RAG|資料を検索して答える仕組み
- RAGって何?
- RAG(検索拡張生成)は、どんな仕組みでAIに答えさせるの?
- 社内の資料をAIに読ませて答えさせるときの気をつけ方を知りたい
社内の資料をもとにAIに答えさせるには、資料をAIに学習させる必要があると思うかもしれません。しかし、RAGは資料を学習させないまま、答えに使えるのです。
この記事では、RAGの仕組みと、資料をモデルに追加で学習させるファインチューニングとの違いを解説します。資料を読ませたAIの答えで、何に気をつければよいかも分かります。
RAGは、問いに合う資料を探し、その資料をもとにAIに答えさせる仕組みです。
RAGとは

RAG(検索拡張生成)とは、資料を前もってデータベースに入れておき、問いに合う部分を探して大規模言語モデル(AIの中で文章を作るモデル)に参照させ、それをもとに答えさせる手法です。
英語の Retrieval-Augmented Generation を略した語で、「ラグ」と読みます。
データベースは、情報を探しやすく整理して入れておく所です。入れておく資料には、社内のマニュアルや、よくある質問と答えのような、組織だけが持つ情報も使えます。
Claudeで過去の会話を探す機能(chat search)も、中で使われているのはRAGです(2026年10月時点)。
学習で持つ知識と会話で渡した内容だけで答える場合と違い、RAGでは、モデルが学習していない内容でも資料をもとに答えられます。
RAGの仕組み

RAGで答えができるまでの流れは、次の3つです。
- 問いに合う資料を探す
- 見つけた資料を問いに足す
- 資料をもとに答えを作る
問いに合う資料を探す
問いが送られると、まず問いに関係する資料を探します。探すのは大規模言語モデルとは限らず、モデルの外にある検索の仕組みのこともあるのです。
探す先は、前もって資料を入れておいたデータベースや、Webです。
見つけた資料を問いに足す
見つけた資料は、元の問いに付け加えて、大規模言語モデルに渡します。足した資料が入るのは、会話に貼り付けた資料と同じく、AIが一度に扱える文章の範囲(コンテキストウィンドウ)です。
会話に貼り付ける場合との違いは、問いに合う部分を、仕組みが問いのたびに探して足す所です。
資料をもとに答えを作る
大規模言語モデルは、足された資料をもとに答えを作ります。そのため、学習していない社内の資料の中身も、答えに生かせるわけです。
使った資料への引用や参照を、答えに付ける仕組みもあります。その場合は、元の資料を開いて中身を確かめられます。
RAGとファインチューニングの違い

RAGとファインチューニングは、どちらも、モデルが学習していない情報を答えに使うための方法です。2つの違いは、資料をモデルに学習させるかどうかにあります。
ファインチューニングは、学習済みのモデルに新しいデータを追加で学習させ、分野や用途に合わせることです。学習し直すたびに、多くの計算と費用がかかります。
新しい資料を答えにどう使うかで2つを比べると、次の表のとおりです。
| ファインチューニング | RAG | |
|---|---|---|
| 資料の使い方 | モデルに追加で学習させる | 問いのたびに探して、問いに足す |
| 新しい資料を答えに使うには | モデルを学習し直す | 入れておく資料を新しくする |
表のとおり、RAGは資料を新しくすれば、学習し直さずに答えに反映できます。中身が変わっていく資料を答えに使うなら、RAGが向いています。
RAGで気をつけること

RAGを使っても、AIの答えがいつも正しくなるわけではありません。気をつけることは、次の3つです。
- 誤った答えは無くならない
- 資料の質で答えが左右される
- 答えが似通うことがある
誤った答えは無くならない
RAGは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)を減らすと期待されていますが、無くせるわけではありません。資料をもとにしても、答えの文章を作るのは大規模言語モデルだからです。
資料の質で答えが左右される
RAGの答えのよしあしを左右するのは、入れておく資料の質と、問いに合う資料を探し出せるかどうかです。資料が古かったり問いに合っていなかったりすれば、答えもそれに引きずられます。
答えが似通うことがある
RAGを使うと、AIの答えが同じような内容に寄っていくことがあります。そのため、多様さや独創性が要る仕事には、RAGが向かない場合もあるのです。
資料を整えてRAGの答えを確かめよう

RAGは、問いに合う資料を探し、その資料をもとに大規模言語モデルに答えさせる仕組みです。使うときに気をつけることは、次の3つです。
- 誤った答えは無くならない
- 資料の質で答えが左右される
- 答えが似通うことがある
入れておく資料は新しく正しいものにしておき、答えはもとの資料で確かめてみてください。
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