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  1. 3DCGの物の見え方|光の反射・吸収・透過

3DCGの物の見え方|光の反射・吸収・透過

編集部 読了 約6分

  • 光の反射・吸収・透過は、それぞれ何が違うの?
  • 反射率・透過率・吸収率の関係がよく分からない
  • ガラスや金属の見え方が、3DCGでどう決まるのかを知りたい

3DCGのパースでは、物の見え方をマテリアルの設定で決めます。しかし、光が物に当たったときに何が起きるかを知らないままでは、設定の名前を見ても何を決めているのかがつかみにくいはずです。

この記事では、物に当たった光の行き先と、その割合で透明・不透明・金属の見え方がどう分かれるかを解説します。マテリアルの項目が、光のどの行き先にかかわるのかも見ていきましょう。

物に当たった光は、一部が表面で反射し、残りは物の中へ入ります。中へ入った光は、吸収されたり散乱したり、通り抜けたりします。

物に当たった光の行き先

物に当たった光が、表面で反射する・中で吸収される・中で散乱して外へ出る・通り抜ける様子を表した図
物に当たった光が、表面で反射する・中で散乱して外へ出る・中で吸収される・通り抜ける様子を表した図です。

物に当たった光の主な行き先は、次の4つです。

  • 反射する
  • 散乱する
  • 吸収される
  • 透過する

反射する

表面ではね返った光は、物のつやや映り込みとして目に入ります。ガラスやプラスチックでは、はね返るのは当たった光の一部だけで、残りの光の行き先は物の中です。

散乱する

物の中で光が向きを変えることを、散乱と呼びます。散乱した光の一部は、また表面から外へ出てくるのです。

吸収される

中へ入った光の一部は、物に吸収されて外へ出てきません。物は光の色(波長)ごとに吸収する量が違うので、散乱して返ってくる光は吸収されなかった色の光で、それが物の色に見えます。

透過する

吸収も散乱もされずに物を通り抜けるのが、透過です。

反射率・透過率・吸収率とは

屈折率1.5の板ガラスに当たった光100のうち、表の面で約4、裏の面で約4が反射し、約92が通り抜ける様子を表した図
屈折率1.5の板ガラスに当たった光を100としたとき、表と裏の面で約4ずつ反射し、約92が通り抜けることを表した図です。

反射率・透過率・吸収率は、当たった光の強さに対する割合です。反射した光の割合が反射率、通り抜けた光の割合が透過率、物の中で吸収された光の割合が吸収率にあたります。

当たった光は反射・透過・吸収のどれかに分かれるので、3つの割合を合わせると100%です。中で散乱してから表面に出てきた光も、物から返ってきた光なので、数えるのは反射の側です。

たとえば、ふつうのガラスに正面から光が当たると、表面で約4%が反射します。板ガラスでは表と裏の2つの面で約4%ずつ手前へ反射し、通り抜けるのは約92%で、吸収はほとんどありません。

透明な物と不透明な物の違い

同じ形の透明なガラスの箱と、不透明な白い箱を並べて写した画像
Blender 5.2 で、同じ形の透明なガラスの箱(左)と不透明な白い箱(右)を並べて写した画像です。

透明か不透明かを分けるのは、中へ入った光が吸収や散乱をされるかどうかです。ガラスや水は、中へ入った光の多くが通り抜けるので、向こうが透けて見えます。

多くのプラスチックが中に含むのは、光を吸収したり散乱したりする細かな粒です。そのため光が通り抜けにくく、向こうが透けない不透明な見え方になります。

画像の右の白い箱(不透明なプラスチック)が白く見えるのは、中で散乱した光が表面から出てくるためです。

金属と非金属の光の返し方

同じ色の非金属の球と金属の球を並べて写した画像
Blender 5.2 で、同じ色の非金属の球(左)と金属の球(右)を並べて写した画像です。右の球の映り込みは球の色に染まっています。

金属は、当たった光のほとんどを表面で反射し、吸収はわずかです。ガラスやプラスチックのような非金属では、多くの光が中へ入ります。

金属は光の色ごとに反射する割合が違うので、映り込みに金属の色が付くのです。3DCGのマテリアルでも、金属の反射の色を素材の色の項目で決めます。

画像の左の球(非金属)では、光の映り込みは白いままです。

右の球(金属)では、床や光の映り込みが球の色に染まって見えます。右の球の左の端に映っているのは、隣にある左の球です。

3DCGのマテリアルで決めること

マテリアルで決める色・つや・金属か・透けるかの4つの項目と、Blender 5.2 の Principled BSDF の項目の名前を並べた図
マテリアルで決める色・つや・金属か・透けるかの4つの項目と、Blender 5.2 の Principled BSDF での項目の名前です。

3DCGでは、ここまで見てきた見え方をマテリアルで決めます。色・つや・金属か・透けるかを、1つのマテリアルでまとめて設定するのが基本の形です。

つやは反射のぼけ方、透けるかは透過の量、金属かは表面で光のほとんどを反射させるかを決めます。色は、非金属なら散乱して出てくる光の色、金属なら反射の色です。

3DCGソフトの Blender 5.2 では、4つの項目を Principled BSDF という1つのノードでまとめて設定します。ノードは、マテリアルを組み立てる部品です。

項目の名前は、Base Color・Roughness・Metallic・Transmission と表示されます。

PBR(物理ベース)は、現実の光のふるまいに近い計算でマテリアルを作る考え方です。PBR のマテリアルでは、反射した光と通り抜けた光を合わせても、当たった光より多くはなりません。

光の行き先から物の見え方を考えよう

不透明な箱・透明な箱・金属の箱を並べて写した画像
Blender 5.2 で、不透明な箱・透明なガラスの箱・金属の箱を並べて写した画像です。

物の見え方を決めるのは、当たった光がどこへどれだけ進むかです。この記事で見た光の行き先は、次の4つでした。

  • 反射する:表面ではね返る
  • 散乱する:中で向きを変え、一部が外へ出てくる
  • 吸収される:物の中で吸い込まれる
  • 透過する:物を通り抜ける

パースで素材の見え方を決めるときは、その素材に当たった光がはね返るのか、中で散って出てくるのか、通り抜けるのか、吸い込まれるのかを考えてみてください。

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