Blenderのライトパス|光の反射回数とレンダリング時間
- ライトパスの設定がどこか知りたい
- 反射の回数を変えると何が変わるか知りたい
- レンダリングを速くしたい
Blender(ブレンダー)の Cycles(サイクルズ・光の跳ね返りまで計算するレンダーエンジン)は、光が面に当たって跳ね返る回数を計算するほど、影の側まで明るく写ります。
しかし、跳ね返りの回数が多いほど、レンダリングの時間も長くなるのが難点です。
この記事では、跳ね返りの回数を決めるライトパスのパネルで、回数(画面の名前は「最大バウンス数」)を変える手順を解説します。回数で変わる明るさと時間、高速GI近似の使いどころも分かります。
画面:Blender 5.2.2 LTS(日本語の表示)始める前に

手順を始める前に知っておくことは、次の2つです。
- 明るさと時間を比べた例の部屋は、4 m×4 m×2.5 m の部屋の窓から日の光が入るシーン。背景(ワールド)は明るい空の色にした
- 光沢と伝播を 0 にした比べだけは、天井の無い別の部屋で書き出した。どちらの部屋にも金属の球とガラスの箱があり、GPU(NVIDIA GeForce RTX 4060)で 960×540 に書き出した
ライトパスとは

ライトパスは、光が面に当たって跳ね返る回数(バウンス)の上限などを決める、レンダーのタブのパネルです。跳ね返った光が当たると、直接は光が届かない所も明るくなります。
パネルの制限とコースティクスは、書き出しに出る白い点(ファイアフライ)を減らすときに使う設定で、この記事では扱いません。
最大バウンス数を変える

跳ね返りの回数は、②のライトパスのパネルの最大バウンス数で、合計の値を変えて決めます。構図や光を見る試しの書き出しのために、4 にする手順は次の3つです。
- ライトパスのパネルを開く
- 合計の欄を押す
- 4 と打ってEnterキーを押す
「ライトパス」
①のレンダーのタブで、②のライトパスの名前を押します。

ライトパスのパネルが開き、最大バウンス数の6つの欄が出ました。
「合計」
最大バウンス数の合計の欄(最初は 12 と出ている欄)を押します。

欄の数字が選ばれて、打ち替えられるようになりました。
4 と打って
4 と打ってEnterキーを押します。
欄が 4 になり、跳ね返りは4回までしか計算されなくなりました。
これで、最大バウンス数を変えられました。仕上げの書き出しの前に、合計を最初の 12 に戻してください。
合計は、すべての跳ね返りを合わせた回数の上限です。ディフューズ・光沢・伝播は合計の値までしか効かず、透過は合計とは別に数えます。
最大バウンス数の6つの欄の意味は、次のとおりです。
| 欄 | 最初の値 | 回数を数える跳ね返り |
|---|---|---|
| 合計 | 12 | すべての跳ね返り |
| ディフューズ | 4 | つやの無い面での跳ね返り |
| 光沢 | 4 | つやのある面での映り込み |
| 伝播 | 12 | 窓ガラスのように、光が中を通って曲がること |
| ボリューム | 0 | 煙や霧の中で、光が散ること |
| 透過 | 8 | 葉の画像の透明な部分のように、透明にした所を光がそのまま素通りすること |
バウンス数で変わる明るさと時間

合計を下げると、跳ね返った光が減るので、窓の光が直接届かない所から暗くなります。例の部屋では、4 までは明るさがほとんど変わらず、2 で1割半ほど、1 で3割ほど暗くなりました。
時間は、4 で最初の値の9割ほど、2 で8割ほど、1 で7割ほどでした。8 では、明るさも時間も 12 と同じでした。
試しの書き出しで時間を縮めるなら、合計は 4 にしてください。2 以下にすると、部屋が暗くなり、ガラスも黒く写ります。
4 にしても時間は9割ほどなので、もっと縮めたいときは、サンプリングのノイズしきい値も見直してください。ノイズしきい値は、BlenderのCyclesのサンプリングとデノイズで解説しています。

部屋の奥が暗いときは、ディフューズを上げると少し明るくなります。例の部屋では、4 から 8 にすると5%ほど明るくなり、時間は1割ほど長くなりました。
12 にしても、8 とほとんど変わりませんでした。ディフューズは合計の値までしか効かないので、上げるときは合計を 12 のままにしてください。
高速GI近似

高速GI近似は、跳ね返った光による明るさ(GI)を、AO(面の近くに付く陰)で近似して、計算を速くする設定です。決めた回数までは跳ね返りを計算し、そのあとの光を AO に置き換えます。
高速GI近似を使う手順は、次の2つです。
- 高速 GI 近似のチェックの欄を押す
- 高速 GI 近似の名前を押して開く
「高速 GI 近似」
②のライトパスのパネルの、高速 GI 近似のチェックの欄を押します。

チェックが入り、3Dビューポートと書き出しに高速GI近似が使われるようになりました。
「高速 GI 近似」
高速 GI 近似の名前を押します。
方式・AOの係数・AOの距離・ビューポートバウンス数・レンダーバウンス数の欄が出ました。
これで、高速GI近似を使えるようになりました。ビューポートバウンス数とレンダーバウンス数は、画面では名前が途中で切れて見えます。
| 欄 | 最初の値 | 意味 |
|---|---|---|
| 方式 | 置き換え | 「置き換え」は、決めた回数の跳ね返りのあとの光を AO に替える。「加算」は、つやの無い面に AO を足す |
| AOの係数 | 1.00 | AO を混ぜる強さ |
| AOの距離 | 10 m | どこまで離れた面が陰を付けるか |
| ビューポートバウンス数 | 1 | 3Dビューポートで、何回の跳ね返りのあとに AO に替えるか |
| レンダーバウンス数 | 1 | 書き出しで、何回の跳ね返りのあとに AO に替えるか |

置き換えた光の明るさと色は、背景(ワールド)の色を元に決まります。例の部屋では、高速GI近似ありは、なしの5割ほどの時間で済みました。
ただし、明るさは半分ほどになり、部屋が背景の空の色で青みがかりました。高速GI近似は、3Dビューポートで見るときに使い、仕上げの書き出しでは外してください。
金属やガラスが黒くなるとき

金属やガラスは、光沢と伝播の回数が足りないと黒く写ります。光沢と伝播は合計の値までしか効かないので、合計が小さいときも黒くなります。
黒くなったら、まず合計を最初の 12 に戻してください。それでも黒い所が残るときは、金属なら光沢を、ガラスなら伝播を上げます。
反射の回数を決めて、明るさと時間を整えよう

ライトパスは、光が面に当たって跳ね返る回数の上限などを決めるパネルです。この記事で解説したことは、次の3つです。
- 最大バウンス数:試しの書き出しは合計を 4 までにする。例の部屋では明るさがほとんど変わらず、9割ほどの時間で済んだ。奥が暗いときはディフューズを上げる
- 高速GI近似:半分ほどの時間で済むが、例の部屋では明るさも半分ほどになった。3Dビューポートで見るときに使う
- 金属やガラスが黒いとき:合計を戻してから、光沢と伝播を見直す
まずは自分の部屋を、合計を 4 と 12 で1枚ずつ書き出して、明るさと時間を比べてみてください。
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