1. BlenderのEEVEEのレイトレーシングと設定|設定項目とライトプローブ

Blender

BlenderのEEVEEのレイトレーシングと設定|設定項目とライトプローブ

編集部 読了 約12分

  • EEVEEのレンダリング設定を知りたい
  • EEVEEの反射・ガラスをきれいにしたい
  • EEVEEの影にノイズが出る

Blender(ブレンダー)の EEVEE(イーヴィー・速く書き出せるレンダーエンジン)は、最初の設定のままだと、金属に周りの物が映り込まず、ガラスも透けません。

映り込みと透けを出すのは、レンダーのタブのレイトレーシングのパネルと、ガラスのマテリアルの設定です。

この記事では、EEVEE でレイトレーシングを入れる手順と、ガラスを透かす手順、影のざらつきを減らす手順、ライトプローブの置き方を解説します。EEVEE の設定の一覧も分かります。

画面:Blender 5.2.2 LTS(日本語の表示)

始める前に

画面の区画
起動した直後の画面。レンダーエンジンは最初から EEVEE。①プロパティエディターのレンダーのタブ ②レイトレーシングのパネル

手順を始める前に知っておくことは、次の2つです。

  • 映り込みを見るには、シーンにつやのある物が要る。例の部屋では、金属の球(メタリック 1・粗さ 0.05)とガラスの箱(伝播 1・粗さ 0)を、4 m×4 m の部屋の中の台に置いた。伝播は、マテリアルが光を透かす割合
  • 例の部屋は、960×540 で GPU(NVIDIA GeForce RTX 4060)で書き出した。画面は、起動した直後のシーンで撮った

EEVEEのレイトレーシングとは

レイトレーシングなしとありの比べ
同じ部屋を EEVEE で書き出した画像。レイトレーシングありでは、金属の球に床や壁が映り込む

EEVEE のレイトレーシングは、金属などのつやのある面に、周りの物の映り込みを計算する設定です。最初の設定では切れていて、つやのある面は周りを映しません。

レイトレーシングを入れる

レイトレーシングのパネル
この節の手順で、レイトレーシングにチェックを入れて開いた画面(赤い枠)

映り込みは、①のレンダーのタブで、②のレイトレーシングにチェックを入れて出します。手順は、次の2つです。

  1. レイトレーシングのチェックの欄を押す
  2. レイトレーシングの名前を押して開く

「レイトレーシング」のチェックの欄を押す

②のレイトレーシングのチェックの欄を押します。

レイトレーシングのチェック
レイトレーシングのチェックの欄(赤い枠)

チェックが入りました。

「レイトレーシング」の名前を押して開く

レイトレーシングの名前を押します。

開いたレイトレーシングのパネル
開いたレイトレーシングのパネル(赤い枠)

方式・解像度・スクリーントレーシング・デノイズ・高速 GI 近似の欄が出ました。

これで、レイトレーシングを入れられました。例の部屋では、同じ設定を2回書き出した2回目の時間が、なしで 0.3 秒、ありで 0.4 秒でした。

1回目の書き出しは、シェーダー(面の色を計算する仕組み)を作る分だけ長くかかります。開いた欄の意味は、次のとおりです。

欄最初の値意味
方式スクリーントレース「スクリーントレース」は、画面に写っている物から映り込みを計算し、写っていない所はライトプローブで補う。「ライトプローブ」は、ライトプローブだけで計算する
解像度1:2映り込みを計算する細かさ。1:1 がいちばん細かく、1:4・1:8 と右の数が大きいほど粗くて速い
スクリーントレーシング(開くと欄が出る)スクリーントレースの細かさなどの設定
デノイズチェックあり映り込みの粒を減らす
高速 GI 近似チェックあり粗いつやの面(映り込みがぼやける面)では、映り込みや跳ね返った光(GI)の計算の代わりに、速い近似を使う

ガラスを透かす

ガラスの比べ
同じ部屋の台の上を、EEVEE で書き出して拡大した画像。レイトレーシングだけではガラスの箱は黒いまま。レイトレース伝播も入れると透ける(金属の球の縁が明るいのは、レイトレーシングの映り込み)

EEVEE でガラスを透かすには、レイトレーシングを入れたうえで、ガラスのマテリアルのレイトレース伝播にチェックを入れます。例の部屋では、レイトレーシングだけでは、ガラスの箱は黒く写ったままでした。

手順は、次の3つです。

  1. ガラスのオブジェクトを選ぶ
  2. マテリアルのタブを押す
  3. 設定のレイトレース伝播のチェックの欄を押す

ガラスのオブジェクトを選ぶ

3Dビューポートで、ガラスのオブジェクトを押して選びます。

オブジェクトが選ばれ、オレンジの線で囲まれました。

マテリアルのタブを押す

プロパティエディターの、赤と黒の球の印のマテリアルのタブを押します。

マテリアルのタブ
マテリアルのタブ(赤い枠)。画面は、起動した直後の立方体を選んで撮った

選んだオブジェクトのマテリアルの設定が出ました。

「設定」の「レイトレース伝播」のチェックの欄を押す

マテリアルのタブを下へ送り、設定のサーフェスのレイトレース伝播のチェックの欄を押します。

レイトレース伝播のチェック
設定のレイトレース伝播(赤い枠)

レイトレース伝播にチェックが入りました。

これで、ガラスを透かせるようになりました。

レイトレース伝播は、ガラスの向こうの色をレイトレーシングで計算する設定です。チェックが無いと、向こうの色はライトプローブだけで決まります。

影とサンプル数

影の比べ
大きなエリアライトで照らした床の影の境目(2倍に拡大)。サンプル数 4 ではざらつき、64 では滑らか。影のレイ数を 4 にすると、サンプル数 4 でもざらつきが減る

影の境目がざらつくときは、先に、①のレンダーのタブのサンプリングの中の、レンダーのサンプル数を見ます。最初の 64 より下げていたら、64 に戻してください。

サンプル数の欄
サンプリングのレンダーのサンプル数(赤い枠)。上のビューポートのサンプル数は、3Dビューポートの表示に使う

例の部屋では、サンプル数 64 で影の境目のざらつきが消えました。64 でも残るときは、影のレイ数を上げます。

例の部屋では、サンプル数 4 のままでも、レイ数を 4 にすると、周りより目立つ粒の画素が、床で 10% から 0.5% に減りました。

レイ数を 4 にする手順は、次の3つです。

  1. 影の印を押して開く
  2. レイ数の欄を押す
  3. 4 と打ってEnterキーを押す

「影」の印を押して開く

サンプリングの影の名前の前の「>」の印を押します。チェックの欄ではありません。

影の印
影の「>」の印(赤い枠)

影が開きました。

影のパネル
開いた影のパネル(赤い枠)

開いた所に、レイ数・ステップ・ボリュームシャドウ・解像度の欄が出ています。

「レイ数」の欄を押す

レイ数の欄(最初は 1 と出ている欄)を押します。

レイ数の欄
レイ数の欄(赤い枠)

欄の数字が選ばれて、打ち替えられるようになりました。

4 と打って「Enter」キーを押す

4 と打ってEnterキーを押します。

レイ数を4にした
レイ数を 4 にした画面(赤い枠)

欄が 4 になりました。

これで、影のレイ数を上げられました。影のパネルの欄の意味は、次のとおりです。

欄最初の値意味
影チェックありライトから影を落とす
レイ数1ライト1つにつき、影を調べる光線の数
ステップ6影の光線1本あたりに見る、シャドウマップ(影を計算するための画像)の数
ボリュームシャドウチェックなし煙や霧(ボリューム)の影を計算する
解像度1.000シャドウマップの細かさの割合

ライトプローブを置く

ライトプローブの比べ
同じ部屋を、レイトレーシングなしのまま、球状のライトプローブを金属の球の中心に置いて書き出した画像。金属の球に部屋が映り込む

レイトレーシングを入れずに映り込みを出したいときは、映したい物の中心に球状のライトプローブを置きます。ライトプローブは、置いた場所の周りの光を集めて、映り込みや明るさに使う物です。

レイトレーシングの方式がスクリーントレースのときも、画面に写っていない所の映り込みは、ライトプローブで補われます。手順は、次の3つです。

  1. 3Dビューポートの追加を押す
  2. ライトプローブに重ねて球状を押す
  3. ライトプローブを、映したい物の中心へ動かす

「追加」を押す

3Dビューポートの上の帯(ヘッダー)の追加を押します。

追加のメニューが開きました。

「ライトプローブ」に重ねて「球状」を押す

ライトプローブにポインターを重ね、出た一覧の球状を押します。

ライトプローブのメニュー
追加のメニューのライトプローブと球状(赤い枠)

3Dカーソル(新しい物が置かれる場所の印)の場所に、球状のライトプローブが置かれました。

球状のライトプローブ
置いた球状のライトプローブ(赤い枠)

ライトプローブを、映したい物の中心へ動かす

Gキーを押してポインターを動かし、映したい物の中心で左クリックして決めます。

ライトプローブが、映したい物の中心に動きました。

これで、ライトプローブを置けました。球状のライトプローブは、置くだけで書き出しに効きます。

例の部屋では、金属の球の中心に置いてそのまま書き出すと、レイトレーシングなしでも部屋が映り込みました。

ライトプローブには、球状のほかに平面とボリュームがあります。

ライトプローブ集める光
球状1つの点の周りの、すべての向きからの光
平面鏡や床のような平らな面に、1つの向きから入る光
ボリューム決めた範囲の中の、ぼんやりした光

EEVEEの設定の一覧

EEVEEのレンダーのタブ
①のレンダーのタブのパネル。起動した直後はサンプリングだけが開いている

EEVEE のレンダーのタブのパネルは、次のとおりです。この記事では、このうちサンプリングとレイトレーシングを解説しました。

パネル決めること
サンプリング1画素を計算する回数と影
ライトパス光の跳ね返りなどの上限
レイトレーシング映り込みと透け
ボリューム煙や霧(ボリューム)の書き出し
カーブ髪の毛などのカーブの書き出し
簡略化書き出しを軽くするための上限
被写界深度ピントの外のぼけ
モーションブラー動く物のぶれ
フィルム背景の透過など、書き出す画像の扱い
パフォーマンス書き出しに使うメモリなど
グリースペンシルグリースペンシル(線で描く物)の書き出し
Freestyle輪郭の線の書き出し
カラーマネージメント書き出す画像の色の扱い

EEVEEの設定で、反射と影を整えよう

レイトレーシングとガラスを整えた部屋
レイトレーシングとガラスのレイトレース伝播を入れて書き出した例の部屋。ガラスの箱の向こうに、後ろの壁が透けて見える

EEVEE のレイトレーシングは、つやのある面に周りの物の映り込みを計算する設定です。この記事で解説したことは、次の4つです。

  • レイトレーシング:レイトレーシングにチェックを入れると、金属に映り込みが出る。例の部屋では、時間は 0.3 秒が 0.4 秒に
  • ガラス:レイトレーシングに加えて、ガラスのマテリアルのレイトレース伝播にチェックを入れる
  • 影のざらつき:先にサンプル数を最初の 64 にし、それでも残るときに影のレイ数を上げる
  • ライトプローブ:映したい物の中心に球状のライトプローブを置くと、レイトレーシングなしでも映り込む

まずは自分の部屋で、レイトレーシングなしとありを1枚ずつ書き出して、映り込みを比べてみてください。

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