ChatGPTでの法規の下調べ|条文の探し方と原文での確認
- ChatGPT で建築基準法を調べられるの?
- ChatGPT の法規の答えは、そのまま信じていい?
- 法規の下調べに ChatGPT を使うやり方を知りたい
建築士は、設計する建物を法令や条例の基準に合わせます。その決まりを設計の前に調べる下調べにも、ChatGPT を使えます。
しかし、ChatGPT の答えはいつも正しいとは限りません。答えを使う前に人の確認などで正しさを確かめることは、ChatGPT の利用規約も求めることです。
この記事では、ChatGPT に法令と条文の候補を挙げさせる頼み方と、その答えを原文で確かめる手順を解説します。読むと、ChatGPT に任せる所と、自分で原文を読む所の分け方が分かります。
法規の下調べは、設計の前に、建物にかかる法令や条例の決まりをあらかじめ調べておくことです。
ChatGPT の機能と利用規約は、2026年10月時点のものです。ChatGPTの法規の答えを原文で確かめる理由

ChatGPT の法規の答えは、原文で確かめてから設計に使います。答えに誤りが入ることがあり、設計を法令や条例に合わせる義務を負うのは建築士のためです。
ChatGPT の利用規約は、答えがいつも正確とは限らないとし、唯一の情報源や専門家の助言の代わりにしないよう書いています。使う前に人が確かめるなどして、正しさを見ることも求めています。
建築士法第18条第1項の決まりは、建築士が設計するときに、建物を法令や条例の基準に適合させることです。ChatGPT の答えをもとにしても、適合させる義務を負うのは設計した建築士です。
実際に、一級建築士が自分の案件で ChatGPT と Gemini(Google の生成AI)に法令を調べさせた例があります。
2つの AI はそろって、ある条例を、その小さなクリニックの計画にも当てはまると答えました。
自治体の窓口で聞くと、その条例は大規模な医療施設のための決まりでした。ChatGPT の答えは、どの法令のどの条を読めばよいかの手がかりにとどめます。
法令と条例の原文を確かめる所

原文を確かめる所は、決まりの種類で分かれます。法令は e-Gov 法令検索で、敷地ごとの条件と条例は自治体の資料と窓口で確かめるのが基本です。
e-Gov 法令検索は、憲法・法律・政令・府省令・規則などの法令の中身を検索して読める、国のサイトです。建築基準法のほか、政令の施行令や省令の施行規則も、ここで原文を読めます。
用途地域・容積率・建蔽率などの敷地の条件を確かめるのは、自治体の都市計画図や窓口です。都市計画図や用途地域の地図を、ホームページで公開している自治体も多くあります。
建築基準法とは別に確かめたいのが、自治体の条例(景観条例や、自治体が独自に決めた高さの制限など)です。
確かめる所が決まりの種類で分かれるので、ChatGPT の答えにも、法令・条例・敷地の条件のどれかの列を入れさせます。
ChatGPTに建築基準法などの条文の候補を挙げさせる

ChatGPT には、「この計画は建てられるか」のように答えを決めさせず、読むべき法令と条文の候補を挙げさせます。候補を表にさせるのは、1行ずつ原文と照らすためです。
条文の候補の挙げさせ方は、次の3つの手順です。
- 建物の条件を書いて頼む
- 条文の番号と出典を出させる
- 候補を表にまとめさせる
建物の
ChatGPT の新しいチャットに、建物の用途・階数・構造・延べ面積と、敷地のある市区町村・用途地域を書いて送ります。【 】の所は計画に合わせて書き換え、用途地域が分からなければ市区町村までを書きます。
【用途】の建物を、【市区町村】の【用途地域】に建てる計画です。
階数と構造は【階数・構造】、延べ面積は【延べ面積】です。
設計の前に確かめるべき、建築基準法と関係する法令の決まりを挙げてください。
自治体の条例で確かめるべきものも挙げてください。
施主の名前や敷地の番地を書かずに済むのが、この頼み方です。入れた情報の扱い(学習の設定)を確かめるまでは、書かずにおきます。
条文の
答えが返ったら、同じチャットに続けて、法令の名前と条・項の番号と、根拠にしたページ(出典)を付けるよう頼みます。
それぞれの決まりに、法令や条例の名前と条・項の番号を付けてください。
根拠にしたページも、出典として付けてください。
出典を求めると、Web 版の ChatGPT は Web 検索(Web を検索して答える働き)を使うことがあります。使ったときには、検索の結果と出典がチャットに出る仕組みです。
候補を
最後は、答えを表の形にまとめさせる手順です。決まりの種類の列があれば、どの行をどこで確かめるかを、表を見て決められます。
答えを表にしてください。
列は、種類(法令・条例・敷地の条件)・名前・条と項・決まりの中身(1行)・当てはまる条件・出典です。
返ってきた表のどの行も、まだ確かめていない候補です。
ChatGPTの答えを原文で確かめる

ここからは、ChatGPT が挙げた候補を、1行ずつ原文で確かめる手順です。法令の行は手順1と2で、条例と敷地の条件の行は手順3で確かめます。
原文での確かめ方は、次の3つの手順です。
- e-Gov 法令検索で条文を読む
- 当てはまる条件と数を原文で読む
- 条例と敷地の条件を自治体で確かめる
e-Gov 法令検索で
表の法令の名前で e-Gov 法令検索を引き、表にある条・項の原文を開きます。表の「決まりの中身」の1行と、原文の書きぶりを見比べてください。
当てはまる条件と
その決まりが、どの用途・どの規模・どの地域の建物に当てはまるかを、原文で読みます。答えに出てきた面積・高さ・距離などの数も、1つずつ原文の数と照らします。
条例と
条例と、用途地域などの敷地の条件の行は、自治体のページや都市計画図で確かめます。資料で分からないときに聞く先は、自治体の窓口です。
条例が当てはまる範囲も、ここで読みます。一級建築士の例で AI が取り違えたのも、条例が当てはまる建物の範囲でした。
原文と合った行だけを、設計の条件に使います。確かめられなかった行は、確かめるまで設計の判断に使いません。
表に無い決まりは、表の行を確かめても見つかりません。ChatGPT の公式の説明は、抜けている情報を探し、ChatGPT に「使えなかった情報は何か」と聞くよう勧めています。
ChatGPTの答えを手がかりに、原文で法規を確かめよう

ChatGPT での法規の下調べは、読むべき法令と条文の候補を挙げさせ、原文で確かめるまでがひと続きです。
この記事で解説した手順は、次の2つです。
- ChatGPTに建築基準法などの条文の候補を挙げさせる
- ChatGPTの答えを原文で確かめる
いま手がけている計画で、ChatGPT に条文の候補の表を作らせ、法令の行を1つ選んで e-Gov 法令検索で開いてみてください。
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