1. RAG|資料を検索して答える仕組み

RAG|資料を検索して答える仕組み

編集部 読了 約5分

  • RAGって何?
  • RAG(検索拡張生成)は、どんな仕組みでAIに答えさせるの?
  • 社内の資料をAIに読ませて答えさせるときの気をつけ方を知りたい

社内の資料をもとにAIに答えさせるには、資料をAIに学習させる必要があると思うかもしれません。しかし、RAGは資料を学習させないまま、答えに使えるのです。

この記事では、RAGの仕組みと、資料をモデルに追加で学習させるファインチューニングとの違いを解説します。資料を読ませたAIの答えで、何に気をつければよいかも分かります。

RAGは、問いに合う資料を探し、その資料をもとにAIに答えさせる仕組みです。

RAGとは

RAGを使わないAIは学習で持つ知識と会話から答え、RAGを使うAIは探した資料も使って答えることを並べた図
RAGを使うと、前もって入れておいた資料から探した部分も、答えのもとになる

RAG(検索拡張生成)とは、資料を前もってデータベースに入れておき、問いに合う部分を探して大規模言語モデル(AIの中で文章を作るモデル)に参照させ、それをもとに答えさせる手法です。

英語の Retrieval-Augmented Generation を略した語で、「ラグ」と読みます。

データベースは、情報を探しやすく整理して入れておく所です。入れておく資料には、社内のマニュアルや、よくある質問と答えのような、組織だけが持つ情報も使えます。

Claudeで過去の会話を探す機能(chat search)も、中で使われているのはRAGです(2026年10月時点)。

学習で持つ知識と会話で渡した内容だけで答える場合と違い、RAGでは、モデルが学習していない内容でも資料をもとに答えられます。

RAGの仕組み

問いに合う資料を探す、見つけた資料を問いに足す、資料をもとに答えを作る、の3つの段の図
問いのたびに、問いに合う資料を探して問いに足し、その資料をもとに答えを作る

RAGで答えができるまでの流れは、次の3つです。

  • 問いに合う資料を探す
  • 見つけた資料を問いに足す
  • 資料をもとに答えを作る

問いに合う資料を探す

問いが送られると、まず問いに関係する資料を探します。探すのは大規模言語モデルとは限らず、モデルの外にある検索の仕組みのこともあるのです。

探す先は、前もって資料を入れておいたデータベースや、Webです。

見つけた資料を問いに足す

見つけた資料は、元の問いに付け加えて、大規模言語モデルに渡します。足した資料が入るのは、会話に貼り付けた資料と同じく、AIが一度に扱える文章の範囲(コンテキストウィンドウ)です。

会話に貼り付ける場合との違いは、問いに合う部分を、仕組みが問いのたびに探して足す所です。

資料をもとに答えを作る

大規模言語モデルは、足された資料をもとに答えを作ります。そのため、学習していない社内の資料の中身も、答えに生かせるわけです。

使った資料への引用や参照を、答えに付ける仕組みもあります。その場合は、元の資料を開いて中身を確かめられます。

RAGとファインチューニングの違い

資料をモデルに追加で学習させるファインチューニングと、問いのたびに資料を探して問いに足すRAGを並べた図
ファインチューニングは資料を学習させ、RAGは問いのたびに資料を探す

RAGとファインチューニングは、どちらも、モデルが学習していない情報を答えに使うための方法です。2つの違いは、資料をモデルに学習させるかどうかにあります。

ファインチューニングは、学習済みのモデルに新しいデータを追加で学習させ、分野や用途に合わせることです。学習し直すたびに、多くの計算と費用がかかります。

新しい資料を答えにどう使うかで2つを比べると、次の表のとおりです。

ファインチューニングRAG
資料の使い方モデルに追加で学習させる問いのたびに探して、問いに足す
新しい資料を答えに使うにはモデルを学習し直す入れておく資料を新しくする

表のとおり、RAGは資料を新しくすれば、学習し直さずに答えに反映できます。中身が変わっていく資料を答えに使うなら、RAGが向いています。

RAGで気をつけること

誤った答えは無くならない・資料の質で答えが左右される・答えが似通うことがある、の3つを並べた図
誤り・資料の質・答えの似通いの3つに気をつける

RAGを使っても、AIの答えがいつも正しくなるわけではありません。気をつけることは、次の3つです。

  • 誤った答えは無くならない
  • 資料の質で答えが左右される
  • 答えが似通うことがある

誤った答えは無くならない

RAGは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)を減らすと期待されていますが、無くせるわけではありません。資料をもとにしても、答えの文章を作るのは大規模言語モデルだからです。

資料の質で答えが左右される

RAGの答えのよしあしを左右するのは、入れておく資料の質と、問いに合う資料を探し出せるかどうかです。資料が古かったり問いに合っていなかったりすれば、答えもそれに引きずられます。

答えが似通うことがある

RAGを使うと、AIの答えが同じような内容に寄っていくことがあります。そのため、多様さや独創性が要る仕事には、RAGが向かない場合もあるのです。

資料を整えてRAGの答えを確かめよう

RAGとは・仕組み・ファインチューニングとの違い・気をつけることを並べた表
RAGの要点のまとめ

RAGは、問いに合う資料を探し、その資料をもとに大規模言語モデルに答えさせる仕組みです。使うときに気をつけることは、次の3つです。

  • 誤った答えは無くならない
  • 資料の質で答えが左右される
  • 答えが似通うことがある

入れておく資料は新しく正しいものにしておき、答えはもとの資料で確かめてみてください。

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この記事について

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