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  1. アップスケールと超解像|画像を大きくする仕組み

アップスケールと超解像|画像を大きくする仕組み

編集部 読了 約7分

  • 超解像って、普通の拡大と何が違うの?
  • 画像生成AIで作ったパースを、大きくして使いたい
  • AI で大きくした画像が、元の画像と同じかを知りたい

画像生成AIで作った画像を、大きな紙や画面で使いたい場面があります。ただ、AI で大きくした画像には、元の画像と違う細部が足されていることがあるのです。

この記事では、画像を大きくする超解像の仕組みを解説します。普通の拡大と学習した拡大の違いと補った細部の注意は作例で、拡散モデルでの拡大と倍率、建築のソフトの機能も分かります。

超解像は、低解像度の画像から高解像度の画像を作る技術です。

超解像とは

340×192 の小さな画像と、それを学習した拡大で4倍の 1360×768 にした画像を並べた図
340×192 の小さな画像を、学習したモデル(ESRGAN)で4倍の 1360×768 にした

超解像とは、画素の間を補って、低解像度の画像から高解像度の画像を作る技術です。解像度は、画像の縦と横の画素の数のことです。

辞典の説明では、超解像の仕組みは、テレビなどを作るメーカーによって違います。学習したモデル(たくさんの例から作り方を学んだ計算の仕組み)を使うものだけが、超解像ではありません。

アップスケールも、画像を大きくする意味で、AI の機能の名前に使われています(Upscale 4X など)。この記事では、どちらも画像を大きくすることを指す言葉です。

そのうえで、まわりの画素から計算するだけの拡大を「普通の拡大」、学習したモデルで細部を補う拡大を「学習した拡大」と呼んで分けます。

普通の拡大と学習した拡大の違い

同じ小さな画像を、普通の拡大と学習した拡大で4倍にしたソファの部分と、元の画像を並べた図
同じ小さな画像を4倍にすると、普通の拡大は縁がぼやけ、学習した拡大は元に近いくっきりした線になった

普通の拡大と学習した拡大の違いは、画素の間の埋め方にあります。普通の拡大は、まわりの画素の値から、間の画素の値を計算して埋める方法です。

学習した拡大は、低解像度と高解像度の画像の組から、その対応をモデルに学ばせて大きくします。

2014年に発表された SRCNN は、この対応を畳み込みニューラルネットワーク(画像の特徴を取り出す計算の仕組み)で学ばせた、早い時期の方法です。

作例では、部屋のレンダリングを 1/4 の 340×192 に縮め、2つの方法で4倍に戻しました。

学習した拡大には、2018年に発表された ESRGAN の作りのモデル(4x-ESRGAN)を使っています。

表の「隣り合う画素の差の平均」は、線や縁がくっきりしているほど、また細かな模様が多いほど大きくなる、くっきりさの目安です(画素の値は 0〜255)。

普通の拡大学習した拡大(ESRGAN)
間の埋め方まわりの画素から計算する学んだ対応から細部を補う
作例の窓の枠やソファの縁ぼやけた元の画像に近い、くっきりした線になった
隣り合う画素の差の平均1.301.95(元の画像は 2.40)

補った細部は元の物に無いことがある

同じ床の部分を、元の画像・普通の拡大・学習した拡大で並べた図
学習した拡大では、床の板の境目の線は戻ったが、木目の筋は粒のような模様に変わった

学習した拡大が補う細部は、元の物に無いことがあり、乱れを伴うこともあります。

ESRGAN の論文も、その前の方法が作り出した細部には、見た目の悪い乱れが伴うことが多いと書き、それを減らす方法として ESRGAN を出しています。

作例では、元の画像にある板の上の木目の筋が消え、細かな粒のような模様に変わりました。板の境目の線は、はっきり戻っています。

くっきりした画像でも、元の画像と同じになるわけではありません。

パースを大きくしたときは、大きくする前の画像を同じ大きさに引き伸ばして並べ、素材の模様や細い線を見比べておくと安心です。

拡散モデルで大きくする方法と倍率

普通の拡大・学習したモデル・拡散モデルの3つの方法と、例のモデルの倍率を並べた表
普通の拡大・学習したモデル・拡散モデルの3つの方法と倍率

画像を大きくする方法には、拡散モデルを使うものもあります。拡散モデルは、ノイズを少しずつ取り除いて画像を作る仕組みです。

Stable Diffusion x4 upscaler は、文章で導きながら4倍に大きくする拡散モデルです。文章のほかに、低解像度の入力に足すノイズの量を、値として受け取ります。

学習した拡大や拡散モデルの倍率は、使うモデルごとに決まったものです。Real-ESRGAN(実際の写真に起きる劣化をまねて作った画像で学ばせたもの)には、2倍のモデルと4倍のモデルがあります。

Real-ESRGAN でほかの倍率にするときは、出力を最後に普通の拡大で合わせる作りです。

建築のソフトのアップスケールの機能

Vectorworks 2026 の Upscale 4X と、Chaos が発表した AI Upscaler の機能を並べた表
建築のソフトの、画像を大きくする AI の機能(2026年10月時点の各社の説明)

建築のソフトにも、画像を大きくする AI の機能があります。

Vectorworks 2026 の AI Visualizer には、作った画像や読み込んだ画像の縦横を4倍にする Upscale 4X があります。これは 2026年10月時点の製品の説明です。

拡大とは別の機能ですが、同じ AI Visualizer の Improve Details(細部を強める機能)は、強さを上げるほど元の画像から離れやすい、と説明されています。

Chaos(レンダラーの V-Ray などを作る会社)は 2025年9月に、レンダリングの出力を最大4倍に大きくする AI Upscaler を出すと発表しました。

いま使えるかは、製品の説明で確かめてください。

アップスケールの仕組みを知って、拡大した画像を元と見比べよう

超解像の意味・2つの拡大の違い・補った細部・拡散モデルと倍率・建築のソフトの機能の5つを、1つずつ並べた表
超解像の意味・2つの拡大の違い・補った細部・拡散モデルと倍率・建築のソフトの機能のまとめ

超解像は、画素の間を補って画像を大きくする技術です。この記事で解説したことは、次の5つです。

  • 超解像は画素の間を補う技術で、学習したモデルを使うものだけではない
  • 普通の拡大はまわりの画素から計算し、学習した拡大は学んだ対応から細部を補う
  • 補った細部は元の物に無いことがあり、作例では木目の筋が粒のような模様に変わった
  • 拡散モデルで大きくする方法もあり、例のモデルの倍率はモデルごとに決まっている
  • 建築のソフトにも、画像を4倍まで大きくする AI の機能がある

パースを大きくしたら、大きくする前の画像を引き伸ばして並べ、素材の模様や細い線が変わっていないかを確かめてみてください。

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この記事について

PERSC編集部が、建築の制作に関わる知識を実務目線で整理しています。内容は公開・更新日時点の情報にもとづきます。誤りや古い情報にお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。