画像生成AIの学習データ|何を学んだかで決まる作れる画像
- 画像生成AIの学習データって何?
- 画像生成AIは、どんな画像から学んでいるのか気になる
- 学習データで、作れる画像がどう変わるのかを知りたい
画像生成AIは、学習した大量の画像をもとに新しい画像を作ります。しかし、何を学んだかは使っているときには見えないので、思ったとおりの画像が出ない理由がつかみにくいものです。
この記事では、画像生成AIの学習データとは何かと、学習データで何が作りやすくなるかを解説します。プロンプト(画像を作るときに入れる文章)の英語と日本語の作り比べで、偏りの出方も分かります。
学習データは画像と説明文の組の集まりで、作りやすい物と作りにくい物は、その中身しだいです。
画像生成AIの学習データとは

画像生成AIの学習データとは、画像を作る仕組み(モデル)が学ぶための、画像とその画像を説明する文章(説明文)の組を集めたものです。
学習データの別の呼び名には、解説の記事で使われるデータセットや教師データがあります。
モデルは、この組から、どんな説明文にどんな画像が合うかの傾向を学びます。その結果できるのが、プロンプトに書いた文章から、それに合う画像を作る力です。
学習データの組は、とても多く集められます。たとえば公開されている学習データの LAION-5B は、画像と説明文の組を約58.5億組集めたもので、うち約23.2億組が英語の説明文の組です。
画像生成AIのモデルの1つの Stable Diffusion は、v1 の版を、主にこの英語の部分(LAION-2B(en))から選んだ組で学習しました。
学習データに少ない物や画風は作りにくい

学習データから傾向を学ぶので、学習データに少ない物や画風は、プロンプトで頼んでも作りにくくなります。あまり学んでいない物の見た目は、文章だけでは引き出しにくいためです。
特に、手元の画像に写っている決まった物の見た目は、学習済みのモデルではまねられません。自社の家具の製品や、自社のパースの画風を、プロンプトに名前を書くだけで再現することは難しいわけです。
そのため、学習済みのモデルにあとから画像を学ばせる、追加学習という方法があります。
学習データの偏りが画像に出る

学習データの言語や文化に偏りがあると、その偏りは作られる画像に出ます。Stable Diffusion の v1 では、モデルの公開元がその限界を書いています。
Stable Diffusion の v1 は、主に英語の説明文の組で学習しました。そのため、英語以外のプロンプトでは、英語のプロンプトより思ったとおりに作る力が大きく劣ります。
また、英語以外の言語を使う人々や文化の画像と説明文は、十分に入っていない可能性が高いとされています。何も指定しないと、白人や西洋の文化が出やすいというわけです。
上の画像は、このうち言語の偏りを試した例です。Stable Diffusion 1.5(v1 の版の1つ)で、同じ中身のプロンプトを英語と日本語で書き、ほかの設定をそろえて作りました。
使ったシード(初めのノイズ=でたらめな点のざらつきを決める数)は、11 と 12 の2つです。
ネガティブプロンプト(画像に出したくないものを書く欄)は、どちらも英語の「blurry, lowres, deformed」です。
この試しでは、英語のプロンプトからは、白い壁の現代的な2階建ての家ができました。
日本語のプロンプトからは、2階建てにも現代的な家にもならず、瓦のような屋根の木造の建物(11)や、画面が左右2つに分かれた小屋(12)ができました。白い壁だけは、どちらにも出ています。
日本語でこうした建物になった理由までは、この試しからは分かりません。
学習した画像を貼り合わせて作るのではない

学習データから作るといっても、学習データの画像を切り貼りして作っているのではありません。
モデルがしているのは、学んだ傾向をもとに、ノイズを少しずつ取り除いて新しい画像を作ることです。
ただし、学習データに重複して入っていた画像は、ある程度記憶されることがあります。記憶とは、学習した画像とよく似た画像を作れるほど、覚えてしまうことです。
Stable Diffusion の v1 の公開元も、学習データの重複を取り除かなかったため、重複した画像の記憶が見られたと書いています。学習データにあった画像と、よく似た画像が出ることもあるわけです。
学習データを知って作りにくい画像の理由を見分けよう

画像生成AIは、学習データの組から学んだ傾向で画像を作ります。この記事で解説したことは、次の4つです。
- 学習データは、画像とその画像の説明文の組でできている
- 学習データに少ない物や画風は、プロンプトで頼んでも作りにくい
- 学習データの言語や文化の偏りは、作られる画像に出る
- 学習した画像を貼り合わせて作るのではないが、重複した画像はある程度記憶されることがある
思ったとおりの画像が出ないときは、プロンプトを英語で書いているか、作りたい物が学習データに少なそうかを確かめてみてください。
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