのがこのあたりです。

たとえば大きな窓ガラスの映り込みが強すぎるとき。Reflectionを別レイヤーで持っていれば、そのレイヤーの不透明度を下げるだけで反射を弱められます。金属手すりのハイライトが飛びすぎているならSpecularを、水面や透明素材の見え方を追い込むならRefractionを、それぞれ単独でいじれます。ガラスの多い建築案件では、この3パスがあるだけで後処理の自由度が大きく変わります。

GI・Lighting・Self Illumination・Atmosphere で空気感を追い込む

さらに細かく分けたいなら、GI(間接光)・Lighting(直接光)・Self Illumination(発光)・Atmosphere(大気・空気感)といったパスもあります。これらは空気遠近や間接光のニュアンスを後から追い込みたいときに効いてきます。

たとえば夕景で室内の間接光をもう少し暖かく見せたいとき、GIパスの色味だけを調整すれば、直接光やハイライトを崩さずにトーンを動かせます。ただし出すパスが増えるほどファイルは重くなります。すべてを出す必要はなく、案件で調整が入りそうな成分を選んで書き出すのが現実的です。

主要なbeautyパスを表にまとめると、次のようになります。

パス名何が入っているか建築パースでの使いどころ
Diffuse素材そのものの色素材の色味だけを調整
Raw Total Light面に当たっている光の量明るさ全体を持ち上げる/落とす
Reflection反射(映り込み)窓ガラス・金属の反射を弱める
Refraction屈折(透明素材の見え方)ガラス・水面の透け方を調整
Specularハイライト飛びすぎたハイライトを抑える
GI間接光間接光の色味・強さを追い込む
Atmosphere大気・空気感空気遠近や霧のトーンを調整

書き出すべき主要utilityパス|合成の下ごしらえになる情報

utilityパスは、それ単体では絵になりませんが、後処理の判断材料やマスクになる情報です。代表格は奥行きを記録するZ深度、面の向きを記録する法線、そしてオブジェクトを区別するIDです。

これらは「見せるための絵」ではなく「合成を助けるためのデータ」だと考えると位置づけがはっきりします。

VRayZDepth で奥行きの情報を持たせる

VRayZDepthは、カメラからの距離をグレースケール(白黒の濃淡)で記録するパスです。手前が黒、奥が白といった具合に、距離が明るさに置き換わって書き出されます。

これが役立つのは、後処理で被写界深度のボケや大気の霧を足したいときです。奥行き情報があれば、合成ソフト側で「奥ほど強くぼかす」「奥ほど霧を濃くする」という処理を、Z深度をマスクにして自動的にかけられます。レンダリング時にボケを焼き込んでしまうと後から強さを変えられませんが、Z深度で持っておけば後処理でボケ量を自由に決められます。

Normals と VRayExtraTex で面の情報を補う

Normals(法線)は、それぞれの面がどちらを向いているかを色で記録するパスです。面の向きが分かると、合成ソフト側でライティングを微調整したり、特定の向きの面だけを狙って補正したりできます。

VRayExtraTexは、任意のテクスチャやアンビエントオクルージョン(物体の隙間や接地部にできる陰)を別レイヤーで焼き出すためのパスです。接地部の陰影を後処理で少し足すと、家具や什器が床にしっかり乗っている感じが出ます。どちらも「なくても絵は成立するが、あると仕上げの精度が上がる」種類のパスです。

Material ID・Object ID・MultiMatte でマスクを作る

Material ID・Object ID・MultiMatteは、マテリアルごと・オブジェクトごとに色分けされたベタ塗りのマスクを作るパスです。たとえば「赤い面が家具、緑の面が壁」といった具合に色で区別されるので、合成ソフトでその色を選べば対象だけを選択できます。

これは次に説明するCryptomatteの前身にあたる手法です。手軽ですが、対象が増えると設定するIDの数も増えて管理が煩雑になります。オブジェクトが多い建築パースでは、後述のCryptomatteのほうが扱いやすい場面が増えます。

EXRで書き出す|複数パスを1ファイルにまとめる設定

複数のパスをまとめて扱うなら、書き出し形式はマルチチャンネルEXR(複数のレイヤーを1つのファイルに格納できる画像形式)が基本です。パスごとにファイルがバラバラにならず、合成ソフトで1つのファイルを開けば全レイヤーが取り出せます。

書き出しの前に、どの形式で・どのモードで出すかを決めておくと、あとで開けないといった手戻りを防げます。

なぜマルチチャンネルEXRなのか

パスをたくさん出すと、JPEGやPNGでは1パスにつき1ファイルになり、フォルダがすぐ画像だらけになります。マルチチャンネルEXRなら、Diffuseも反射もZ深度も、Cryptomatteも、すべて1つのEXRファイルの中にレイヤーとして収まります。

管理が楽になるだけでなく、EXRは明るさの情報を広い範囲で保持できる形式です。真っ白に飛んだように見える部分にも、実は明るさのデータが残っているので、後処理で露出を下げると白飛びの中から情報が戻ってきます。JPEGでは失われてしまうこの余力が、後処理の自由度を支えています。

Bucketサンプラーで書き出して保存する

Cryptomatteを含むパスを正しく書き出すときは、Bucket(バケット)Image Samplerでレンダリングします。Chaos公式チュートリアルでは、InteractiveモードとProgressiveモードを切ってBucketモードでレンダリングし、その結果を.exrファイルとして保存する手順が示されています(Chaos公式チュートリアル、2026年7月現在)。

Bucketモードは画面を四角いタイル状に区切って順に計算していく方式で、Cryptomatteのようにピクセル単位の正確なマスク情報を出すのに向いています。書き出したEXRには、追加したすべてのRender Elementsが含まれます。

ホストソフトごとの立ち上げは前提としておく

Render Elementsの追加場所は、V-Rayを動かしているホストソフト(SketchUp・Rhino・3ds Maxなど)によって少しずつ違います。SketchUpならAsset EditorのRender Elementsアイコンを右クリックして追加、3ds MaxならRender SetupウィンドウのRender Elementsタブから追加、という具合です。

この記事はパスの選び方と合成の考え方に絞っています。ホストごとの初期設定や立ち上げ方については、お使いのソフトの導入手順を先に済ませたうえで読み進めてください。パスの選び方と合成の流れ自体は、どのホストでも共通です。

Cryptomatteでオブジェクト別マスクを作る|部分補正の下ごしらえ

Cryptomatteは、オブジェクトやマテリアルごとのマスクを自動生成するしくみです。従来のように手作業でIDマットを何十枚も設定しなくても、対象を選ぶだけでマスクが取り出せます。オブジェクトの多い建築パースで、部分補正の下ごしらえがぐっと楽になります。

ここが、この記事でいちばん覚えて帰ってほしいところです。

Cryptomatteでできること

Cryptomatteは、Psyop社が開発したマット(マスク)の符号化方式です。3〜5本の自動生成チャンネルをマルチチャンネルOpenEXRファイルに格納することで、多数のオブジェクトのマスクを効率よく持たせられます(Chaos公式ブログ、2026年7月現在)。

従来のMultiMatteだと、対象を区別するために手作業でIDを割り振り、対象が増えるほど設定も増えていきました。Cryptomatteはこの手間を肩代わりしてくれます。「あとで家具ごとに色を変えたくなるかもしれない」という段階で、とりあえずCryptomatteを1つ足しておけば、対象別のマスクが自動でそろうわけです。

ID Type(マテリアル/オブジェクト/レイヤー)の選び方

Cryptomatteを追加したら、ID Typeを選びます。Chaos公式チュートリアルでは、SketchUp向けにMaterials(マテリアル)・Objects(オブジェクト)・Layers(レイヤー)から選べると示されています(Chaos公式ブログ、2026年7月現在)。

どれを選ぶかは、何を単位にマスクを分けたいかで決めます。家具や建具ごとに補正したいならObjectsが扱いやすいでしょう。同じ木材マテリアルを使っている面をまとめて調整したいならMaterialsが向きます。建築パースで「このソファだけ色を変えたい」という要望が多いなら、まずObjectsで試すのがおすすめです。オブジェクト単位でマスクが分かれるので、家具1点ずつを狙い撃ちできるからです。

追加すべきパスとレンダリング

Cryptomatteだけを出しても、それはマスクの情報にすぎません。合成でビューティーも組み直したいなら、Cryptomatteに加えてRaw Total Light・Diffuse・Reflection・Specular・Refractionの5要素を一緒に書き出しておきます。Chaos公式チュートリアルでも、この5要素で最終画を組み直せると示されています(Chaos公式ブログ、2026年7月現在)。

あとはBucketモードでレンダリングして、結果をEXRとして保存すれば準備完了です。この1つのEXRに、ビューティーを組み直す光の成分と、オブジェクト別に選ぶためのマスクがすべて入っている状態になります。

外部ソフトで合成する|After Effects・Photoshop・Nukeでの流れ

書き出したEXRは、合成ソフトで開いてレイヤーを足し引きすることで最終画に仕上げます。基本の考え方はどのソフトでも同じで、光の成分を組み直し、必要な部分をマスクで狙って補正します。

ここでは代表的なPhotoshop・After Effects・Nukeでの流れを見ていきます。

ビューティーを組み直す

合成の出発点は、分けて出した光の成分を元の完成画に組み直すことです。Chaos公式チュートリアルの手順では、DiffuseレイヤーをRaw Total Lightに対してMultiply(乗算)で重ね、その上にReflection・Specular・RefractionをLinear Dodge(加算)で足していくと、元のビューティーが再構築できるとされています(Chaos公式ブログ、2026年7月現在)。

乗算で「素材の色×光の量」を作り、加算で「反射やハイライトを足す」という順番です。組み直したうえで、たとえばReflectionレイヤーの不透明度だけを下げれば、ほかを崩さずに反射だけを弱められます。これが、パス分けの一番の恩恵を受ける瞬間です。

Photoshopで合成する

PhotoshopでEXRを扱うには、無料のEXR-IOプラグインを入れると、マルチチャンネルEXRをレイヤーごとに開けるようになります。Chaos公式チュートリアルでもこの方法が紹介されています(Chaos公式ブログ、2026年7月現在)。

開くと、Cryptomatteはマテリアルごと(あるいはオブジェクトごと)のレイヤーに展開されます。特定の対象を選びたいときは、そのレイヤーのサムネイルをCtrlキーを押しながらクリックすると、その部分だけの選択範囲が作れます。あとはその選択範囲をマスクにして、色調補正レイヤーをかければ、対象だけをピンポイントで補正できます。「このソファだけ少し暗く」といった調整が数クリックで終わります。

After Effects・Nuke・Fusionで合成する

Cryptomatteは特定ソフト専用ではなく、複数の合成ソフトで共通に読める仕様として設計されています。そのため、After Effectsなら対応するエフェクト、NukeやFusionなら専用ノードを使って、画面上でマスクにしたい対象をクリックするだけで選択範囲を抜き出せます。

NukeやFusionはコンポジット専用ソフトなので、Cryptomatteの扱いは標準的な作業として組み込まれています。動画やアニメーションで昼夜バリエーションを量産するような案件では、こうした専用ソフトのほうがレイヤー管理も含めて効率的です。静止画1枚の建築パースならPhotoshop、動きのある案件やパスの多い案件ならNuke/Fusion、というように案件の性質で使い分けると迷いません。

Render Elementsを編集部が使ってみました

建築パースの実制作でRender Elementsがどう効くかを、編集部の所感としてまとめます。ここは公式手順そのものではなく、実務の場面に引きつけた見立てとして読んでください。

パス分けは「保険」に近い感覚があり、出しておくと最後の詰めで効いてくる、というのが編集部の実制作での印象です。

反射の強すぎるガラスを再レンダリングなしで落とせた

編集部の制作では、大きな窓のあるオフィス外観で、空の映り込みが強く出すぎて中が見えなくなる場面がよくあります。Reflectionパスを別に出しておくと、合成ソフトでそのレイヤーの不透明度を下げるだけで反射を弱められました。

もしパスを分けていなければ、シーンに戻って反射の設定を変え、10分以上かけてレンダリングし直すことになります。パスを分けておいたおかげで、この修正は1分もかからずに終わりました。クライアントの目の前で「もう少し中が見えるように」と言われても、その場で調整して見せられます。

Z深度で夕景の大気感を後から足せた

もうひとつよくあるのが、夕景の外観パースで奥行きの空気感を足したい場面です。VRayZDepthを出しておくと、そのグレースケール情報を霧のマスクとして使い、奥のビルほど淡く霞ませる処理を後処理で加えられました。

レンダリング段階で霧を焼き込んでしまうと、あとから「もう少し薄く」と言われたときに戻れません。Z深度をマスクとして持っておいたことで、霧の濃さを合成ソフト側でスライダー1つ分の感覚で調整できました。この柔軟さは、修正の多い案件ほどありがたく感じます。

応用シーン・次の一歩

パス分け合成に慣れてくると、単なる修正だけでなく、非破壊での色調整や案件バリエーションの量産にも応用できます。1回のレンダリングを何通りにも展開できるようになると、制作の幅が広がります。

活用シーン|昼夜バリエーションや素材違いの提案

Lightingパスを分けて持っておくと、光の当て方を差し替えて昼と夜のバリエーションを作りやすくなります。間接光や発光のパスを調整すれば、同じ構図のまま時間帯違いの提案を用意できます。

素材違いの提案も同じ考え方です。Cryptomatteで壁のマテリアルを選び、Reflectionの効き具合を変えれば、「マットな塗り壁」と「艶のあるタイル」といった素材違いの見せ方を、1枚のレンダリングから展開できます。提案の枚数を増やしても、レンダリング時間はほとんど増えません。

次の一歩|VFBの後処理やLens Effectsとの合わせ技

Render Elementsで外部合成に持っていく前に、V-Ray内のVFB(V-Ray Frame Buffer)で色補正まで仕上げてしまう方法もあります。外部ソフトを開かずに完結させたい場合は、VFBで仕上げ補正をする|Layer Compositorと色補正で画を追い込むで、V-Ray内での後処理の流れを解説しています。

光の滲みを加えて写実感を高めたいなら、Lens Effectsでブルーム・グレアを加える|光の滲みで写実感を高めると組み合わせると効果的です。Cryptomatteやマスクづくりをもっと深く知りたい場合は、Cryptomatte・マスクでオブジェクト別に調整する|部分補正の下ごしらえで専用に掘り下げています。

まとめ

Render Elements(AOV)は、1枚のレンダリング結果を要素別のレイヤーに分けて書き出すしくみです。分けて出しておけば、反射を弱める・奥をぼかすといった調整を、再レンダリングなしでレイヤー単位にかけられます。

書き出すパスは、足し引きで完成画を組み直せるbeautyパス(Diffuse・Raw Total Light・Reflection・Refraction・Specularなど)と、合成の下地やマスクになるutilityパス(VRayZDepth・Normals・各種IDなど)の2系統で考えると整理しやすくなります。複数のパスはマルチチャンネルEXRにまとめて書き出せば、1ファイルで外部ソフトに渡せます。

Cryptomatteを1つ足しておけば、オブジェクトやマテリアルごとのマスクが自動でそろい、手作業のIDマットが要らなくなります。合成はDiffuseとRaw Total Lightの乗算に、反射系を加算で重ねるビューティー再構築が基本で、この考え方はPhotoshopでもAfter EffectsでもNukeでも変わりません。

パス分けは最初こそ手間に感じますが、修正の多い建築パース案件ほど効いてきます。次の1枚から、主要パスとCryptomatteを一緒に書き出す習慣をつけてみてください。