サンプラーとステップ数|ノイズの取り方と回数
- 画像生成AIのサンプラーって何?
- ステップ数は多いほどいいの?
- サンプラーとステップ数の違いを知りたい
ステップ数は、多いほど画像がきれいになると思うかもしれません。しかし、回数を増やすほど時間がかかり、質が十分になる回数も画像生成AIのモデルによってさまざまです。
この記事では、サンプラー・スケジューラ・ステップ数の3つの設定の意味を解説します。それぞれだけを変えた作例で、仕上がりがどう変わるかも分かります。
サンプラーとスケジューラはノイズの取り除き方を、ステップ数は取り除く回数を決める設定です。
サンプラーとステップ数とは

サンプラーとは、画像生成AIがノイズを取り除くときの計算の方式のことです。音楽の機材のサンプラーとは、同じ名前の別のものです。
Stable Diffusion などが使う拡散モデルは、ノイズ(でたらめな点のざらつき)だけの状態から、少しずつノイズを取り除いて画像を作ります。
ノイズを1回取り除くときの計算のしかたを決めるのが、サンプラーです。
スケジューラは、どの回にどれだけノイズを取り除くかの割り振りを決めます。各回の量はスケジューラ、その回の計算のしかたはサンプラー、という分担です。
ステップ数は、ノイズを取り除く処理をくり返す回数です。
画像生成AIを動かすソフトの ComfyUI では、KSampler という部品に、サンプラー・スケジューラ・ステップ数が別々の欄として並びます。
ただし、Hugging Face の Diffusers(画像生成AIを動かすプログラムの部品集)では、サンプラーとスケジューラをまとめて scheduler と呼びます。
Diffusers の説明の scheduler は、サンプラーも含むと読み替えてください。
ステップ数で変わること

ステップ数を増やすほど、画像の細部は細かくなるが、時間がかかります。ComfyUI の KSampler の説明にも、ステップ数を増やすと細部まで描かれ、生成が遅くなるとあります。
上の画像は、画像生成AIのモデルの Stable Diffusion 1.5 で、サンプラー euler・スケジューラ normal・シード(初めのノイズを決める数)をそろえ、ステップ数だけを変えた4枚です。
この試しでは、5回はぼやけて形が単純で、10回で窓や植栽まで描かれました。30回では、10回から2階の箱や窓、植え込みの形が変わり、細部が増えています。
30回と50回は大枠が同じで、細部だけが少しずつ違いました。
Hugging Face の解説では、Stable Diffusion の最初の版を PNDM というサンプラーで動かした例で、15回では質が大きく落ち、50回でたいてい足りると書かれています。
サンプラーやモデルが違えば、足りる回数も変わります。
ComfyUI 0.37.0 の KSampler では、ステップ数の既定の値は20回でした。
目安の回数は、モデル(Stable Diffusion 3.5 などの、学習を済ませた個々の画像生成AI)によって大きく違います。
開発元の例は、Stable Diffusion 3.5 Large が28回、FLUX.1 [dev] が50回です(2026年10月時点)。
FLUX.1 [schnell] は4回で、少ない回数で作れるように学習したモデルです。
サンプラーとスケジューラで変わること

サンプラーを変えると仕上がりと速さが、スケジューラを変えると各回に取り除く量が変わります。上の画像の名前は、サンプラー・スケジューラの順に書いています。
変わることは、次の3つです。
- サンプラーで仕上がりと速さが変わる
- 少ない回数で済むサンプラーがある
- スケジューラで各回の取り除く量が変わる
サンプラーで仕上がりと速さが変わる
ComfyUI の KSampler の説明では、サンプラーの種類によって、生成の速さ・画風・質が変わるとされています。ComfyUI 0.37.0 では、サンプラーを45種類から選べます。
上の画像の「euler・normal」と「ddim・normal」は、10回ではほとんど同じ絵になりました。
「dpmpp_2m・normal」は、「euler・normal」と比べて大枠は同じで、窓の枠や植栽の細部が多く、くっきりしています。
少ない回数で済むサンプラーがある
少ない回数で済むように考えられたサンプラーの例が、DDIM です。
DDIM の論文では、DDPM(拡散モデルが注目されるきっかけになった方式)に比べて、10〜50倍速く質の高い画像を作れると書かれています。
回数を減らせば、時間も短くなります。ただし、何回で足りるかはモデルで違い、サンプラーによっても変わるので、回数を減らしたら出た画像を確かめてください。
スケジューラで各回の取り除く量が変わる
スケジューラを替えると、ステップ数が同じでも、どの回に多く取り除くかが変わります。ComfyUI 0.37.0 では、normal・karras など9種類から選べます。
上の画像の「euler・karras」は、サンプラーを euler のまま、スケジューラを karras に替えた結果です。
この試しでは、「euler・normal」と大枠は同じで、手前や木が白っぽくなるなど細部が違っていました。
サンプラーとステップ数を1つずつ変えて仕上がりを比べよう

サンプラー・スケジューラ・ステップ数は、ノイズの取り除き方と回数を決める3つの設定です。この記事で解説したことは、次の4つです。
- ステップ数を増やすほど細かくなるが、時間がかかる。目安の回数はモデルで違う
- サンプラーで仕上がりと速さが変わる
- 少ない回数で済むサンプラーがある
- スケジューラで各回の取り除く量が変わる
ほかの設定をそろえたまま、ステップ数・サンプラー・スケジューラのうち1つだけを変えて、出た画像を見比べてみてください。
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この記事について
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