アップスケールと超解像|画像を大きくする仕組み
- 超解像って、普通の拡大と何が違うの?
- 画像生成AIで作ったパースを、大きくして使いたい
- AI で大きくした画像が、元の画像と同じかを知りたい
画像生成AIで作った画像を、大きな紙や画面で使いたい場面があります。ただ、AI で大きくした画像には、元の画像と違う細部が足されていることがあるのです。
この記事では、画像を大きくする超解像の仕組みを解説します。普通の拡大と学習した拡大の違いと補った細部の注意は作例で、拡散モデルでの拡大と倍率、建築のソフトの機能も分かります。
超解像は、低解像度の画像から高解像度の画像を作る技術です。
超解像とは

超解像とは、画素の間を補って、低解像度の画像から高解像度の画像を作る技術です。解像度は、画像の縦と横の画素の数のことです。
辞典の説明では、超解像の仕組みは、テレビなどを作るメーカーによって違います。学習したモデル(たくさんの例から作り方を学んだ計算の仕組み)を使うものだけが、超解像ではありません。
アップスケールも、画像を大きくする意味で、AI の機能の名前に使われています(Upscale 4X など)。この記事では、どちらも画像を大きくすることを指す言葉です。
そのうえで、まわりの画素から計算するだけの拡大を「普通の拡大」、学習したモデルで細部を補う拡大を「学習した拡大」と呼んで分けます。
普通の拡大と学習した拡大の違い

普通の拡大と学習した拡大の違いは、画素の間の埋め方にあります。普通の拡大は、まわりの画素の値から、間の画素の値を計算して埋める方法です。
学習した拡大は、低解像度と高解像度の画像の組から、その対応をモデルに学ばせて大きくします。
2014年に発表された SRCNN は、この対応を畳み込みニューラルネットワーク(画像の特徴を取り出す計算の仕組み)で学ばせた、早い時期の方法です。
作例では、部屋のレンダリングを 1/4 の 340×192 に縮め、2つの方法で4倍に戻しました。
学習した拡大には、2018年に発表された ESRGAN の作りのモデル(4x-ESRGAN)を使っています。
表の「隣り合う画素の差の平均」は、線や縁がくっきりしているほど、また細かな模様が多いほど大きくなる、くっきりさの目安です(画素の値は 0〜255)。
| 普通の拡大 | 学習した拡大(ESRGAN) | |
|---|---|---|
| 間の埋め方 | まわりの画素から計算する | 学んだ対応から細部を補う |
| 作例の窓の枠やソファの縁 | ぼやけた | 元の画像に近い、くっきりした線になった |
| 隣り合う画素の差の平均 | 1.30 | 1.95(元の画像は 2.40) |
補った細部は元の物に無いことがある

学習した拡大が補う細部は、元の物に無いことがあり、乱れを伴うこともあります。
ESRGAN の論文も、その前の方法が作り出した細部には、見た目の悪い乱れが伴うことが多いと書き、それを減らす方法として ESRGAN を出しています。
作例では、元の画像にある板の上の木目の筋が消え、細かな粒のような模様に変わりました。板の境目の線は、はっきり戻っています。
くっきりした画像でも、元の画像と同じになるわけではありません。
パースを大きくしたときは、大きくする前の画像を同じ大きさに引き伸ばして並べ、素材の模様や細い線を見比べておくと安心です。
拡散モデルで大きくする方法と倍率

画像を大きくする方法には、拡散モデルを使うものもあります。拡散モデルは、ノイズを少しずつ取り除いて画像を作る仕組みです。
Stable Diffusion x4 upscaler は、文章で導きながら4倍に大きくする拡散モデルです。文章のほかに、低解像度の入力に足すノイズの量を、値として受け取ります。
学習した拡大や拡散モデルの倍率は、使うモデルごとに決まったものです。Real-ESRGAN(実際の写真に起きる劣化をまねて作った画像で学ばせたもの)には、2倍のモデルと4倍のモデルがあります。
Real-ESRGAN でほかの倍率にするときは、出力を最後に普通の拡大で合わせる作りです。
建築のソフトのアップスケールの機能

建築のソフトにも、画像を大きくする AI の機能があります。
Vectorworks 2026 の AI Visualizer には、作った画像や読み込んだ画像の縦横を4倍にする Upscale 4X があります。これは 2026年10月時点の製品の説明です。
拡大とは別の機能ですが、同じ AI Visualizer の Improve Details(細部を強める機能)は、強さを上げるほど元の画像から離れやすい、と説明されています。
Chaos(レンダラーの V-Ray などを作る会社)は 2025年9月に、レンダリングの出力を最大4倍に大きくする AI Upscaler を出すと発表しました。
いま使えるかは、製品の説明で確かめてください。
アップスケールの仕組みを知って、拡大した画像を元と見比べよう

超解像は、画素の間を補って画像を大きくする技術です。この記事で解説したことは、次の5つです。
- 超解像は画素の間を補う技術で、学習したモデルを使うものだけではない
- 普通の拡大はまわりの画素から計算し、学習した拡大は学んだ対応から細部を補う
- 補った細部は元の物に無いことがあり、作例では木目の筋が粒のような模様に変わった
- 拡散モデルで大きくする方法もあり、例のモデルの倍率はモデルごとに決まっている
- 建築のソフトにも、画像を4倍まで大きくする AI の機能がある
パースを大きくしたら、大きくする前の画像を引き伸ばして並べ、素材の模様や細い線が変わっていないかを確かめてみてください。
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